昭和レトロなゴーストタウン『夕張キネマ街道』(夕張市)

道央

街中に映画看板が並ぶ夕張キネマ街道。昭和を感じさせるノスタルジックな街並みは、どこか寂しい雰囲気。全国的に知名度の高い街であるにも関わらず、人の気配のほとんど感じられません。なぜこのような現象が起こっているのでしょうか。

2017/5/7(日)
この記事は2017年訪問時に書いたものです。現在の様子は変わっている可能性があります。

映画の街・夕張

夕張を走っていると目につくのはたくさんの映画看板。ここはゆうばりキネマ街道

夕張は石炭の採掘によって栄えた「炭坑の町」でしたが、その労働者の娯楽として多くの映画館が造られました。さらに、多くの映画の舞台ともなったことから「映画の街」へと姿を変えました。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」という映画祭も毎年開催されています。

市街地には2000年から映画看板が並べられるようになり、昭和レトロな雰囲気あふれる映画看板が多く掲げられています。

多くの店が並ぶ商店街ですが、ほとんどの店はシャッターで固く門戸を閉ざしています。映画×昭和レトロなこの雰囲気は東京都の青梅にそっくりなのですが、一つ違うのは人が全然いないところ。

静寂の寺院

キネマ街道から坂道を少しだけ登っていくと見えてくるのは大法寺というお寺。色鮮やかな赤い屋根が印象的なお堂がならんでいます。

お寺の近くでは、黄色と赤の仁王像が睨みをきかせています。こちらも色鮮やかでインパクト抜群。黒い体色に、赤い爪が映えます。

赤い仁王像は片腕が落ちてしまっています。しかし、その強い表情からは腕がとれてもひるまない余裕を感じます。

お堂へも行ってみたのですが、ベニヤ板で閉ざされており入ることはできませんでした。

さらなる高みへ

お寺の脇には階段があります。かなり上へと続いているようですが、とりあえず登ってみよう。

登った先は草が生い茂る空き地で何もありません。サンダルで来てしまったので、行けるのはここまで。

振り替えると夕張の街が一望できます。ここは展望のためにつくられたスポットなのでしょうか?

夕張のことをいろいろ調べるのに、様々な人のブログを読んでいると名前が出てくる石切夕張神社。街中をひとまわりしたのですが、神社なんてどこにあるのでしょうか・・・。

ふと、神社の写真と目の前の景色を照らし合わせてみると、完全に一致。この空き地は神社があった場所だ!

すべて跡形もなく、すっかり取り壊されてしまっていました。さらに石切神社の前は東山聖苑という宗教テーマパークでもあったそう。金色の大観音や、ケーブルカーもある立派な施設だったようです。この頃の情報はネット上にもとても少なく、全貌を知ることはできそうにありません。

ゴーストタウンの原因

なぜここまで寂しい空気が流れる街なのか。山奥の過疎化が進む村のような雰囲気ですが、夕張ってもっと産業があって人口の多い街なのでは・・・?

その原因は財政破綻。時代が石炭から石油へと切り替わったことにより、多くの炭坑が閉鎖。それに伴い、石炭採掘に従事していた人々のための病院や住宅を市が買収することになります。

観光業への切り替えを考えるも、バブル崩壊の波など様々な壁が立ちふさがり再建することはままならず。2007年3月に、国の管理下となる財政再建団体として指定されました。

夕張市以外に近年財政再建団体となったことがある地方自治体に福岡県赤池町があります。こちらも夕張と同じく炭鉱の町でした。

財政破綻の実情

よく「このままでは国が財政破綻する」みたいな推測の中で見かける財政破綻という言葉、実際にそうなった場合どうなるか全く想像つかないため、ちょっとだけ調べてみました。(※ネットで拾った情報&現地で聞いた話なので、目安程度にご覧ください)

・市議会議員の人数削減(18人→9人)
・議員の報酬大幅カット(31万円→18万円)
・ゴミの収集が有料化(1リットル2円)
・市民税と道民税が上乗せ、日本一の高さに
・軽自動車税値上げ(1.5倍)
・公共施設使用料値上げ(1.5倍)
・水道料金値上げ(1.7倍)
・入湯税新設(150円)
・小中学校閉鎖(9校→1校)
・公衆トイレ廃止(7ヵ所→2ヵ所)

これほどまで苦しくなるとは・・・。もし東京だったらこのうち1つでも大変な騒ぎになりそうです。
働いても絶対に給料は上がらない中、ここまでの負担があっては本当に何もできなくなってしまいます。「最高の負担・最低のサービス」と揶揄され、最盛期には12万人であった人口も、わずか9千人にまで激減。若者は街を離れ、残るのは高齢者ばかり・・・。

「まるで廃墟の街」と言ってしまうのは簡単ですが、私は少し違うような気がします。たしかにシャッター街であり、人の気配はほとんどない寂しい街です。一歩足を踏み入れ・・・なくても、すぐに廃屋のような建物ばかり。

でも、本当の廃村と比べると少し違う空気。まだ生きている、そんな気がします。

コメント

  1. […] 印象的だったのは『夕張は10年間何も新しいことができなかった。』というセリフ。詳しくは前回にも書きましたが、夕張で暮らしていくのは本当に大変だったことでしょう・・・。 […]

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