雲仙温泉を代表する観光スポット雲仙地獄。遊歩道が整備されており、ダイナミックな温泉地帯を散策することができます。噴気が噴き出す迫力のある地獄から、ちょっとユニークな地獄まで、様々なバリエーションがそろっています。
歴史ある雲仙温泉
行基によって開かれたとされる雲仙。かつては霊山として、「西の高野山」と呼ばれるほど栄えていました。そのため、温泉街として人気の観光スポットとなった現在でも、あちこちに仏教にまつわる地名が残されています。
そんな雲仙温泉の中心にあるのが雲仙地獄。
「地獄」というのは、温泉の噴気が出る場所。白い噴気が立ち上り、硫黄の匂いが立ち込めるその様子からは、火山が生み出す大地のエネルギーを存分に感じ取ることができます。
雲仙地獄では遊歩道が整備されており、約1時間弱でぐるっと見て回ることができます。
地獄めぐり
雲仙地獄の遊歩道を歩いていると、様々な地獄を見ることができます。今回は、その一部や見どころスポットをご紹介。
八万地獄
四方八方から炎が襲ってくるという八万地獄。人が持つとされる八万四千の煩悩による悪い人行いの果てに落とされる地獄です。白い噴気がモクモクと上がる、イメージ通りの温泉地獄風景が広がります。
少しだけ階段を登ると、八万地獄展望台が設置されています。八万地獄をはじめ、温泉街を見渡すことができる爽快なスポット。屋根の色が赤茶色に統一された町並みは美しい。
大叫喚地獄
噴気孔からブォーとジェット機のような音が鳴り響く地獄。その音がまるでうめき声のように聴こえるということで、このような名がつけられています。雲仙にある地獄の中で、最も激しく活動しており、非常に見応えがあります。地獄めぐりのルートで迷っている方は、とりあえずココ目指すのがおすすめです!
邪見地獄
邪見というのは人をねたむ心のこと。この地獄の温泉を飲むとそんな嫉妬心を解消できるという、メンタルに訴えかけてくるタイプの地獄。ぜひとも解消したい!のですが、実際のところ強酸性のため飲用は不可らしいです。
婆石と鏡石
地獄と言えば閻魔大王。この左に見える大岩が閻魔大王が座る婆石で、右にある石が閻魔大王が亡者の善悪を見極めるのに使用する鏡石。閻魔大王と鏡石の前ではどんな嘘も無用です。
泥火山
囲いの中には、泥でできた小さな山のような姿が見えます。これは火山ガスによって溶けた岩石が白い泥となって、噴気とともに吹き上がったもの。その日の水分量によって形が変わるそうで、私が見たときは山頂が凹んだ「泥カルデラ」でした。立派な火山が見れたらラッキーです!
お糸地獄
裕福な暮らしをしていたにも関わらず、密通したあげく夫の命を奪ったお糸という女性が処刑されてしまいます。その場所に噴き出したという伝説が残るのがお糸地獄。ここでは、温泉卵や温泉レモネードを販売している売店、休憩所もあります。
雀地獄
地下から噴き出したガスがブクブクと音を立てている場所。この音がスズメの鳴き声に聴こえるということで、雀地獄と名付けられました。なんとも爽やかで、心穏やかになる地獄です。
豊かな自然も魅力
散策路には、植物や鳥についての解説板も設置されています。とっても読みやすいので、地獄めぐりの息抜きにもぴったり!
基本的に柵があるため接写で撮影するのは難しいですが、火山地帯にたくましく咲くミヤマキリシマやシロドウダンの群落など、様々な植物を見ることができます。
キリシタンとの関り
この十字架は、キリシタン殉教碑。島原の乱の戦場となった島原半島はキリシタンとの関りが深い地域。そこにある雲仙温泉もまた、悲哀の歴史が残っています。
禁教令によってキリシタンが弾圧を受けていた江戸時代、幕府は改宗を迫る手段として温泉の熱湯をかけたり、沸き立つお湯の中に投げ落としたりという仕打ちを行っていたそう。
このような弾圧が、後の島原の乱へも影響していったといわれています。
この地では33名の信徒たちが殉教していき、彼らをたたえるため十字架が建てられました。
ちなみに、散策路にある清七地獄は、キリシタンであった清七という男が処刑された場所に噴出したとされています。
夜もおすすめ
車道からも見える清七地獄は日が沈むとライトアップを行っています。モクモクと立ち込める噴霧が闇夜に浮かび、とてもファンタジック。夜の方が気温が下がるため、湯気のボリュームもアップします。
奥へ進むと真っ暗なのでちょっと怖いですが、入口だけでも充分楽しめます。温泉街に宿泊する際は、ちょっと散歩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ナイトツアーも開催しているようです。お値段も500円とリーズナブルなので、参加しても面白そうです!
https://www.nagasaki-tabinet.com/plan/62512
アクセス情報
雲仙温泉に鉄道駅は無いため、バスを利用します。JR諫早駅から80分、長崎ターミナルから約100分。熊本や福岡方面の方は、船で島原外港へ渡り、そこからバスで約45分ほど。
車の場合は、長崎市内より約80分。熊本や福岡方面の方はフェリーもおすすめです。
温泉街にある駐車場は、基本1日500円。10分ほど歩く第四駐車場(古湯駐車場)は300円で利用できます。
※口コミ件数が圧倒的に多かったので、雲仙地獄内にある「雲仙地獄工房」の地図を掲載しています。
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