ヘルメットかぶって坑道内部へ!『夕張石炭博物館 模擬坑道』(夕張市)

道央

夕張といえば石炭。ここは、そんな炭鉱の歴史を知ることができる観光スポット。博物館は改修中だったため、唯一入ることのできた模擬坑道へ!レンガが積まれた広い坑道では採掘に使用された機械が横たわっており、リアルな炭坑の様子を体感できます。

※こちらは2017年5月訪問時の記事です。現在、模擬坑道は見学不可となっております。また、石炭博物館は2018年5月にリニューアルしています。

2017/5/7(日)

夕張といえば石炭

夕張ときくとメロンを思い浮かべる方も多いかと思いますが、かつては石炭の採掘が行われていた炭鉱の町でした。明治時代にお雇い外国人である地質学者ライマンによって石炭層の存在が推定され、採掘が開始。大正、昭和と多くの石炭が採掘されていきます。

市内にある夕張市石炭博物館は、そんな炭鉱の歴史を知ることができるミュージアム。

なのですが、ちょうど改修中のタイミング。これは諦めようと思ったのですが、模擬坑道は見学可能となっていました!せっかくここまで来たので、で入ってみることにします。

ヘルメットをかぶって内部へ

坑道内部に入るにはヘルメットの着用が必要。どれもとってもキレイなので安心して被ることができます。

ヘルメットに書かれているのは『釧路コールマイン』の文字。釧路に本社を置く、海底炭鉱で有名な石炭会社ですね!

ヘルメットを着用したら、いざ坑道内部へ!案内に沿って進むと、入り口が見えてきました。

もっと演出されているかと思いきや、全然主張のない坑道の入口。観光っぽさがなくて、逆にリアルです。

薄暗いレンガ積みの坑道

坑道内部はひんやりとした空気が流れる。とっても静かでどきどきします。

中には人が・・・!と思ったら人形でした。日本各地にある鉱山系スポット、だいたい人形がいます。ある程度予測はたっていたものの、ちょっとびっくり。

ここは「捜検所」といって、マッチなどの火気を持ち込まないように検査するところです。ちょっとの火でも大爆発となる可能性があるので、坑道内は火気厳禁なのです。

内部は想像よりもずっと広い空間。内壁はレンガ積みで造られており、遺跡のような重厚な雰囲気。アーチ状にびっしりと積み上げられた天井に、技術の高さを感じます。

リアルな炭坑機械

さながら洞窟に潜むモンスターのような黄色い機械が寝そべっています。こちらは石炭を掘る掘削機械。先端部分には実物の石炭層が露出しています。

ドラゴンや大蛇のしっぽのようなレール。採掘した石炭を運搬していたものです。

所要時間はゆっくり見ても15分くらいでした。

『模擬』とはつくものの、かなり本格的!それもそのはず、現在の模擬坑道は実際に使用されていた「天竜坑」を元に造られた施設。観光用に整備されていはいますが、ホンモノの坑道なのです。

そして、改修には実際に働いていたOBや前述の釧路コールマインが関わっているのです。釧路コールマインは、現在日本唯一の坑内掘り石炭生産会社。その技術を生かして、模擬坑道改修に協力したそうです。

博物館周辺を散策

模擬坑道の先にある石炭博物館。レンガ造りの建物が印象的な博物館ですが、現在中に入ることはできません。おじさんに尋ねたら、入れないけど近くに見に行ってもよいとのこと!ということで、周辺を散策していみることにしました。

周辺は看板や機械が転がっていたり、止まった時計があったり、草木が生い茂っていたりと、かなり荒れています。

その奥に広がるステージも物置のような状態。そんな中でもフキノトウは力強く咲いています。

もはや廃墟といっても差し支えない石炭博物館。しかし、2018年春リニューアルオープン予定とのこと!模擬坑道でもらったパンフレットには、『新しい石炭博物館像』がしっかりと記載されていました。

大丈夫、まだ止まっていません!

現在の博物館

2021年3月現在、石炭博物館は無事リニューアルを済ませてオープン中。映像コンテンツや実物資料を交え、炭坑の歴史やその実態をわかりやすく展示しています。

さらに、「全国最低の行政サービス」など、財政破綻してしまった夕張市の歴史も包み隠さず展示されているそう。これはぜひとも見に行きたいです!

 

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