博多のまちを見守る福岡大仏と地獄巡り『東長寺』(福岡市)

福岡県

祇園にある東長寺は、五重塔や六角堂などの伽藍を有する真言宗の寺院。都会の真ん中でありながらも、境内はとても静かな空気が流れています。荘厳な福岡大仏は、祇園を見守るかのように鎮座しています。

2021/4/28(水)

まちなかの寺院

昔ながらの神社仏閣が多く残る博多祇園エリア。東長寺は、祇園町交差点近くの中心部にあります。

唐から帰国した空海によって開かれたとされる真言宗の寺院。その頃は東長密寺という名でした。
その後、元寇や戦国時代の兵火によって荒廃してしまいますが、江戸時代に黒田長政の嫡男である忠之によって再興されます。

立派な本堂は比較的新しい建築のようで、おそらくコンクリート仕立て。東京の増上寺のような雰囲気です。本尊は千手観音で、秘仏となっています。

朱塗りの五重塔

境内でひときわ輝いて見えるのがこちらの五重塔。高さは25.9m。周辺にはビルが立ち並んでいますが、朱塗りの塔の存在感は抜群です。

この塔は、創建1200年を記念して2011年に建立されたもの。コンクリートではなく純木造総檜造りで、奈良吉野と高知四万十の木材を使用しているそうです。

内部には仏像や日本画が安置されているそうですが、残念ながら非公開となっています。

福岡藩主・黒田家墓所

境内には福岡藩主黒田家墓所があります。真言宗に帰依し、このお寺の再興に努めた2代忠之、3代光之、8代治高の3人の藩主が眠っています。

花崗岩でできた立派な五輪塔が並んでいます。高さは5mほどあり、ずっしりと重厚な雰囲気。

如水や長政といった戦国武将としても有名な黒田家の人物の墓所は、黒田家の菩提寺であった崇福寺という禅宗寺院にあるそう。
忠之は真言宗を信仰しており、父である長政とは別の寺院であるこの東長寺を菩提寺にするようにと遺言をのこしていたそうです。

不思議な形の六角堂

その名の通り六角形をしたお堂で、博多商人である豊後屋栄蔵によって建てられました。

外から見ているとわかりにくいのですが、正面に立ってみると、実は正六角形ではなく正面の辺が幅広くなるように造られています。案内板によると、参拝しやすくするためこのようなカタチになったそうです。

毎月28日のみ御開帳とのことですが、今回はタイミング良くその日に訪れることができました。

内部には建物と同じく六角形の厨子があり、正面に弘法大大師、向かって左に北辰霊符神、向かって右に文殊菩薩像が安置されています。後ろにも3体の仏像があるはずですが、こちらは見ることができず。

荘厳な福岡大仏

境内には大きな大仏殿があります。階段を登っていくと、2階が入り口となっています。

拝観料の50円を納めて中に入ると、薄暗い堂内に静かに鎮座する大仏様のお姿が。厳かな空気に背筋がすっと伸びます。(※写真撮影禁止なので、屋外看板に掲載されていた写真です。)

高さは10.8m、光背も含めると16.1mもあります。木造坐像としては日本最大級で、昭和63から4年の歳月をかけて造られたものだそう。さらに、大仏様の後ろの壁には、5,000体にも及ぶ仏像がびっしりと並んでいます。

台座内に入ると、そこは「地獄極楽めぐり」。最初は立体的なレリーフと自動音声で、様々な地獄についての案内があり、最終的に真っ暗な地獄へ。何も見えない暗闇を、手すりを辿って進んでいくと極楽が見えてきます。

アクセス情報

地下鉄「祇園駅」から徒歩1分。すぐ近くの櫛田神社と合わせての訪問がおすすめです。また、隣には博多で有名なお菓子屋「もち吉」の本店もあります。

コメント

  1. […] 私は今回、空港から祇園駅まで地下鉄を利用、祇園駅周辺の櫛田神社や東長寺を観光した後、バスにて博多港へと向かいました。 […]

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