製鉄や造船、石炭産業など、幕末から明治にかけての近代化とともに発展した産業について学ぶことができるスポット。無料で利用できる施設ですが、ほぼ平日限定であり、予約しないと入れないのでご注意ください!
訪問前の注意事項
新宿区にある産業遺産情報センターは、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産をはじめとした、幕末〜明治の産業遺産について詳しく知ることができる施設。
ここへ行く際に注意すべきことがいくつかあります。まず平日しかオープンしておりません。そして入館は予約制となっています。
公式サイトに予約フォームがあり、ガイドありかガイドなしで選択可能。ガイドありは1日3回「10:15」「12:30」「14:45」(各回2時間)、ガイド無しは「10:00〜13:30」「14:00〜17:00」の2部制。
今回は時間的にガイドに間に合わなそうだったので、ガイドなしにしました。ちなみに前日でも予約できるみたいです。
2024年7月より第2・第4土曜日に通常開館が開始!平日休みが無い方でも訪問しやすくなりました。
総務省にある情報センター
新宿駅からは少し離れた若松町、学校の裏側にあるのが高い塀に包まれた総務省。産業遺産情報センターは、この中にあります。
厳かな雰囲気を前に少し怯みましたが、門を抜けるとすぐに入口が見つかりました。
受付では案内とともに、バインダーに挟まった館内マップや解説パンフレット、メモ用紙などがセットでいただけます。無料のコインロッカーや音声ガイドもあります。ちなみに入館料は無料です。
情報たっぷりな展示室
ゾーン2のメイン展示室は、「①揺籃の時代」「②造船」「③製鉄・鉄鋼」「④石炭産業」といったテーマに合わせた読みもの系のパネルがびっしり!
産業遺産の成り立ちが、時代背景とともに語られます。世界遺産登録までの道のりもしっかり紹介されています。
お堅めの内容ですが、タブレットで遊ぶちょっとした産業遺産クイズや、CGを駆使した映像コンテンツもあります。情報センターという名称ですが、歴史ミュージアムとして楽しめる内容でした。
また、資料室では様々な文献や資料、映像のデータベースも。実際に端島に暮らしていた人の話す映像なども見ることができます。
構成資産とその歴史
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、8県11市に所在する23の資産で構成されています。その構成資産を含む様々な史跡が、歴史の流れの中で紹介されていきます。
「①揺籃の時代」では、ペリー率いる黒船の来航によって鎖国が解かれ近代化を進める動きが語られます。幕府は大船建造の禁を解き、鎖国令を撤廃。日本古来の製鉄「たたら」では大砲の鋳造ができないため、全国に世界遺産に登録された「韮山(にらやま)反射炉」をはじめ、11箇所の反射炉が設置されます。
さあ、ここまででお気づきかもしれませんが、館内は撮影禁止です!!文章力の無さを写真で誤魔化している当ブログにとって、写真がないのは大ピンチ!!
はっ!以前現地に行ったときの写真があったはず!

韮山反射炉(静岡県)
これこれ韮山反射炉です!このパターンでいきます!
「②造船」では、長崎造船所と縁が深いのはスコットランド出身の貿易商人トーマス・B・グラバーについての紹介が。貿易会社グラバー商会を設立、維新志士に西洋技術や武器を供給しました。

グラバー園(長崎県)
「③製鉄・鉄鋼」では、製鉄技術の進歩を中心とした展示内容。毎回炉を壊して鉄を取り出す「たたら製鉄法」から、連続で出銑できる「高炉法」へ。岩手県の釜石市の橋野鉄鉱山には、そんな高炉や採掘場の跡が残されています。

橋野鉄鉱山(岩手県)
続く「④石炭産業」では、国内の炭鉱の紹介が。1869年に長崎港の沖合にある高島炭鉱が操業開始。蒸気機関から石炭産業へと変化していきます。1890年には、軍艦島の通称で知られる端島も操業開始。最初は小さな岩礁に過ぎなかった端島ですが、採炭の際に出てくるボタを使って周囲を埋め立てて拡張、軍艦のような姿に変化していきます。多くの人が暮らし、最盛期には5,300人と、世界で最も人口過密なコミュニティであったそう。

軍艦島(長崎県)
今回紹介した内容はほんの一部。記事では世界遺産にフォーカスしておりますが、それ以外にも様々な史跡が紹介されております。歴史系の読みものが好きな方は、物凄く楽しめる施設だと思います!
スタッフさんは皆さんとても丁寧で、わかりやすく案内してくれます。ただし、総務省内の施設であるためか、各部屋には警備の方が立っています。気を使って移動してくれたりもしてましたが、ちょっぴりプレッシャーに感じる瞬間も・・・!
アクセスと営業情報
・都営大江戸線「若松河田」駅より徒歩5分
開館時間 | 10:00~17:00 |
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休館日 | 土日祝日、年末年始 ※第2、第4土曜日は開館 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.ihic.jp/l/ja-JP/ |
※掲載の情報は2025年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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