千葉の海を知るミュージアム『海の博物館』(勝浦市)

千葉県

海に暮らす生き物や、その自然環境について知ることができる博物館。模型やジオラマ、映像でとってもわかりやすく、気になっていた生き物の名前がわかることも。実際に生きているサカナも飼育しており、ミニ水族館としても楽しめます。

2021/3/26(土)

気軽に立ち寄れる博物館

勝浦海中公園にある海の博物館は、映像や模型で房総の海を紹介しているミュージアム。千葉市にある千葉県立中央博物館の分館でもあります。

見学所要時間はさらっと見るだけなら15分、じっくり見ても1時間ほど。入館料も大人200円と安いのでドライブの途中に立ち寄るのにもぴったり。

すぐ近くには、海の中を覗くことができる水中観測スポット「かつうら海中展望塔」もありますので、セットでの訪問がおすすめです。

クリアな海中とサカナの群れ!『かつうら海中公園 海中展望塔』(勝浦市)
海中公園の中心に設置された海中展望塔に潜れば、服を着たまま海の中を覗き見ることができます。観察窓に広がるのは、その日によって透明度や見ることができる生き物が変化するリアルな海中世界。事前にHPで透明度をチェックしてから訪問するのがおすすめです!

海の生き物の標本

たくさん並んでいる房総の生き物の標本。マンボウやキンメダイといったサカナから、ウミネコ・カワウなどの水鳥まで、様々な生き物が勢ぞろい。

直径2mという巨大なエチゼンクラゲの標本。中国大陸沿岸で発生するといわれるこのクラゲは、対馬海流に乗って日本海へと流れ着きます。そこからさらに津軽海峡を越えて親潮に乗り、千葉県にまでたどり着く個体もいるそう。この標本も、勝浦で捕れたものとのこと。

中庭には大きなツチクジラの骨格標本。体長10.5mにも及ぶオスの個体で、千葉県和田沖で捕獲されたものです。

ツチクジラってどんなクジラ?ってなった方のために、標本の近くには模型が展示されています。学芸員さんの写真が並べられているので、その大きさをイメージしやすいです!

華やかな海中世界のジオラマ

海中を再現したジオラマもあります。館山の海底ジオラマでは、カラフルなサンゴや、岩場に暮らすエビやカニ、クマノミやトラウツボなどのサカナが暮らしています。よく見ると小さなウミウシが隠れていたりと、細部まで目が離せません。

まるで木のように生い茂っているのは、最大2mにもなる大型の海藻カジメ。まるで林のように見えることから、「カジメ海中林」とも呼ばれています。このカジメは食べることができ、千葉県内の食堂で見かけることも。強烈な粘りでかなり特殊な食感なので、見かけたらぜひチャレンジしてみてください。

砂浜に並ぶ鳥はミユビシギ。波打ち際を走りながらエビなどを捕食するのですが、かなりのハイスピードで駆け抜けます。このユニークな動きは、後述のシアターにて見ることができます。

神秘的な東京海底谷

館内に現れる、まるで潜水艦のような3つの覗き窓。

覗き込むと、そこはタカアシガニやアカザエビなどが暮らす深海が再現されています。

東京湾の出入り口となっている浦賀水道は、岸からわずか数キロで水深800mを越す深海が広がっています。伊豆・小笠原海溝へと続くこの海底渓谷は、「東京海底谷(かいていこく)」と呼ばれています。

この海底谷は、河川から流れ込んだ有機物が溜まっていくため、栄養分が豊かな深海となっています。そのため、ラブカやミツクリザメ、メガマウスといった珍しいサメも生息しているそうです。

近年では2020年6月に、館山の定置網にかかった生きたメガマウスの映像が公開されていました。

海のサカナがそろうミニ水族館

数は少なめですが、生体展示も行っています。色鮮やかなオヤビッチャやソラスズメダイなど華やかな海水魚が泳いでいます。

沖縄でおなじみのナンヨウツバメウオの幼魚。成魚になると暖かい海で暮らしていますが、幼魚は岩手県以南の沿岸部で見ることができるそう。この個体も勝浦漁港で採集されたものです。

こちらのクラゲのような透明な生き物。実はクラゲではなく、タルマワシという甲殻類。中に見えるエビのような生き物が本体で、樽(たる)のような部分はサルパというゼリー状のプランクトン。住処にしながら、エサにもしているそうです。

水槽の中を転がるようにくるくると回りながら動くタルマワシ。名前の通り樽を回しているようなユニークな動きで、ずっと見ていられます。

わかりやすく楽しめるシアター

シアターコーナーのマリタイムシネマでは、房総の海を紹介する映像作品を見ることができます。

実際に海で撮影された生き物の映像がキャッチーなナレーションのもとで紹介される子供向けの映像「海とあそぼう」と、海流の解説などがつづく大人向けの内容の「房総の海」の2種類。どちらも15分弱というお手軽サイズ。時間は決まっておらず、エンドレスで交互に流れています。

いずれも、房総の海で見ることができる生物が紹介されており、千葉で海水浴や潮干狩り、シュノーケルをしたことがある人は「あの生き物、こんな名前だったんだ!」って知ることができて、楽しめる内容となっています。

私は、砂浜でぴょんぴょん飛び跳ねる小さな生き物がヨコエビという名だということを初めて知りました。また、波打ち際を駆け回るミユビシギの映像はとってもクセになります・・・!

アクセスと営業情報

JR外房線の鵜原駅から徒歩15分。もしくは同じくJR外房線の勝浦駅からバスで20分ほど。

車の場合は、市原鶴舞ICから約1時間、川崎市の浮島ICから東京湾アクアラインを越えて約1時間30分ほど。駐車場は2時間まで200円、以後は1時間毎に100円プラスとなります。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜
料金 200円
公式サイト http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/index.html

 

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