志々島&粟島めぐり Part 4 漂流郵便局で見つけた謎の手紙(三豊市/塩飽諸島)

塩飽諸島

粟島で一番人気の漂流郵便局。普通の郵便局とは異なり、『宛先不明な郵便物』が集まるという不思議な郵便局です。さらっと見れば充分かな、と思ったのですが、不思議な手紙に出会ってしまったため、かなり長い時間滞在していしまいました・・・!

訪問日:2023/5/4(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

要注意な開館日と時間

漂流郵便局、それは宛先不明の手紙が集まるおとぎ話のようなスポット。2013年(平成25年)の瀬戸内国際芸術祭の作品の1つとして、茨城県生まれのアーティスト・久保田沙耶さんが制作した作品です。

常設展示されているため、芸術祭期間以外に島を訪れても見学することができます。ただし、毎月第2・第4土曜日と、非常に限定的な公開。訪問する場合は、まず旅行の日程を決める段階で確認する必要があります。

また開館時間も13時から16時とわずか3時間。島へ渡る船を決める際に、こちらも気にする必要があります。

今回は志々島と合わせて訪問したのですが、この漂流郵便局を中心に旅程を組みました。島めぐり計画はこちらの記事にて!

志々島&粟島めぐり Part 1 一日で2つの島をめぐる計画(三豊市/塩飽諸島)
香川県の志々島(ししじま)と粟島(あわしま)は見どころがたくさんの魅力的な島。2つの島を上手くめぐるため、時刻表とにらめっこして計画を立てました!

おびただしい数の郵便物

館内に積み重なるのは封筒やハガキなど数多の郵便物。郵便局らしい木製の配達区分棚はもちろん、吊るされたブリキらしき缶にも多数のハガキが収納されています。

総数は54,000通を超えるというこれらの郵便物は閲覧自由。机やイスも置かれているので、じっくりと楽しみたい方にも優しい仕様。訪問した際は、長編作品に出会って読み耽っている方がいました。

館内に貼られているのは菅田将暉さんのポスター。この漂流郵便局は、フジテレビのドラマ『ミステリと言う勿れ』にも登場。白石麻衣さんが演じる犬堂愛珠が、この世を去る自分に向けて手紙を送っていました。

故人への想い

せっかく来たのだから、私も少し郵便物を拝見させていただくことにしました。

たまたま手に取った封筒を開けてみると、そこに記されていたのは故人への感謝と後悔。

何度も見かける同じ宛名の手紙にびっしりと綴られているのは、先立ってしまった息子への近況報告。

華やかな観光地のポストカードはいずれも同じ宛名。故人へ向けて、観光地の思い出を記したメッセージが込められています。

この世を去った芸能人へのファンレター、天国への年賀状、祖母への感謝・・・。宛先不明の手紙ってどういうことなのだろうと思っていたのですが、もう送る相手がこの世にいない手紙が多いようです。

中には、まるでタイムカプセルのような「未来の自分へのメッセージ」、さらには「未来の子どもへ向けた手紙」といった送る相手が未来というケースも。ヒューマンドラマが好きな方は、あっという間に時間が過ぎてしまうかもしれません。

漂流郵便局に送るには

この漂流郵便局は誰でも手紙を送ることができます。その方法はいたってシンプル。以下の住所に送るだけです。

〒769-1108
香川県三豊市詫間町粟島1317‐2
漂流郵便局留め
〇〇〇〇〇〇様

送ったものの返却は不可、さらに著作権は漂流郵便局に譲渡となる点だけ要注意。基本的に差出人の住所記載は不要とのことです。

現地にて専用のハガキも3枚100円で販売されています。ハガキには既に漂流郵便局の住所が記されているので楽々です。

館内にある漂流ポストに投函することでも、この漂流郵便局に保管されます。現地に来た方は、その場で書いて投函も可能です。

暗号が記された謎の手紙

様々な手紙を読んでいる中、ふと目についたのがコチラのハガキ。方眼紙のように引かれた枠線は、中央を除きびっしりと文字で埋め尽くされています。

特定の方向から読むと文章になっているポイントはありますが、いったい何を意味しているのかはさっぱりわかりません。

裏返して見ると、差出人は不明ですが宛名は「未来から漂着する未だ生れ出づらぬ作品様」と、これまた意味深な記載。

悩んでも解けそうにないので、引き続き手紙を読み漁っていたところ、またまた謎のハガキを見つけてしまいました。「4×3」などの数式で描かれた謎のマーク。うっすらと下書きが見えるところから、このカタチにはなにか意味があるのでしょう。

こちらも宛名は同じ。先程のハガキと比較するも、消印の日付が2日ずれています。さらにそれぞれ「晴海」と「富士」と距離が離れているのも気になるポイント。

よく見ると右下に「2」「4」と記されています。「1」「3」など、他の数字のハガキがあるのかもしれないと、ハガキの山を探してみるも見つかりません。漂流郵便局には検索機能などは無く、見た人によって容易に並べ替えが行われるのでみつけるのは困難なのです。

そもそも「2」「4」という数字はナンバリングではないかもしれません。考えれば考えるほど沼にハマってきました。

なんとか暗号を解きたくて、膨大な郵便物をひたすら閲覧してヒントを探す私。そんなとき、目に入ったのがこちらのハガキ。

円周率へ お前は一体何桁あるんだ!?

あまりにも素朴な意見を前に急に力が抜けて来たので、暗号解読はこのあたりでおしまい。続きは次の誰かに託しますね。


粟島港17:15発の船で、須田港へと戻ります。滞在時間は約3時間、粟島港周辺をめぐりつつ漂流郵便局もたっぷり楽しめました。

今回めぐった志々島、粟島と2つの島はいずれもユニークなポイントが多く、見応えのある島でした。ゆったりした島時間も味わえたので、ぜひまたいつか合わせて再訪したいところです。

コメント

  1. […] […]

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