中禅寺湖のほとりに建つ寺院。立木に彫刻した本尊の「千手観音像」、五大明王像と雲竜図、そしてレイクビューが楽しめる「五大堂」が見どころ。清々しい気持ちになれるお寺です。
湖畔に建つ寺院
日光を代表するスポット、中禅寺湖。その名前の由来となった中禅寺というお寺があることは意外と知られていません。
ここは、日光の二社一寺として人気のある輪王寺の別院。中禅寺湖のほとりという、開放的なロケーションに建立されています。関東一都六県に広がる「坂東三十三観音霊場」の第18番にも選定されている寺院です。
784年に勝道上人によって建立された寺院であり、もともとは男体山の麓にありました。1902年の山津波により寺院は壊滅。御本尊の立木観音は流されてしまいますが、奇跡的に中禅寺湖畔の歌ヶ浜に漂着。それに合わせて寺院は移築されました。
爽やかな風が吹く境内
立派な楼門。左右には仁王像がかまえており、その背面には風神と雷神が控えています。
楼門の先には鐘楼。諸願成就の梵鐘が吊るされており、その音色は湖上に響き渡るそうです。
こちらの木の根元に膨らんだコブは、身代わりの瘤(こぶ)。参拝者の病気の身代わりになってできた瘤とされています。
奥へと進むと見えてくるのが本堂。自由拝観ではなく、係の方の案内があるため順番に案内されます。お寺の方は、笑顔でとっても親切でした。
荘厳な立木観音
この中禅寺に来たら見逃せないのが御本尊の「十一面千手観世音菩薩」。勝道上人が舟で中禅寺湖を遊覧している際に湖上に千手観音様の姿を見て、それを彫ったものであるそう。
※堂内は撮影禁止でしたので、案内板より
この観音様は、通称「立木観音」とも呼ばれています。「立木」というのは、地面に生えたままの木を示す言葉。その名の通り、この観音様は1本の木をもとに彫られております。前述の通り、一度流されているため地面に根が張っているわけではありませんが、足元には根が残っているそうです。
足元の根を見てみたかったのですが、拝観場所からはそこまでは見ることができずでした。
なお、御利益は「諸願成就」という、諸々の願い事を成就してくださるというもの。流暢なご案内のあとは、お守りのレコメンドがあったりもします。
パノラマ広がる五大堂
本堂の奥の高台に建つ五大堂。1969年に勝道上人開山1200年記念事業として建立されました。先ほどの立木観音を安置していた本堂の中を進むと、そのまま五大堂の内部へと繋がります。
不動明王、降三世明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王、大威徳明王からなる五大明王が並んでおります。天井に描かれた堅山南風による雲竜図とともに、迫力満点でした。(※こちらも堂内は撮影禁止)
お堂の外に出ると、目の前に広がるのは穏やかな中禅寺湖。お堂が高い位置にあるため、見晴らしは抜群です。
災害で立木観音が流れ着いたという偶然により定まった地ですが、「観音様がこの地を選んだ」とも言われているそうです。こんな素敵なロケーションならば、そんな風に考えたくもなりますね。
アクセスと営業情報
駐車場は、楼門前に数台分の無料スペースがあります。周辺の駐車場は有料なのでご注意ください。
拝観時間 | 4~10月:8:00~17:00 11~3月:8:00~16:00 12~2月:8:30~15:30 ※拝観受付はいずれも30分前まで |
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料金 | 500円 |
公式サイト | https://www.rinnoji.or.jp/history/temple/chuzenji/ |
※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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