高滝湖の湖畔に佇む美術館。現代アートと地域のアーティスト作品を中心に展示を行っています。今回は企画展入れ替え期間だったため常設作品のみの鑑賞でしたが、独特な建築と個性的なアート作品でかなり楽しめました!
湖畔にたたずむ美術館
市原湖畔美術館は、ダム湖である高滝湖の湖畔に建てられた美術館。緑の芝生に映えるコンクリート造りの外観は、いかにもモダンアートミュージアムといった雰囲気です。
1995年に建てられた「市原市水と彫刻の丘」展をリニューアル、2013年にオープンしました。作品の展示はもちろん、芸術の発信施設として、ワークショップや体験プログラムなどを行っています。
年間を通して様々な企画展も行っていますが、今回訪問したのは展示入れ替え期間。常設展のみとなっており、入館料はわずか200円!こんなに安いと、常設展はあまり見どころ無いのではないでしょうか。
たしかに作品数はそれほど多くはありませんが、結論から言うと常設展だけでも充分すぎるほど楽しめました!
印象的な現代アート
入館者を出迎えるのは「Heigh-Ho」by KOSUGE1-16。白く穴の空いた様子は、未知の生物の骨格のようなミステリアスさ。
どうやら、肺胞を逆さまにしたデザインで、ハイホーというタイトルはそこから来ているそう。解説によると「モヤモヤ(二酸化炭素)とスッキリ(酸素)を交換します。明日からの頑張りの為に。ハイホー!」とのこと。すごくポジティブな作品でした。
屋上にも登ることができます。そこに広がるのは鉄パイプの森のような作品「MUSEUM-STAIRS / ROOF OF NEEDLES & PINS」by アコンチ・スタジオ。触れることができる作品なのですが、固いパイプをイメージして触ると予想外の感触に驚きます・・・!
地下には「Lost Windows」by クワクボリョウタが展示されています。暗い部屋の中、窓にはノスタルジックな風景が映し出されます。
衛兵が守る常設展示室
展示室内は撮影禁止。若月公平の詩が添えられた繊細な版画、深沢幸雄の書入りの力強いパステル画が展示されていました。常設展示ではありますが、年に4回入れ替えを行っているそう。
展示室の入り口に立っている衛兵さんは「Toy Soldier」by KOSUGE1-16。人が近づくとウイーンと立ち上がりますが、離れるとしゃがんでしまいます。人が見ていないと怠けてしまうらしいです。
ただいまの期間は入れ替えのため常設展示のみですが、かなりユニークな企画展を行っています。ライブラリーコーナーにはこれまでの企画展のフライヤーが貼られているのですが、「くらやみ美術館」「RAP MUSEUM」など、かなり個性的なものもちらほら。
屋外にも散らばる作品
まず目につくのは「飛来」by 篠原勝之。斜めに埋められた分厚い錆びた鉄板に透明な何かが刺さっています。天空より億光年の光が飛んできた様子をイメージしているそう。
白い石がミステリーサークルのように並べられています。特に作品名などはありませんが、もしかして、飛来とセットで光が飛んでくる目印だったのでしょうか。
ダム湖に浮かぶ水上彫刻
湖の中にも作品は建てられています。逆光でわかりにくいのですが、巨大なトンボのような姿をしたオブジェ。顔はトンボのようなのですが、羽根の様子がカゲロウのようにも見えます。
さらに、こちらは球と線で作られた鳥。トサカのカタチから推測するに、ヤマセミでしょうか。
遠くには、小さい彫刻がいくつも集まっている場所がありました。突き出した柱には、鳥の巣や釣り人、蜘蛛の巣など様々なモチーフが作られており、なんだかにぎやかな作品です。
この水上彫刻たちは、全て重村三雄の作品。ダム建築によって失われた命が復活する様子を表しているそうです。
湖畔を見渡す展望塔
こちらの鉄骨で組まれたものはアート作品ではなく展望塔。階段が設置されており、自由に登ることができます。
てっぺんからは高滝湖を一望できます。水上アート作品や、たくさん並んだボート、突き出した部分で一休みする人々の姿など色々と目に入って面白い。
湖畔美術館を上から眺められるのもポイント。独創的な建築は、地上からよりも上から見下ろしたほうが、その魅力をより堪能できます。
あ!もしかして、屋外アートのミステリーサークルはここから見ることを前提に作られたのでしょうか?
夕方以降がおすすめ
土曜と祝前日は夜の19:00まで開館しています。他の観光スポットが閉まった後でも入館できるので、一日の最後に訪問するのもおすすめ。土曜の17時過ぎに訪問したのですが、見学者は私一人だったのでゆったり鑑賞できました。
日没とともに館内の一部作品もライトアップ。昼とはまた違った印象に変化していきます。
敷地内にあるピザ屋さん「PIZZERIA BOSSO」も平日は11:00〜20:00、土日祝日は11:00〜21:00まで営業しています。こちらで夕食にするのも良さそうです!
アクセスと営業情報
小湊鉄道の高滝駅から徒歩20分。小湊鉄道は、養老渓谷や大多喜城など沿線に見どころの多い風情あるローカル線。途中下車しながらのどかな旅の最後に立ち寄るのもぴったりです。
車の場合は館山道の市原ICから約35分、圏央道の市原鶴舞ICから約5分。アクアライン川崎浮島JCTから約40分ほどでアクセスできるため、都内からも比較的行きやすいスポットです。
開館時間 | 平日10:00〜17:00 土祝前日9:30〜19:00 日祝9:30〜18:00 |
---|---|
休館日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 常設展示200円 ※企画展は企画によって変動 |
公式サイト | https://lsm-ichihara.jp/ |
コメント