柳川といえば、掘割を舟で進んでゆく川下り。ヤナギが枝垂れる水路を進むクルーズは、これぞ風流の極みと呼べる趣深い光景です。船の高さスレスレの橋をくぐる瞬間、一転してスリル満点なアトラクションに変貌します。
柳川といえば川下り
街なかを水路がめぐる水郷・柳川。古来より農業や生活のために水路が造られていましたが、戦国時代に入ると柳川城が造られ、城を守るためのお堀として発達していきます。
複雑に入り組んだ掘割(ほりわり)は、埋められることなくほぼ当時のままの姿で残っています。風情あふれる町並みは、福岡県を代表する人気の観光スポット。名物のウナギ料理のお店や、詩人・北原白秋の記念館など見どころがたくさん。
中でも人気なのは、掘割をどんこ舟で進んで行く「川下り」。次々と流れてゆく舟は見ているだけでも心地よいのですが、せっかくなので乗船してみることにしました!
多くの催行会社がひしめく
川下りを扱っている会社は何社もあるため、あちこちで乗船場を目にします。
今回私は、城門観光というところで乗船することにしました。理由は、いくつかありますが、ざっくりこんな感じです。
・やながわ有明海水族館と合わせての訪問だったので近い場所から乗れる
・公式HPからパッションを感じた
・所要時間40分とお手軽(他コースは60分のところが多い)
・スタートとゴールが同じ場所となる周回コース(他社はゴールが異なり、シャトルバスなどで移動を挟むところが多い)
無料駐車場を備えているらしいのですが、止め方がわからず結局近くのコインパーキング(1時間330円)を利用しました。
ゆったりクルーズのはじまり
受付を済ませると、出発まで少し待機。目の前には立花家史料館もあるので、時間に余裕がある方は合わせての訪問もおすすめ。
人数が集まったので乗船開始!靴を脱いで、左右にバランス良く座ります。
船頭さんが5mはありそうな竹竿を使い、川底を突いて舟を進めていきます。要所要所で柳川についての解説もしてもらえるので、柳川観光の最初に乗船すると、その後の散策が楽しくなりそうです。
波もほとんどない穏やかな水路を進んでいきます。日差しがぽかぽかと気持ち良く、こんな日はうっかり寝てしまうお客さんもいるそうです。
見どころたっぷり
白い壁は立花家史料館。江戸時代に柳川を治めていた立花氏の邸宅があった場所に建てられたミュージアム。立花家に伝わる文書や武具など、様々な資料が展示されているそう。
掘割に面して建っているのは沖端水天宮(おきのはたすいてんぐう)。毎年5/3~5には大祭が行われており、舟舞台の上で芝居やお囃子が繰り広げられるそう。本来ならば今日はお祭りの日だったのですが、2020年・2021年はコロナウイルスの影響で中止となっています。
こちらの体育館のような建物は、西海岸という古着屋。「舟から落ちてしまった方には、こちらがおすすめです」と、冗談交じりで解説してくれました。ちなみに、外側に見える階段状の部分には、2〜4月にお雛様を飾っているそうです。
スリル満点橋くぐり
途中には、橋の下をくぐるポイントが何か所かあります。頭を下げないとぶつけてしまうので、ちょっぴりスリリング。船頭さんも、長い竹竿が引っ掛からないように上手く通り抜けます。
ちょっとしたスリルもあるんだなと思っていたのですが、これはまだ序の口。ときにはこんな橋の下をくぐることも!これ、本当に大丈夫なの!?
頭すれすれどころか、舟自体がぎりぎりなので、完全に寝そべらないと頭をぶつけてしまいます。私が乗船したときは人数が少なかったため船頭さんも一緒にかがんで通り抜けましたが、乗船人数が多いときは、なんと「舟から橋に飛び移り、通り抜けてきた舟にまた飛び乗る」というアクロバティックな動きが見れることもあるそう。
車が通るような幅の広い橋をくぐるときは、まるでトンネルのような気分。よく見ると天井からロープが吊るされていますが、これは竹竿を操れない橋の下で推進力を得るためのもの。ぐいっと引っ張って舟を進めていきます。
最後は船頭さんが舟唄を披露。「柳川慕情」の哀愁あふれるメロディが染み渡ります。
せっかくなのでウナギも
さてさて、柳川といえばウナギ!あちこちにウナギ料理のお店があります。城門観光の船乗り場から歩いてすぐのところにあるうなぎ屋本店へ行ってみました。
タレがたっぷり染み込んだご飯、そして卵焼きが特徴。せいろで蒸し焼きにされたふわふわのウナギはとっても美味しいです!
ちなみに、柳川ではウナギの他にドジョウ料理も有名ですが、泥抜きが必要なため、事前予約しないとなかなか食べることはできないそうです。
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