存在感抜群な炭鉱遺産『炭鉱メモリアル森林公園』(美唄市)

道央

高くそびえる「竪坑巻揚櫓」や「原炭ポケット 」など、役目を終えた炭鉱関連施設を保存している公園。巨大な炭鉱遺産は圧倒的な存在感!近くにある三菱美唄記念館も合わせて訪問しました。

訪問日:2026/7/20(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

炭鉱の記憶を残す公園

夕張や三笠と並び、炭鉱のまちとして知られる美唄(びばい)。炭鉱自体は昭和末期にはすべて閉山しておりますが、令和の時代にもその面影は各地に残されています。

中でも見ごたえがあるのが炭鉱メモリアル森林公園。旧三菱美唄炭鉱跡地を整備した公園で、多数の建造物が保存・展示されているのです。

立ち並ぶ炭鉱遺産

目につく赤い鉄塔のようなものは竪坑巻揚櫓。大正12年(1923年)に完成したもので、高さ約20mの櫓が2基残されています。竪坑というのは、地下の坑道と地上をつなぐ縦方向の穴。巻揚櫓は、そこを行き来するエレベーターの稼働装置で、深さは170mにも及びます。

2基ある竪坑は役割がわかれております。「上風坑」は排気や人員の出入り・資材の搬入に、「下風坑」は入気と石炭の搬出に使用されていました。

コンクリートの建造物は、大正14年(1925年)に建設された原炭ポケット。採掘された原炭を保管するところで、最大1,300トン収納可能という大きな施設です。木々に包まれた姿が、隠された遺跡のようなたたずまい。

もうひとつの建造物は、同じ大正14年(1925年)に建てられた竪坑開閉所。炭鉱関連施設や設備機械の主要電源が管理された場所で、電気施設や器具の修理も行っていました。

安田侃の彫刻作品

多数の炭鉱遺産が立ち並ぶ中に見えるのは彫刻作品《妙夢(みょうむ)》。こちらは美唄出身の彫刻家・安田侃(やすだ かん)の作品です。前回記事にした「アルテピアッツァ美唄」を手掛けた人物ですね!

原炭ポケットの前にも、《吹雪(ふぶき)》という作品がさりげなく置かれています。(※写真手前の黒い棒がそれです)

全部で3点が展示されているそうですが、最後の1点は探しても見つからず。草むらに埋もれているのか、もしくはなんらかの事情で撤去されてしまったのかと思ったのですが、後々調べてみると《意心帰(いしんき)》という作品が竪坑開閉所内にあったそうです。

美唄炭鉱の歴史

このあたりで、ちょっと美唄炭鉱の歴史を紐解いてみましょう!

かつて全国有数の産炭地として栄えた美唄(びばい)。そのはじまりは、明治7(1874年)年、アメリカ人の地質学者・ライマンの調査にまで遡ります。その後、大正2年(1913年)に徳田炭鉱(のちの新美唄炭鉱)が、続いて飯田美唄炭鉱が開鉱。大正4年(1915年)には、北海道進出を目指していた三菱財閥がこれを買収。昭和3年(1928年)には三井財閥も進出し、大規模な炭鉱が開発されていきます。戦時中も稼働は続き、朝鮮人や中国人が強制連行され重労働を強いられていたという歴史もあるそうです。

戦後、炭鉱は「日本経済復興の主役」として重視されます。満洲や樺太からの引き揚げ者など新たな入山者も加わり、炭住街もさらに広がりました。昭和31年(1956年)には9万人以上もの人が暮らす大規模な炭鉱街が発展。一流の芸術家の公演や展覧会、スポーツ大会なども開催されます。美空ひばりのコンサートや大相撲、プロ野球の興行もあったそうです。

時代が進むと、エネルギーは石炭から石油へと転換されていき、各地の炭鉱は閉山していきます。昭和38年(1963年)に三井美唄炭鉱が閉山、昭和47年(1972年)に三菱美唄炭鉱も閉山。残っていた中小炭鉱も相次いで閉山し、昭和48年(1973年)には市内すべての炭鉱が閉山。炭鉱の街としての歴史は幕を閉じました。

近くにある三菱美唄記念館

そんなわけで、三菱が大きく関わっていた美唄炭鉱。炭鉱メモリアル森林公園から3kmほどのところには三菱美唄記念館が建っています。駐車場は見当たらず、道路挟んで反対側の空き地に停めて訪問しました。

一部屋だけの小さな展示室。1/5000のジオラマ模型をはじめ、当時の貴重な写真や実物の道具などが展示されています。

救急隊の装備も展示されています。事故発生時に使用するもので、ガスマスクをはじめ様々な道具を携えていますね。

壁にかかるのは多数のカギ。アパート番号や、救護隊、経理課、倉庫、婦人部などの記載も。それぞれに想い出が詰まっていると考えると、胸がアツくなります!

館内は無料で見学できます。ただし、開館期間は5月~10月、開館時間は平日:13時00分~16時30分 土日祝:9時00分~17時00分、休館日は月曜・火曜と少々限定的です。

そして、空調がないため、めっちゃ暑いです!!


そんなわけで、美唄炭鉱の面影を感じたところでそろそろ夕食の時間。美唄名物である「とりめし」を食べに行きます!

コメント

タイトルとURLをコピーしました