レトロでモダンな大正時代に大ヒットした「月の沙漠」。御宿にある月の沙漠記念館では、作詞者である加藤まさをの生涯を知ることができます。彼の描く作品には、大正ならではの浪漫がつまっています。海岸に立つラクダに乗った王子様とお姫様の像は人気の撮影スポットです。
月の沙漠と御宿
「月の沙漠」というのは、詩人画家である加藤まさをによってつくられた詩。夜の沙漠をラクダに乗った王子様とお姫様が旅するというロマンチックな作品で、大正12年に少女倶楽部3月号にて発表されました。
その後、佐々木すぐるによって曲がつけられ童謡として生まれ変わります。関東大震災直後の荒廃した町に流れ、この曲は大ヒットへ。人々の希望となりました。
この作品は、加藤まさをが療養のために訪れていた御宿の砂浜にて着想を受けたとされており、御宿町には「月の沙漠公園」や「月の沙漠記念館」が造られています。
なお、「砂漠」ではなく「沙漠」という漢字を使用しています。これは、実際の砂漠と異なり、御宿の砂丘は海沿いに広がる浜辺であるためこちらの字を当てたと言われています。
早熟の天才・加藤まさを
静岡県藤枝市に生まれた加藤まさを。立教大学の英文科に進学し、在学中に文芸誌「塔」の口絵や装幀を手掛け、童謡画集「カナリヤの墓」を出版。かなり早い段階でその才能を開花させます。
少女雑誌に小説や挿絵を投稿。講談社の絵本シンデレラやクリスマス・キャロルなども手掛けたり、抒情画と称される絵を描いたりと、その活躍は多岐に渡ります。大正時代の雰囲気を指す「大正ロマン」という言葉がありますが、まさにそのイメージにぴったり。
晩年には、記念像が建てられた縁から、御宿に移り住みます。好きな絵を描き、浜辺を散歩しながら過ごしていたそうです。
月の沙漠記念館
海辺に立つメルヘンチックな月の沙漠記念館。館内では、加藤まさをの年表や紹介映像などを見ることができます。
展示数はそれほど多くありませんが、詩や乙女画など、まるで少女の憧れが詰まったようなロマンティックな世界観は存分に堪能することができます。
受話器を取ると詩が流れるレトロな電話機や、御宿での暮らしを再現した部屋など、手の凝った展示も見どころです。
ラクダがゆく月の沙漠公園
月の沙漠記念館の目の前には砂丘が広がる月の沙漠公園があります。海辺に広がる砂の上にはエキゾチックなラクダ像の姿が。詩の一説「さきの鞍には王子様 あとの鞍にはお姫様」とある通り、先頭が王子様・続くのがお姫様となっています。
今回は日中の訪問でしたが、夕暮れ時や、夜に訪れてもすごく良い写真が撮れそうです。御宿は東向きの海岸なので、朝日もばっちりではないでしょうか。
すぐ近くには、月をかたどった石碑もあります。こちらは、加藤まさを直筆による詩の冒頭部分が刻まれている詩碑。
遠近法を利用すると、先ほどの王子様とお姫様が月の上を歩いているような写真も撮れます!
アクセスと営業情報
JR外房線の御宿駅より徒歩10分。車の場合は市原鶴舞ICから約45分。
専用の駐車場があるようなのですが見つけられず、徒歩5分ほどの須賀多目的広場駐車場を利用しました。通常は無料開放されていますが、海水浴シーズンは有料になるそうなのでご注意ください。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 水曜、翌祝、年末年始 |
料金 | 400円 |
公式サイト | http://www.town.onjuku.chiba.jp/sub4/3/tsukinosabaku_kinenkan_01.html |
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