異国情緒あふれるモダン寺『本願寺神戸別院』(神戸市)

兵庫県

モダン寺という名で親しまれている本願寺神戸別院は、インド風建築のまったく寺に見えないお寺。突然現れる宮殿のようなデザインの巨大建築はとにかく圧巻です。

訪問日:2018/1/15 (月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

突然現れるモダン寺

神戸市中央区、花隈駅のすぐ近くにそびえるこちらの建物。これ何だと思いますか?

まるで宮殿のような荘厳な雰囲気ですが、こちら本願寺神戸別院という名の浄土真宗本願寺派のお寺。その姿から『モダン寺』の通称で親しまれています。

どの角度で見ても、一般的に想像するお寺のイメージからかけ離れているモダン寺。インド様式とのことですが、ステレオタイプなインドよりもどこかメルヘンな雰囲気も感じます。

全くお寺に来たという実感がわきませんでしたが、建物の前に立つ宗祖の親鸞聖人御像が寺院であることを思い出させてくれます。

寺院の内部へ潜入

内部もやっぱりお寺っぽくありません。美術館、もしくは公共ホールのような現代的な雰囲気。

ついつい「潜入」などとかっこつけましたが、催しなどが開催されていない限りは内部も自由に見学することができます。

3階の本堂も参拝自由。キラキラ輝く金箔で仕上げられた厨子や、御影石の柱など豪華な設えです。

他にも600名収容のホールも備えており、仏前結婚式が行われることもあるそうです。

モダン寺の変遷

インパクト抜群のモダン寺ですが、長い歴史の中で様々な変化を遂げてきました。

①善福寺
モダン寺の前身となったのは善福寺というお寺。1871年にこの地に移転してきましたが、1917年に原因不明の火災により消失してしまいます。

②旧モダン寺
1930年にインド仏教様式のデザインで復活。その後におこった太平洋戦争の戦災も逃れました。1960年に現在と同じ本願寺神戸別院という名に変わります。

③現在のモダン寺
老朽化により改築が行われ、1995年に現在の建築が完成します。阪神淡路大震災により中断するも平成7年に再建し、震災後初の新築寺院として復興の先駆けとなりました。

このモダンな外観は平成以降にできあがったものかと思っていたのですが、1930年という昭和初期にできあがっていたのが驚きです。まだ現代ほど異国風な建築があふれていない時代、きっと大きな話題になったのではないでしょうか。

他にもあるインド式寺院

さてさて、インパクトのある建築ですが、実は国内には他にも日本の寺院とは少し異なる建築のお寺が存在しています。

まずは同じく浄土真宗本願寺派の寺院である東京都の築地本願寺。建築家の伊東忠太が設計したこちらの寺院は、古代インド様式をモチーフとしており、まるで遺跡のような佇まいをしております。また、同じく浄土真宗本願寺派の本願寺名古屋別院も同様に古代インド様式で仕上げられています。

神奈川県の平間寺(川崎大師)・薬師殿も日本のお寺とはかけ離れた外観。こちらは大岡實(おおおか みのる)という建築家が手掛けています。

ここで紹介した以外にも、日本のお寺とは異なる外観をした寺院は国内に多数存在しています。歴史深い仏教建築も情緒があって良いですが、時折このような寺院を見つけると、なんだかレアな気がしてついつい立ち寄りたくなってしまいますね。

アクセスと見学情報

多数の駅から徒歩でアクセスすることができます。

阪急神戸高速線の花隈駅より徒歩1分、阪神神戸高速線の西元町駅より徒歩3分、地下鉄西神・山手線の大倉山駅より徒歩8分、地下鉄海岸線のみなと元町駅より徒歩4分、JR神戸線の神戸駅より徒歩10分ほど。

拝観時間 9:00~16:30
料金 無料
公式サイト https://hongwanji-kobe.jp/

※掲載の情報は2023年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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