兵庫県西脇市の「日本へそ公園」内にある美術館。磯崎新による印象的な建築、そして横尾忠則の屋外作品が出迎えてくれます。とても小さな美術館で、ふらっと立ち寄るにもぴったり。常設展示は無いようですので、お好みの展覧会開催時に訪問するのがおすすめです。
磯崎新の建築
まるでギリシャ神殿のような柱が並ぶ印象的な建築。3両連結した列車をイメージして設計されているそうです。
正面から見たときはあまり列車っぽくないなと感じたのですが、別のアングルから見てみるとかまぼこ状の屋根がまさに列車といったシルエット。ちなみに、この美術館はJR加古川線の鉄道のすぐ隣にあります。
設計を担当したのは大分県出身の建築家・磯崎新(いそざきあらた)。奈義町現代美術館や群馬県立ぐんま天文台、なら100年会館など様々な建築を手掛けている世界的な建築家です。
横尾忠則作品は?
もともとは、西脇市出身の芸術家・横尾忠則の作品を展示するために作られた美術館。入口前の屋外には、大きなコンクリートの壁に描かれた横尾忠則の作品「LISA LYON IN NISHIWAKI, APRIL.18.1984」が展示されています。
館内には横尾忠則作品が常設展示されており・・・と言いたいところですが、現在は現代アートの企画展を行うミュージアムとなっています。企画展がメインのため、気になった展覧会のときに訪問するのが良さそうです。
横尾忠則作品を展示するために作られたのに常設展示が無いのは何か理由があるのでしょうか。ネットで調べてみたのですが、どのような経緯があって展示内容が変わったのかはわからず・・・。「神戸に横尾忠則現代美術館ができたため、こちらは展示内容を変えた」といったウワサも耳にしましたが、実際のところは謎です。
作品は見かけませんでしたが、関連書籍は多数そろっていました。
コンパクトな美術館
わずか300円というリーズナブルな入館料を払って館内へ。
館内は、小さな展示室が3部屋連なるコンパクトな美術館。写真撮影は全面的にOK!作品も撮ることができるのが嬉しい(※企画展によって変わる可能性があります)
部屋同士の連結部分は、タイルの壁に、ガラスの床が神秘的な空間。吹き抜けとなっており、1階部分を覗くことができます。
さらに連結したメディテーションルームもあります。現在は休止中でしたが、自由に入って瞑想を行うことができるらしいです。
展覧会:堀尾昭子の現在
2021.9.19〜12.5の期間は、『堀尾昭子の現在』を開催中。
堀尾昭子(ほりお あきこ)は、徳島県出身の美術家。前衛美術グループ「具体美術協会」にも所属しており、先鋭的な作品を多く発表しております。
幾何学的でシンプルな作風が特徴的。作品としてぎりぎり成立するような、無駄の無い芸術が並んでいます。
作品のサイズは非常にコンパクトで、大きさという存在感すら排されています。さらにタイトルは全て無題となっており、想像の入り込む余地すらありません。
鑑賞者に対して何も訴えてこない無機質な作品たち。作品維持のために置かれた湿度計の方が主張しているような錯覚すら感じました・・・!
アクセスと営業情報
JR加古川線の日本へそ公園駅のすぐ目の前にあり、おそらく徒歩10秒もかかりません。ただし、電車の本数は非常に少ないので、時刻表のチェックはお忘れなく。
車の場合は中国自動車道の滝野・社ICから約15分。駐車場は日本へそ公園のものが無料で利用できます。
開館時間 | 10:00~17:00 |
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休館日 | 月曜、翌祝 |
料金 | 300円 |
公式サイト | http://www.nishiwaki-cs.or.jp/okanoyama-museum/ |
コメント
[…] 西脇市にある「岡之山美術館」は、もともと横尾忠則の作品を展示するために作られた美術館。しかし、2021年9月の訪問時に常設されていた横尾作品は屋外の一点のみでした。より横尾忠則の世界に浸りたい方は、豊島にある「豊島横尾館」もおすすめです。 […]