若狭湾のおさかなと遊ぼう『福井県海浜自然センター』（若狭町）

若狭湾に建つ福井県海浜自然センターは、若狭湾や三方五湖に暮らす生き物に出会える小さな水族館。海水魚・淡水魚の展示や、ちょっとした食文化の紹介も楽しめます。無料で利用できる施設なので、立ち寄りスポットとしておすすめです。

訪問日：2022/4/29(金)

若狭湾の無料水族館

目の前に海原が広がるロケーションに建つ福井県海浜自然センターは、若狭湾国定公園の豊かな自然を学び、体験するために造られた施設。博物館タイプの重厚な外観をしています。

1999年の海の日(7月20日)にオープン、さらに2014年に「うみ(海湖)の学びと癒しの新空間」をコンセプトにリニューアルしました。

展示数はそれほど多くありませんが、館内は広々とした作り。椅子も多く設置されており、ゆったり過ごすことができます。

入館してすぐに目に入るのは、四角い「ふしぎな水そう」。各面には出っ張った窓が付けられています。上部に小さな穴が空いていますが、圧力を上手くコントロールして水があふれないようになっています。

この穴からは、ピンセットを使ってエサやりが楽しめます！エサは1回100円と有料ですが、入館料がかからないことを考えるといくらでも課金できてしまいます。すっかりエサに慣れているようで、すでにスタンバイしているサカナの姿も。

メジナやドチザメ、マダコなどが泳ぐタッチプール。少し不思議なカタチをしているなと思ったら、よく見ると福井県の形をしていました。

田んぼを再現した水槽では、モツゴやギンブナが泳ぐ。稲や水路が設置されているためかなりリアル。すごくイメージしやすいですね。

福井県を代表する湖、三方五湖。「三方湖(みかたこ)、菅湖(すがこ)、久々子湖(くぐしこ)、日向湖(ひるがこ)、水月湖(すいげつこ)」の5つの湖のことを指し、海水、汽水、淡水とそれぞれ水質も異なっています。この水族館では、そんな湖に暮らす生き物もたくさん展示されています。

巨大なサカナはソウギョ。中国の魚ですが、水草除草のために三方湖へ放流されました。てっきり外来種問題かと思いきや、見つかることはかなり稀だそうです。

隠れているのはシマイサキ。海水魚ですが、汽水湖である久々子湖にも棲息しています。イサキとつきますが、イサキ科ではなくシマイサキ科に属するサカナです。

砂利に埋まっているヤマトシジミ。こちらも汽水湖の久々子湖に暮らしています。水を濾過して植物プランクトンを食べるため、水質浄化の役割も果たす生き物です。

特徴的な模様のマツカサウオ。そのウロコはとっても硬く、外敵から身を守ることができます。実は発光器を持っており、暗闇では目の下が緑色に光るそうです。

こちらのシマシマの物体はツノウシノシタというサカナ。よく見ると、左下の方に2つ目がついているのがわかります。カレイの仲間ですが、その名の通り、牛の舌みたいな姿が特徴的です。

こちらは海浜自然センター近くに流れ着いたオサガメの剥製。現存種の中で最大のウミガメで、福井県にも数年に一度流れ着くことがあるそうです。

さてさて、若狭湾といえば古来より海産物の宝庫！大きなサカナがたくさん泳ぐ水槽では、ブリやマダイなど、美味しそうなサカナがそろっています。

特にトラフグはよく身が締まっており、「若狭ふぐ」と呼ばれています。若狭の冬の味覚の代表格です。一度は食べてみたいものです・・・！

若狭といえばサバ！ここで獲れたサバを京都へ運ぶルートは「鯖街道」として知られていました。

サバの生体展示はありませんが、代わりに江戸時代にサバを運んでいた天秤棒が！実際にかついでみることができるのですが、想像以上の重さ。

若狭湾でとれたサバは、この天秤棒で京都の街へと運ばれていました。70km以上の道のりですが、朝に捕れたものは翌朝には京都の市場に並んでいたそうです。

小さな水族館なので、さらっと見るだけなら20～30分ほどあれば充分な広さ。あとは3Dシアターを見る場合は15分ほどプラス。エサやりやタッチ水槽で遊んでもトータル1時間はかからなそうです。

ここでしか見ることができないレアな生物や変わった水槽などは無いためわざわざ水族館として見に行くには少し物足りなく感じるかもしれません。しかし、何といっても無料で利用でき、ゆったりとサカナが見れるので立ち寄りスポットとしては超おすすめです。

三方五湖の観光と合わせる、もしくは車で30分ほどの小浜観光と合わせるのが良さそうです。

舞鶴若狭自動車道の若狭三方ICより約20分、若狭上中ICより約15分。
※近くには公共交通機関は無いようです。タクシーの場合はJR小浜線三方駅から約15分。

※掲載の情報は2022年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。