ダム下の巨大露天風呂とハンザキ探しが楽しい『湯原温泉』(真庭市)

岡山県

山間部にぽっかりと現れる湯原温泉は、派手な看板やチェーン店などもない情緒あふれる温泉街。巨大なダムをバックにした露天風呂や、はんざきことオオサンショウウオ探しなど、個性的な見どころがたくさん。ふらっと散歩するのにぴったりな温泉です。

訪問日:2022/5/7(土)

歴史ある温泉街

岡山県真庭市にある湯原温泉は、川沿いに旅館や食堂が広がる情緒あふれる温泉街。同じく岡山県にある湯郷温泉・奥津温泉と合わせて美作三湯とも呼ばれています。※美作(みまさか)=岡山県北部の旧国名のことです

湯原温泉の歴史は古く、たたら製鉄に従事する人をはじめ、越冬地や湯治場としても多くの人に利用されてきました。羽柴秀吉の側室であり、宇喜多秀家の母でもある「おふくの方」の湯治場を開設したという記録も残っているそうです。

湯本温泉館のすぐ近くの河原に大きな無料駐車場があります。車の方は、ここに停めて歩いて巡るのがおすすめ。

かわいいハンザキさがし

湯原温泉の周辺は、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの生息地として知られています。ここでは「はんざき」と呼ばれており、大はんざきの伝説が残っていたり、夏にははんざき祭が開催されていたりと所縁のある生き物。

そんな温泉街には、はんざきをモチーフにしたものがたくさんあり、散策しながらはんざき探しを楽しむことができます。中にはこんなかわいらしいはんざき像の姿も。もともとまるっこい姿なので、それほどデフォルメしていないのに可愛らしく仕上がってます。

鯉のぼりならぬ、はんざきのぼりも見つけました!風が吹いていないと、干物にされてるようにも見えますね・・・!

さらに、温泉街を流れる田羽根川には実物のはんざきが棲息しているそう。夜行性なので日中は石の下などに隠れていますが、注意深く探せば見つけられるかもしれませんね!

また、お時間に余裕のある方は、無料で見学できるオオサンショウウオのミニミュージアム「はんざきセンター」もおすすめ!温泉街の中心である湯原大橋から徒歩15分、車なら1分ほどでアクセスできます。

巨大なオオサンショウウオがたくさん!『はんざきセンター』(真庭市)
湯原温泉街にたつはんざきセンターは、"はんざき"ことオオサンショウウオの展示施設。生体の展示はもちろん、古来より伝わる「大はんざきの伝説」や、はんざき祭に使用される「はんざき山車」など、文化的な面でも学ぶことができます。

遊べる温泉ミュージアム

温泉街の中心にある湯原温泉ミュージアムはちょっとした資料館。観光情報センターも併設しているため、ノープランで来た方は、最初に訪問して見どころを教えてもらうのに良さそうです。

2階は資料館となっており入館料200円で見学可能。湯原温泉の歴史を写真やパネル、古道具の実物などで紹介しています。

展示の中で面白かったのが「湯原の伝説」。前回の記事でご紹介した巨大オオサンショウウオの「はんざき大明神」はもちろん、雪女伝説の「ゆきんば」、つちのこそっくりな「ツチコロビ」、カッパそっくりな「ゴンゴ」など、いろいろな妖怪伝説があるようです。

こちらは旅行作家・温泉評論家である野口冬人の書斎を再現したスペース。本人により寄贈された旅と温泉の資料も展示されています。あの「露天風呂番付」の作者で、湯原温泉を西の横綱と評価していたそうです。

有料の2階部分はまじめな印象のミュージアムですが、1階はちょっとしたプレイスポット。館内には卓球台があり、30分500円で遊ぶことができます。ラケットだけでなく、スリッパで遊ぶことも。

さらにこちら、わにたたきに見えて拾は特製のはんざきたたき!わにの代わりにはんざきが飛び出すという特別仕様となっています。でも、はんざき=天然記念物の印象が強いので、本腰入れては叩けなそうです。

さらにマンガ、絵本、文庫本などが80円で販売されています。言うなれば、温泉街のブックオフです。

さらにさらにネコもいます!館内を放し飼いなので、ネコの気分次第ではふれあって遊ぶこともできます。言うなれば温泉街のねこカフェ。小さいながらも、非常に多機能なミュージアムでした。

ダムの真下の巨大露天風呂

湯原温泉を代表する光景といえば、こちらの砂湯!湯原ダムの目の前に、自然噴出したかけ流し温泉が広がる超開放的な露天風呂。

こちらは24時間無料で利用できます。そして混浴です。女性の方向けに湯浴み着も湯本温泉館や各旅館などでレンタル(有料)しているそうです。

「隠そう下半身」の看板は設置されていましたが、遠目に見た限り皆様生まれたままの姿でくつろいでいるご様子。私が訪問したときは女性はおらず男湯となっていたため開放的な気分になってしまったのでしょうかね。全裸の殿方が河原で寝そべっている姿はちょっとした異世界でした。

砂湯の先へ進んで行くと、湯原ダムを間近で見ることができます。高さ74m、長さ194mの大きな重力式コンクリートダムで、貯水量は中国地方最大とのこと。不定期でバックヤードツアーも開催しており、参加すれば巨大なダムの堤体内に入ることもできるそうです!

かえってきた温泉薬師堂

湯本温泉館の向かいにある温泉薬師堂。湯元温泉館の湯元から出現したという小指ほどの大きさの薬師如来を本尊としています。

さきほど紹介しました湯原ダムが建設される前は、湯原温泉はたびたび水害に悩まされていたようです。この薬師堂も水害によって流されてしまいましたが、下流の河原にて御本尊が見つかります。そのことから、失ったものが帰ってくるお薬師様として信仰されるようになりました。

お堂の前では、薬湯がこんこんと流れています。

お堂の手前には、大きなはんざきを担ぐような姿の石像が。例の大はんざきの伝説とは少し異なるシチュエーションのようですが、何か別のはんざき伝説を表しているのでしょうかね。

日帰り入浴は湯本温泉館

せっかく温泉街に来たのだから、温泉に入って行きたい!日帰り入浴が可能な旅館もありますが、気軽に入浴するのにおすすめな日帰り温泉施設がこちらの湯本温泉館

10:00〜22:00と夜まで営業しているのでとっても利用しやすい温泉です。内湯が2つの小さな浴場ですが、サウナもあります!ただし水風呂やイス、露天も無いのでととのい目的だと少しきびしい。

ここで温泉のお土産屋も扱っています。名産品や、かわいらしいはんざきグッズなどいろいろあるので、入浴目的以外の方も立ち寄ってみるのがおすすめです!


~おまけ~
湯原温泉ミュージアムには、地元の子どもたちの習字作品が展示されていました。そこに書かれているのは「ふろ」「ろてん」「足湯」など温泉関連のワードばかり。そういうテーマだったのかもしれませんが、地元愛を強く感じました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました