大迫力の近代化産業遺産『浦賀レンガドック』(横須賀市)

神奈川県

浦賀に行ったら絶対見たいのが浦賀ドック。レンガが積み重なった巨大構造物を前にすると胸が高まります。眺めるだけでも満足感はありますが、ぜひとも見学ツアーに参加して内部に降り立つのがおすすめです。

2021/11/6(土)

巨大な産業遺産

浦賀観光の目玉といえば、こちらの浦賀ドック!!

全長180m・深さ10mの巨大なくぼみ。こちらは、船の建造や修理を行うためのドック。船が中に入るとドック内の水を抜き、船底や側面など船のすべての箇所で作業することが可能となります。

正式名は「住友重機械工業浦賀工場1号ドック」という名前で、1894年の完成から閉鎖となる2003年までの百年に渡り、青函連絡船、帆船日本丸など多くの船が建造・修理されてきました。

閉鎖後は横須賀市に無償で譲渡。近代化産業遺産にも認定され、「浦賀ドック」「浦賀レンガドック」という通称で話題の観光スポットです。

上から見下ろす

公開日であれば、ドックの周囲は無料で見学できます。深く広がるドックは見ごたえ抜群。上手く真正面に建つと、まるでスタジアムのような姿を拝むことができます。

写真中央に映っている黄色い四角形のものは、かつて船がドックに入る際に中心を捉えているかを観測する器具。これを覗いて肉眼で確認、船の操縦士に指示を送って調整していたそうです。

このドックサイドクレーンも、ドックとともに近代化産業遺産に認定されています。このクレーンが造られたのは昭和20年、終戦の年です。資材不足であった時期に設置されたというのは、それだけ重要だったということなのでしょう。

くぼみの中に置かれた複雑な機械、ここはドック内の水を抜くためのポンプ施設。ここもまた同様に近代化産業遺産となっています。

おすすめは見学ツアー

基本は上から眺めるだけですが、定期的に見学ツアーを開催しており、参加するとドックの内部に降り立つことができます。

現在開催されている「浦賀レンガドック見学ツアー」は、2021年10月23日(土)〜2022年1月23日(日)の土日祝日限定。1日3~4回ほど催行しており、料金は500円・所要時間は30分とかなりお手軽なツアーです。

写真やわかりやすい図を用いてドックの仕組みや歴史を案内してくれた後は、階段を降りてドック内へ。少しずつ中に入って行く感覚に胸がドキドキです。

ドック内部ではマット部分に限り歩くことができます。範囲は小さいですが、それでも下から見上げることができるのはプライスレス。内部の構造もじっくり観察できます。

ここからは見学ツアー参加時にしか撮れない写真でドック内をご紹介しますね。

内部から見る浦賀ドック

周囲を取り囲む壁。ドックの内部に立つと、よりそのスケールを実感できます。

この浦賀ドックの雰囲気を作り上げているのは、うず高く積まれたレンガ。短辺と長辺を交互にした「フランス積み」で積まれたレンガは、ノスタルジックな情景を作り出します。なお、国内に現存するレンガ造りのドックは、こことすぐ近くの川間ドックの2箇所だけ。世界でも4箇所だけという非常にレアな産業遺産なのです。

コンクリートの塊に乗せられている木材は盤木(ばんぎ)。船のキール(竜骨)という補強材を受け止めるためのもの。船によってセッティングを変え、現在のものは東京湾フェリーとして活躍している「しらはま丸」の状態とのこと。む、ということは、しらはま丸が浦賀ドックの最後のお仕事だったのですね・・・!

船の入り口となるドックゲートもツアー限定で歩くことができます。船を入れるときはここが開くのですが、海側に倒れる「前傾式」という開閉方式で動くそう。実際に歩いてみると、左は深い谷、右はすぐに海面となっているため、不思議な感覚になります。

お値段も所要時間もお手頃で、写真を撮るタイミングもいっぱいあったので大満足のツアーでした。浦賀ドックに訪問される際は、ぜひともツアー開催日を狙っていくのがおすすめです!

アクセスと駐車場情報

京急線の浦賀駅から徒歩15分ほど。車の場合は、横浜横須賀道路の浦賀ICから約5分。

昔のクチコミなどには「駐車場が無い」といった記載が多く見受けられますが、私が訪問したときはドック目の前に広い無料駐車場が用意されていました。

ドックの公開、および見学ツアーについては、まだまだ流動的な印象。訪問される際は、きちんと事前確認してから行ったほうが良いです!

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