最果ての駅と北の要塞『稚内駅&防波堤ドーム』(稚内市)

道北

最北端の終点・稚内(わっかない)駅は、何かと特殊な要素のあつまる最果ての駅。最北を示す記念碑や巨大な防波堤ドームなど見所が多く集まります。そんな最北の駅ですが、かつてはさらに北に駅が存在していたのをご存じでしょうか?

2017/5/5(金)

北の果て・稚内駅

言わずと知れた最北の駅である稚内駅。稚内市の中心部に位置しています。

キタカラ(KITAcolor)というショッピングモールが併設しており、食堂やカフェ、土産物屋、セイコーマート(コンビニ)、さらには映画館まで入っています。人が集まるにぎやかな場所といった雰囲気です。

そして、鉄道駅であり道の駅でもあります。この2つが一緒になってるところって珍しい。そう思っていたところ、バスターミナルでもあり、みなとオアシスでもあるそう。(※みなとオアシス=港の交流施設)

鉄道駅・道の駅・バスターミナル・みなとオアシス、4つが一緒になっているのは、日本で稚内駅だけなのです!

最北端だけでなく、そんな特性もあったのですね。

最北端で終着駅

稚内駅は最北端であり、なおかつ宗谷本線の終点でもあります。最東端の駅東根室駅は次の根室駅が終点であり、JR最南端駅の西大山駅もその先の指宿駅が終点。最○端駅=終点とは限らないのですが、ここはその両方を兼ねています。もし鉄道でアクセスしたらきっと強い最果て気分を感じられそうです。

市街地にあるためにぎわっているイメージでしたが、本数はとても少ない!そのためか、改札からホームへの道は基本的に閉ざされています。2段階の扉が設置されているのは、雪国ならではの光景です。

入ってみたい人は、入場券を購入すれば自由に見学できますのでご安心ください。普通の入場券もありますが、せっかくなので証明書つき入場券セットにしました。

最果てのホームへ

こちらが稚内駅のホーム。中央のガラス張りの部分が、改札などのある駅舎、左の四角い白い建物が商業施設のキタカラです。

JR線 南の終点・枕崎駅(鹿児島県)より3,099.5km。この線路が遥か遠く鹿児島県の南端まで続いていると考えると、ロマンがあります!乗り鉄の方は、枕崎駅から稚内駅まで乗ってみたりするのかな。

わざわざ入場券を買ってまでホームへ行かなくても・・・そんな方にはキタカラ2階にある展望デッキがおすすめ!ここからなら無料でホームを見学することができます。

かつての最北端・稚内桟橋駅

稚内駅を出てから気づいたのですが、線路は駅の外まで延びています。

なぜ駅舎を突き抜けて線路が延びているのでしょうか。かつては駅の位置がずれていたのかな。

実は、この稚内駅より更に先まで線路が延びていた時代があったのです。

かつて、樺太の大泊と稚内を結ぶ「稚泊(ちはく)航路」が運航していた頃、北防波堤桟橋まで線路が延びており、稚内桟橋駅という駅が造られていました。

終戦後、樺太との航路が廃止となり、稚内桟橋駅も廃業へ。線路は、現在の稚内の位置で終点となりました。

【稚内桟橋駅は駅ではなかった?】
鉄道駅は旧国鉄本社が定めていましたが、こちらは地方の鉄道管理局によって設置されたもの。従って、仮乗降場(かりじょうこうじょう)という扱いであったそうです。駅の間隔が広かった北海道では、利便性を高めるためにこのような仮乗降場が多く設置されていたそうです。

 

迫力の北防波堤ドーム

稚内駅から700mほど、かつての稚内桟橋駅があった場所に残っているのは北防波堤ドーム

高さ14m長さ427mの大きなドーム状の防波堤。真ん中が少し膨らんだエンタシスの柱が並んでおり、ギリシャ神殿のような荘厳な造りをしています。雰囲気抜群のスポットなので、観光地としても人気の場所です。

ドーム内ではランニングしている方が。ここなら雨でも雪でも強風でも気にせず走ることができますね。

かつてはこの中に鉄道が入っており、防波堤としての役割に加えて、駅ホームから桟橋への通路でもあったそう。現在ドーム上に登ることはできませんが、近くの堤防には登ることができます。

 


稚内市内にある開基百年記念塔という展望タワーからは、ドームの全貌を見ることができます!合わせて訪問するのもおすすめ。ということで、次回は開基百年記念塔です。

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