レアな元三大師像の特別公開『深大寺 元三大師像 大開帳』(調布市)

東京都(市町村部・多摩地区)

普段は非公開の秘仏「元三大師(がんざんだいし)像」。大修理完了記念に特別開帳されているという情報を聞きつけ、深大寺へと向かいます。待ち時間が非常に長いというウワサですが、いったいどれくらい待つことになるのでしょうか・・・・。

訪問日:2025/5/31(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

貴重な特別開帳

調布市にある深大寺は、創建が天平5年(733年)と伝わる古刹。

境内にある元三大師堂では元三大師像を安置していますが、秘仏であるため基本的に非公開。公開される「本開帳」のは50年に一度であり、過去には1934年と1984年に公開されています。

一生に一度見られるかどうか、と言いたいところですが、2009年には25年の「半開帳」として公開、さらに2021年には東京国立博物館で特別展「最澄と天台宗のすべて」に出展もされていたりと、意外とそのチャンスはあります。

今回、修理が行われたためその記念に特別開帳が行われました!

特別開帳 令和の大修理完了記念特別開帳
期間:令和7年4月26日(土)〜6月2日(月)
時間:10:00~16:00
拝観料:1,000円
■元三大師とは
慈恵大師こと良源という天台宗の僧のこと。天台宗のトップである「天台座主」という役を務め、比叡山延暦寺の中興の祖とも知られる人物。優れた法力を持っており、自らの姿を鬼に変えて疫病を払ったという伝説も残されています。そのため、「角大師」と呼ばれる角の生えた姿で描かれることが多いです。

雨の中の深大寺

ということで、今回やってきたのは5月31日(土)。あいにくの雨ですが、参道や境内は通常時よりも多くの人でにぎわっています。

手水は華やかに彩られています。アジサイに加えて、ヒスイカズラも。神代植物公園からもらってるのかなと思ったら、すぐそばにに神代植物公園の「あじさいウィーク」の案内が。もしかしたら神代植物公園がプロデュースしてるのかもしれません。

元三大師像の大開帳が行われているのは、本堂からさらに奥にある元三大師堂。たくさんの人が集まっています。

待ち時間に注意

ここで問題となるのが待ち時間。公式サイトにも「長時間お並びいただく場合がある」との記載とともに、実際の待ち時間目安が記されていました。

そこに記されていたのは「平日60分」「土日祝120分」という、ディズニーランドや大阪万博クラスの待ち時間。いやー、こんなにも人気なのですね!!

今回訪問したのは最終日間近の土曜日の昼下がり。さぞ混雑しているだろうと覚悟して向かったところ、なんと「15分待ち」との表記が!雨のためか、想定よりもずっと短い待ち時間。本当は先に深大寺そばを食べて、人が少なくなる終了時間付近に並ぼうと思っていましたが、すぐさま待機列へ。

13:57に並んだところ、実際は10分ほどで拝観することができました。

ちなみに快晴となった翌日の6月1日(日)、Xを見ていると「120分待ち」との書き込みが!天候でこんなにも違うなんて、雨だとラッキーなのかもしれませんね。

神秘的な元三大師像

薄暗い堂内に鎮座する元三大師像。太鼓の音と祈祷の念仏が、神秘的な雰囲気を引き立てます。坐像にしてその高さは2mにも及び、強い眼力を放つ表情が圧倒的な存在感。

※イメージ画像

目の前に少しだけ立つことができ、祈祷を受けてすぐに退場という流れ。じっくり見られるわけではありませんが、秘仏たる空気を感じるには十分な時間。

像の手には紐がつながっており、その紐は天井を通り抜け途中から太くなります。「結縁紐(けちえんひも)」と呼ばれており、最終的にはお堂の外の卒塔婆へ。拝観後、この卒塔婆に触れることで、お大師様と縁を結ぶことができるのです。

元三大師の様々な姿

特別開帳時にいただいたパンフレット、これがとってもわかりやすい!出身や経歴が記されたユニークな「元三大師の履歴書」や、像の内部にネズミが棲んでいたこと、さらにそのネズミが持ち込んだ書物の切れ端など、興味をそそられる内容ばかり。

冒頭に角の生えた姿で描かれることが多いと書きましたが、実は元三大師の姿はこれだけではありません!角大師に加えて4つの姿で描かれることが多いそうです。

①僧形、②鬼大師。お坊さんの姿と、鬼に変化した姿。今回開帳された元三大師像 は、僧形でございました。

③豆大師、④角大師。33体の小さな御影の集合体である姿と、お札などでお馴染みの角の生えたアイコニックな姿。

僧形、鬼大師、角大師は「鬼に姿を変えた伝説」に基づいているためすんなり入ってきますが、気になるのは豆大師。何か由来となる伝説はあるのかと思いましたが、どうやら観音はあらゆる衆生を救うために33の姿に化身するという「法華経」に基づいてるという説が有力なようです。

というわけで、4つの姿をもつ元三大師。様々な姿で描かれるというのは、それだけ信仰が普及していたのでしょうね。

なお、「角大師」はアクリルスタンドになっております!めっちゃ欲しかったのですが、訪問時は授与終了しておりました。特別拝観期間終了後に追加授与の予定があるそうなので、またいつか再訪します。

深大寺について詳しくは以前訪問時の記事にて。

清らかな水が流れる都内屈指の古刹『深大寺』(調布市)
水神・深沙大王を祀っており、境内に多数の湧水源を擁する水と関わりの深い寺院。国宝に指定された仏像や、「角大師」を祀る元三大師堂など見どころは豊富。ユニークな名前の樹木も見ることができます。

アクセスと拝観情報

京王線の「調布駅」からバスで12分ほど。「つつじヶ丘駅」「吉祥寺駅」「三鷹駅」からもバスが出ているようですが、本数は少な目です。

開門時間 春分~秋分:5:00~18:00
秋分~春分:6:00~17:00
料金 無料
公式サイト https://www.jindaiji.or.jp/

※掲載の情報は2025年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました