印象的なパイプ仕立ての建物の正体は、港や船をテーマにした海事博物館。館内には世界中の様々な船や神戸港の歴史を学べる展示、さらには幻の遷都計画である「福原京遷都」に関する展示も豊富。色々な乗り物に乗ることができるカワサキワールドも併設されています。
ベイエリアのシンボル博物館
「メリケンパーク」や「ハーバーランド」など、様々な見どころが目白押しな神戸のベイエリア。夜はそれぞれがカラフルにライトアップして華やかな世界へと切り替わります。
神戸ポートタワーやモザイク大観覧車と並びシンボルとなっているのがグリーンに輝く不思議な建造物。こちらは、神戸海洋博物館という「海・船・港」をテーマにしたミュージアム。
1962年に開館した神戸国際港湾博物館をルーツに、幕末の神戸港開港120年を記念して1987年にオープンしました。白いフレームでできたユニークな建物は、帆船の帆や海の波をイメージしているそうです。
いろいろな船が勢ぞろい
入るとそこにはたくさんの船!大きく横たわるイギリスの戦艦「ロドニー号1/8模型」をはじめ、様々な船がてんこ盛り。時系列にそって並んでいるため、船が進化していく様子を体感することができます。
西洋帆船を見ていると頭に浮かぶのが箱根海賊船。何気なく名前を見て見ると、箱根海賊船と同じ「ヴァーサ」「ビクトリー」という名を発見!きっとモデルとなった船なのでしょうね。
精巧に作り上げられたボトルシップもずらり。恐ろしいほど集中力が必要な作業、こういうの作れる人は尊敬します・・・!
2階には神戸の港の歴史、変遷についての展示があります。この辺りは撮影禁止のようなので、ここからは写真無しでいきます。
福原京遷都にまつわるエトセトラ
さてさて、「福原京遷都」ってご存知でしょうか?歴史の授業でちらっと出てきた気がしますが、私はすっかり忘れていました。
それは平清盛により進められた遷都で、当時400年の歴史を持つ京都の都・平安京から、神戸の貿易港・大輪田泊を中心とした福原京へ都が移り変わりました。これには、貴族や寺院勢力から逃れるためであったり、山に囲まれた天然の要塞であるこの地で守りを固めようとした、など様々な理由が考えられています。
安徳天皇、高倉上皇、後白河法皇が行幸することで遷都となりましたが、わずか半年でまた平安京へ戻ることに。その理由としては、高倉上皇をはじめ多くの貴族が難色を示し、さらに全国各地で平氏への反発が強まり、福原京の維持が難しくなったためといわれています。
もし遷都が成功して継続されていた場合、平氏による武家政権「福原幕府」が開かれていたかもしれません。歴史は大きく変わっていたことでしょう。
平清盛の夢であった福原京・・・館内のマリタイムシアターでは、そんな福原京を再現CGで体験することができます。
驚きだったのは、展示されていた福原京建設の再現ジオラマ。古くなった船に石を積み船底に穴を開けて沈め、土台を作っていくという「船瀬工法」が行われていたそう。ちなみに、鎌倉にも和賀江島という人工の島が今でも残っており、こちらも同じようにして作られたそうです。今度探しに行ってみようかな。
わくわくのカワサキワールド
海洋博物館の施設内には、川崎重工業による企業博物館カワサキワールドが併設されています。こちらは現代的な乗り物が盛りだくさん!!カワサキといえばモーターサイクル。ばりかっこいいバイクがずらりと並びます。
鎮座する新幹線0系電車。元祖新幹線であり、世界初の高速鉄道専用車両であった歴史的にも重要な車両です。こちらはなんと実物で、客室や運転席に入ることもできます。
こちらはKV-107 II型ヘリコプター。実際に運行していた現物であり、内部に入ることもできます。機内にはフライトシミュレーターも設置されており、離着陸体験もできたりします。個人的には「手を振りながら降りてくる有名人ごっこ」がしたいです。
造船業から、鉄道車両、航空機、製鉄など様々な事業へ多角経営を行っているカワサキ。カワサキワールドシアターでは、宇宙から海底まであらゆるフィールドで活躍するカワサキの姿を見ることができます。
他にもジェットスキー体験アトラクションや運転できる鉄道模型ジオラマ、さらには「電車でGO」も設置されています。男の子はもちろん、大きいお友達も大喜びしてしまうのではないでしょうか。
アクセスと営業情報
市営地下鉄のみなと元町駅より徒歩10分、阪急の花隈駅より徒歩15分、JR・阪神の元町駅より徒歩15分。
開館時間 | 10:00~18:00 |
---|---|
休館日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 900円 |
公式サイト | https://kobe-maritime-museum.com/ |
※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント