ホワイトとゴールドのコントラストが美しい『兵庫大仏』(神戸市)

富山県

白く輝くボディがとても凛々しいお姿の兵庫大仏。苦難の歴史を乗り越え、今なお神戸のまちを見守っております。神戸の中心からは少し外れますが、静かな境内はとても落ち着ける場所です。

訪問日:2018/1/15 (月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

歴史深い能福寺

兵庫大仏があるのは能福寺というお寺。かつて伝教大師こと最澄が開いたとされる由緒正しき天台宗の寺院。福原京遷都の際には平清盛をはじめとした平家一門が帰依、大伽藍が整備され通称「福原寺」とも呼ばれていたそうです。

そんな深い歴史を持つ能福寺、ベイエリアや中華街といった神戸の中心地からは少し離れたところにあります。観光客がほとんど訪れず、静かな町なか。境内に入ると、すぐに真っ白な大仏様の姿が見えてきました。

白亜の巨大仏

高さ11m、台座を含めると18mにも及ぶ大きな大仏様。安らかな表情で参拝に訪れる人々を見守っております。

白いボディと金色の蓮が青空に映えます。凛々しく高貴な姿は思わず見とれてしまう美しさ。

兵庫大仏は、一願成就の大仏様。きちんとお祈りすれば、願い事を必ず叶えてくれるそう。『一切の怨念と欲心を捨て、清らかな謙虚な心をもつて一心にご真言をお唱えし誠を捧げてお祈りして下さい』とのことですが、私の願いなんて欲まみれなので、その欲を捨てて願うのはとても難しい・・・。

大仏様の歴史

兵庫大仏は1891年に豪商である南条荘兵衛という人物の寄進によって建立されました。当時流行していたキリスト教に対抗するためであったともいわれています。

太平洋戦争が激化すると金属類回収令が施行。この兵庫大仏も対象となり、1944年に国に供出を余儀なくされてしまいます。(※供出=政府の要請に応じて差し出すこと)

現在見ることができる大仏は、1991年に建立された2代目。解体された初代大仏の金属片が見つかり、それを混入して造られたそうです。

日本三大仏?

こちらの兵庫大仏、奈良の大仏、鎌倉の大仏に並ぶ日本三大仏といわれています。

三大〇〇シリーズというのは2つまでは決まっていても最後の1つは諸説あり、というパターンが多いです。とりあえずWikipedia調べてみると、奈良・鎌倉は決まっているけど3つ目は時代とともに変遷しているそう。

江戸時代には京都方広寺の「京の大仏」が数えられており「京・奈良・鎌倉」という布陣でした。しかし、京の大仏は地震や落雷など度重なる災害により倒壊。その後、初代・兵庫大仏が完成すると新たな三大仏として「奈良・鎌倉・兵庫」へと変遷。

前述の通り兵庫大仏が戦争の影響で供出されてしまった後は、富山県高岡市にある大佛寺の「高岡大仏」や東京都板橋区の乗蓮寺にある「東京大仏」、岐阜県岐阜市正法寺の「岐阜大仏」などがそこに加えられるようになります。そんな中、かつての三大仏であった兵庫大仏が再建されると、さらにややこしいことに。

結局のところ、日本三大仏が何かによって定められているということも無いため、「これが正解!」という並びは決まっていないようです。

なお、現在の兵庫大仏の開眼法要の儀式には、奈良の大仏を擁する東大寺の管長、鎌倉大仏を擁する高徳院貫主が臨席したそう・・・!三大仏として認められている感じがしますね。

アクセス情報

最寄り駅は三ノ宮駅から3駅のJR兵庫駅。そこから徒歩10分くらいの位置にあります。
神戸コミュニティサイクル「コベリン」など、レンタサイクルで行くのもおすすめ!元町駅から15分ほどでアクセスできます。

公式サイト http://nofukuji.jp/

※掲載の情報は訪問時のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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