洗練された都市型アートミュージアム『静岡市美術館』(静岡市)

静岡県

静岡駅のすぐ近くにある静岡市美術館は、コレクションを持たないミュージアム。モダンな雰囲気の館内では、時期によって様々な作品が展示されています。お目当ての企画展を狙って訪問するのがおすすめです。

訪問日:2023/2/23(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

駅前のアートミュージアム

2010年に開館した静岡市美術館は、JR静岡駅北口にそびえる「葵タワー」の3階にあります。地下道を利用すれば駅から徒歩3分ほど、19:00までと遅くまで開館しているため、ふらっと立ち寄りやすい施設です。

広々としたエントランスホール。白を基調としたモダンなデザインは、アートミュージアムらしさにあふれています。

「街の中の広場」のような美術館を目指しており、ショップやカフェ、収容人数約120人の多目的室なども備えています。講演会やコンサート、ワークショップも開催され、美術鑑賞だけでなく交流スペースとしての機能も併せ持った美術館です。

これまでの展覧会

静岡市美術館は、収蔵品を持たない美術館。そのため常設展はなく、企画展のみが開催されます。参考までに、過去の企画展はこんな感じでした。

平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰
2022年2月5日(土)〜3月27日(日)
スイス プチ・パレ美術館展 花ひらくフランス絵画
2022年4月9日(土)〜6月19日(日)
ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語
2022年7月2日(土)〜8月28日(日)
出版120周年 ピーターラビット™展
2022年9月15日(木)〜11月6日(日)
杉浦非水 時代をひらくデザイン
2022年11月19日(土)〜2023年1月29日(日)

古典的な美術に限らず、デザインや原画など企画展のバリエーションは豊富。近くに住んでいたら、展示が変わるたびに訪れて様々な作品を楽しめますね!

ただし、コレクションが無いということは、「ここに行けばこの作品に会える」という感覚がありません。近くに住んでいる人には常に新鮮な姿の美術館ですが、観光で訪れるには少し物足りないかもしれませんね。

見ることができる作品

常設展示はありませんが、エントランスホールにはいくつかの作品が展示されていました。

こちらは「東海道五十三次ひとめ図」。漆工芸作品で、蒔絵師・塗師・指物師が力を合わせて造り上げたそうです。

美術館のロゴマークは、富士山をモチーフにしています。2つの円と2つの線という、非常にミニマルなデザインです。

写真だと平面のタペストリーのように見えますが斜めから見ると、円や直線がばらばらに配置されています。「視点によって見え方が変わる」というのも、きっとこのロゴに込められたメッセージ。きれいなロゴマークが完成するように調整して写真を撮るのも楽しいです。

展覧会「東海道の美 駿河への旅」

私が訪問したときに行われていた展覧会はこちら。

東海道の美 駿河への旅
2023年2月11日(土・祝)〜3月26日(日)

徳川幕府が整備した東海道。参勤交代や物流の大動脈としてにぎわい、数多くの作品の題材とされてきました。そんな東海道をテーマにした作品を集めた企画展示。様々な絵師が描いた東海道図屏風など、様々な作品が展示されています。

さて、実はさきほど駿府城へ行き日本最大級の天守台跡の発掘現場を見学してきたばかり。いったいどんな天守閣が建っていたのか想像していたのですが、ここで展示されているたくさんの東海道図屏風には、もれなく駿府城が描かれています。

展示室内は写真撮影禁止、さらにはスマホでのメモも禁止されています。代わりに鉛筆と紙を貸していただけるので、ここぞとばかりにメモをとってみました!

私の調査によると、ほぼ全ての作品で層塔型(そうとうがた)5層の天守が描かれていました。ただし、「破風(はふ)」という屋根に付けられた飾りの数や位置はけっこうばらばら。描かれた角度による差なのか、絵師による個性なのかは定かではありませんが、同じものを描いていてもディティールが異なるのは面白いです。

2023年度の展覧会

さて、「東海道の美 駿河への旅」の次はどのような展覧会がおこなわれるのでしょうか?公式HPに掲載されていたのは、以下の5つの展覧会。

英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり
2023年4月8日(土)〜6月4日(日)
さくらももこ展
2023年6月17日(土)〜8月23日(水)
ブルターニュの光と風
2023年9月5日8火)〜10月22日(日)
NHK大河ドラマ特別展 どうする家康
2023年11月3日(金・祝)〜12月13日(水)
高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの
2023年12月27日(水)〜2024年3月31日(日)

これまで同様、古典的な美術にとらわれないユニークな展覧会が開催される予定のようです。静岡らしさを味わいたい人は、静岡市清水区出身の「さくらももこ展」や、駿府城と合わせて「NHK大河ドラマ特別展 どうする家康」を狙ってみるのも良さそうです!

アクセスと営業情報

JR線の静岡駅より徒歩3分。横断歩道が無い箇所もあるため、地上には出ずに地下通路を利用してアクセスするのがおすすめです。

※「静岡県立美術館」と名前が似ているので混同しないようにご注意ください!

開館時間 10:00~19:00
休館日 月曜、年末年始
料金 展覧会により異なる
公式サイト https://shizubi.jp/

※掲載の情報は2023年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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