標高680mという高原の自然をそのままに生かした植物園。色鮮やかな園芸種などはありませんが、力強く咲く花を探したり、のんびり歩いて森林浴を楽しんだりと、自然を満喫できます。シンボルツリーである「和池の大カツラ」は必見です!
気軽に楽しめる植物園
氷ノ山後山那岐山国定公園に指定されている但馬の高原地帯。その豊かな自然を気軽に体感できるのが、今回ご紹介するたじま高原植物園。
17haという広大な敷地を持つ植物園で、そのうち約10haは自然そのままに保護されています。南方の植物の北限、北方の植物の南限、高山植物の低限、低地植物の高限と、ここで見ることができる植物は非常にバリエーションが豊か。
園内は舗装された道が多いため山歩き用の装備など無くても気軽に散策できます。高原の美味しい空気もあいまって、お手軽にリフレッシュできるスポットなのです。
便利な案内マップ
園内では2,000種類を超える多種多様な植物が育っています。しかし、案内などはそれほど多くないため見どころがわかりません・・・。そんな私のような迷える民の救いになるのが、受付にていただける見頃の植物が記載されたマップ。
そのときに見ることができる花とポイントが記載されており、非常にわかりやすい!これを片手に園内をめぐれば、植物知識が無くても楽しめます!
よく見ると、「070522」と日付を示す数字が記載されているのですが、これもしかして毎日更新して作成しているのでしょうか・・・?
力強く咲く花たち
さて、マップに教えてもらった植物を一部ご紹介させていただきます!
不思議な形の花を咲かせるイカリソウ。この花が船の錨(いかり)に見えることから、このような名前が付けられています。赤紫や白などのバリエーションがあるようです。
こちらの白い花はスノーフレーク。スズランのような花を付けていますが、スイセンと同じくヒガンバナ科の植物。別名をスズランスイセンといいます。
クロモジも黄色い花を咲かせていました。生薬や精油、爪楊枝の原材料、さらにはお茶や焼酎としても知られる多機能な植物なので、「名前は聴いたことあるっ」て方も多いのではないでしょうか。
湿地の植物
園内の一角には、湿地となっているポイントがあります。といってもウッドデッキが敷かれているため、快適に散策可能。
真っ白な美しい姿を見せるのはミズバショウ。そろそろ終わりかけのため、散っているものが多かったです。なお、白い部分は正確には花ではなく仏炎苞(ぶつえんほう)という葉が変形したもの。本当の花は、中央にある黄色いツブツブの部分です。
もう残りわずかでしたがザゼンソウも!ミズバショウに比べると小ぶりで目立ちにくいため、見つけられたときはとても嬉しかったです!こちらもミズバショウと同じく、赤茶色の部分は花ではありません。
このザゼンソウ、発熱という驚くべきスキルを備えています。どういった際に使用するのかといいますと、積雪の中、発熱を行うことで他の植物よりも一足早く顔を出すことができます。ライバルのいない中で、虫を独占して受粉を行うことができるようになるのです。
余談ですがミズバショウやザゼンソウは英語で“skunk cabbage”(スカンクキャベツ)と呼ぶそう。児童文学作品「エルマーとりゅう」でりゅうが食べてましたね・・・!
和池の大カツラ
この植物園のシンボルが和池(わち)の大カツラ。入口から徒歩10分ほど、案内に従って進んで行くと、その姿が見えてきます。
幹周り16m・樹齢1,000年以上と言われる古木で、兵庫県の天然記念物にも指定されています。緑豊かな森の中に静かに佇む姿は神秘的。まるで森のヌシのような荘厳な木ですが、気軽に会いに行けるのがポイントです。
渓流にまたがって育っているのが特徴的で、まるで大カツラから水が湧き出しているかのような神々しさ。この湧き水は「千年水」と呼ばれており、平成の名水百選にも指定されています。
行ってみた感想と見学所要時間
高原の澄み切った空気、豊かな自然、爽やかな水の流れ・・・豪華な設備などはありませんが、贅沢すぎるリフレッシュ空間。もう何も考えずに歩いているだけでも心地よい気分になってきます。
そして、冒頭でも触れましたが散策マップが非常にありがたい!掲載されている花はすぐ見つかるかと思いきや、じっくり探さないと見つからないものもありほどよい難易度。いわゆるフラワーパークとは異なるため「カラフルな一面の花畑」みたいな演出はありませんが、力強く咲く花を見つけられたときはとっても嬉しかったです!
見学所要時間ですが、マップ片手に園内を一通りまわって【1時間程度】でした。この後、すぐ近くの「木の殿堂」へ行く予定があったので切り上げましたが、もっとのんびり過ごしたい場所です。
今回は春の訪問でしたが、色々な季節に訪れたくなりました。
アクセスと営業情報
北近畿自動車道の八鹿氷ノ山ICより約30分。駐車場は無料で利用できます。
公共交通機関でのアクセスは少々ハード。JR山陰本線の八鹿駅より全但バスで約40分のバス停《ハチ北口》下車後、そこから約4km・徒歩1時間ほどかかります。
開園時間 | 9:00~17:00 |
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休園日 | 12月~3月の木曜日 |
料金 | 500円 ※冬季積雪時はかんじきレンタル料500円 |
公式サイト | https://tajima-garden.jp/ |
※掲載の情報は2022年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント
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