神秘の湖の奥地にある異世界『オンネトー湯の滝』(足寄町)

道東

静かに湛える神秘の湖オンネトー。何か目立つ観光名所などはありませんが、不思議な魅力を持つ湖です。そして、近くにある森を抜けた先にあるオンネトー湯の滝は、極彩色の世界が広がる異空間。片道20~30分歩く必要がありますが、他では見ることのできない景色が広がります。

2017/5/1(月)

神秘的なオンネトー

阿寒湖や屈斜路湖、摩周湖など著名な湖が多く集まっている、釧路・弟子屈(てしかが)エリア。その中でも「知る人ぞ知る」といった言葉が似合うのが、このオンネトー。観光要素は皆無なため訪れる人は少なく、非常にミステリアスな雰囲気を保っています。

アイヌの言葉で「大きい沼」「年老いた沼」という意味を持つオンネトー。曇っていても美しい湖面はまるで鏡のような輝きを見せ、雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)をくっきりと写しています。

雌阿寒岳の火山活動によりできた湖で、周囲2.5kmと非常にコンパクト。見る位置や気候によって色が変わるので五色沼とも呼ばれています。

もともと立ち寄る予定は無かったのですが、フェリーで同じ部屋になったライダーのK野さんが、「数ある北海道の湖の中でもオンネトーが一番好き」と言っていたため気になって寄り道してみました。

阿寒湖の「マリモ」「アイヌコタン」、屈斜路湖の「硫黄山」「砂湯」のような名物があるわけではないのですが、その静謐な美しさは他にはない魅力。まるで吸い込まれそうな湖面はずっと眺めていられそうです。

なお、オンネトーは酸性のため、魚類の住むことのできない湖。でも、エゾサンショウウオとザリガニは住んでいるそうです。

雪道を進んで湯の滝へ

オンネトーの近くには、湯の滝があります。名前の通り、温泉の滝です。

湯の滝へ向かうには森の中の遊歩道を進みます。ゲートが閉じていますが、これは車両通行止めの意味。立ち入り禁止というわけでは無いようです。

遊歩道は道幅も広く、そして平坦。とても歩きやすい。そう思ったのも束の間、徐々に雪は深くなっていきます。

人の気配の全くない世界。ザッザッと雪を踏む音、そして身に付けたクマ避けの鈴の音が奏でるカランカランとした音が響く。

雪はやがて長靴の高さを越えてきました。

雪が入らないように、まるでビッグフットのような大きな足跡を辿っていくことに。歩幅が合わないため、何度も雪の中に足が埋まりながら何とか進んでいきます。

雪はどんどん深くなる。はたして湯の滝まで行けるのか、そしてたどり着いた先に湯の滝はあるのか・・・常につきまとう不安。携帯もとっくに圏外になっていました。

極彩色の世界

しだいに雪もなくなり水の音が聴こえてくる。山道で聴こえてくる水の音というのは、疲れを吹き飛ばしてくれます。歩くこと約30分、どうやらたどりついたようです。

これまでの色の少ない世界とは、一転、そこに広がるのは色鮮やかな秘密の庭。抹茶ミルクのようなクリーミーな池が広がります。雪を越えて違う世界に迷い込んでしまったのではないか、そんな気持ちにさせてくれる景色です。

静かに流れる湯の滝

そんな鮮やかな世界の片隅で静かに流れているのが湯の滝。落差30mのこの滝は、緩やかな斜面を流れ落ちていきます。

緑や黄色に色づいたコケの岩の間を、まるで縫うように流れていきます。手を入れてみると少しだけ温かい。

冬でも水温が高いこの池には外来魚であるナイルティラピアやグッピーが大量に住んでいるそう。こんな北の大地の山奥に、アフリカや南米の魚が生息しているという事実。この場所はやっぱりどこか違う世界なのではないかな。

マンガンと熱帯魚の関係

かつてはこの滝上に露天風呂もつくられていました。しかし、ここで酸化マンガンの生成という世界的にとても貴重な現象が見つかります。それを保護するため、露天風呂は閉鎖、入浴禁止になりました。

そんな貴重な現象でしたが、この池で育つ熱帯魚が生成に関わる藻類を食べていることが判明。従来の生成現象を見ることができなくなってしまったため、現在では熱帯魚の駆除を行っているそう。

日本各地で話題となる外来種問題ですが、こんな深い自然の中で、しかも在来種ではなく鉱物の生成現象に関わっているなんて驚きです。

アクセスと情報

オンネトーのすぐ近くにあるオンネトー湯の滝駐車場から約1.5km、徒歩で片道30分ほど。5月の訪問でしたが、かなり雪が残っていたので、この季節は普通の靴では相当厳しいです。逆に、雪が解けているであろう夏場でしたら20分ほどで行けるそう。

湯の滝駐車場、および湯の滝周辺にトイレはありますが、自販機などはないため飲み物のご用意をお忘れなく。私が訪問した時はドコモの携帯電話も圏外でした。

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