恐竜や大型哺乳類など絶滅してしまった古生物から現代に生きる様々な生き物へとつながる、長い長い生命の進化を体感できるミュージアム。カジュアル派もじっくり派も存分に楽しめるボリュームたっぷりな博物館です。
わくわくな博物館
北九州市立いのちのたび博物館は、福岡県北九州市にある公立のミュージアム。北九州博覧祭2001に伴い造られた施設で、歴史・考古・自然史の3つの博物館が一つになっています。
入館者を出迎えるのは巨大な恐竜の骨格標本!天井の高いホール型展示室「アースモール」いっぱいに広がる化石は、躍動感にあふれています。
展示内容は古生代、中生代、新生代と並んでおり、最終的には現代の様々な生き物の標本へと繋がります。生物の進化の歴史を体感できる展示は、まさに「いのちのたび」をしているかのよう。
展示室を進んでいると、「エンバイラマ館」への入口があります。ここは3億年前の地球を紹介したゾーン。まるで洞窟のような通路を進んで行くと動く恐竜が暮らす世界にたどり着きます。マメンチサウルスやイグアノドンなどの恐竜たちが生活する姿は迫力満点!アトラクションのような演出なので、子供も大人も楽しめます。
迫力の恐竜標本
目をひくのは、巨大なティラノサウルス。発見者の名にちなんで「スー」という愛称で知られている化石で、本物はシカゴのフィールド自然史博物館にあるそう。
首を高く持ち上げているのはセイスモサウルス。35mにも及ぶその大きさは、これまでに組み立てられた恐竜骨格の中でも世界最大級とのことです。
こちらは南米の肉食恐竜ギガノトサウルス。北米のティラノサウルスと双璧をなす大型の獣脚類です。ティラノサウルスに比べると頭骨が大きく長い印象です。
新生代の生き物
この大きなワニはマチカネワニという、かつて日本に棲息していたワニ。大阪大学の建築現場にて化石が発見されたもので、日本初のワニの化石だったそうです。
こちらはニッポンサイ。栃木県で発掘されたサイの化石です。今では5種類しかいないサイも、かつては非常に多くの種類が存在しておりました。世界中に分布しており、日本にも様々なサイの仲間が暮らしていたそうです。
大きな鳥の骨格はペンギンモドキ。かつて存在した鳥類で、飛ぶことができず海で暮らすというペンギンのような生態をしていたため、このような名前が付きました。北九州では多くのペンギンモドキの化石が見つかっているそう。
恐竜はもちろんですが、かつて日本にはサイやワニが暮らしていたと考えると、凄くロマンを感じるのは私だけでしょうか・・・?
シーラカンスの多様性
生きていた古代魚としておなじみのシーラカンス。実は1種類のサカナではなく、シーラカンス目と呼ばれる魚の総称です。現生種として確認されているのは2種(ラティメリア)ですが、130種類もの化石が発掘されており、そのうち94種が認められています。
こちらはマウソニアというシーラカンス。中生代のブラジルに暮らしており、深海ではなく浅い海や湖に暮らしていたそう。この種はとても大型で、最大4mにも及んでいたと考えられています。
そしてこちらがパルナイバイア。マウソニアの仲間で、淡水に暮らすシーラカンス。体長は70cmほどで、中型に分類されています。
イメージイラストや進化の系統図なども合わせて展示されており、とっても見やすく工夫がされています。ラティメリア以外の「シーラカンス目のサカナ」についてこんなに展示している博物館、滅多にないのでは。
自然史・歴史も見どころたっぷり
考古博物館の印象が強いですが、それ以外の展示も非常に充実しています。「自然史ゾーン」では、北九州市の自然をジオラマや標本で再現。
ここでは生体展示も行っています。この水槽で見ることができるのはカヤネズミ。草原に暮らすネズミで、草を使って丸い巣を作ります。福岡県の絶滅危惧種に指定されている動物です。
「歴史ゾーン」では、北九州市の歴史を紹介。小倉祇園太鼓や、戸畑祇園大山笠なども展示されています。
昭和の八幡製鐵所の社宅などもあります。この博物館、本気でじっくり見学したら何時間でもいられそうなほどの展示ボリューム。フルで満喫するつもりの方は、たっぷりと時間を確保した方が良いです!
アクセスと営業情報
鹿児島本線のスペースワールド駅から徒歩約5分。車の場合は北九州都市高速の東田出入口、または枝光出入口から3分ほど。駐車場は30分100円。上限は800円です。
周辺には「北九州イノベーションギャラリー」「北九州市環境ミュージアム」などのミュージアムが集まっており、「東田博物館ゾーン」を形成しています。道路の案内などは、こちらで表記されている箇所も多いです。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 年末年始、6月下旬 |
料金 | 600円 |
公式サイト | https://www.kmnh.jp/ |
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