小学校を利用した博物館で、剥製やパネルで江田島周辺の海洋生物を紹介しています。とってもフレンドリーなスタッフさんは、質問すると何でも教えてくれます。教室1つは小さな水族館となっておりカブトガニやレアなサカナにも出会えます!
廃校利用のミュージアム
深江小学校を利用した小さな科学館。民家が集まったエリアに建っており、外観はそのまま小学校です。
館内に入ると、廊下に展示が並びます。スリッパに履き替えたり、定時になるとチャイムが鳴り響いたりと、とってもノスタルジックな雰囲気。
大きなオサガメの剥製もあります。1974年、江田島近海で定置網にかかったものらしい。オサガメってもっと外洋にいる生き物だと思ったのですが、瀬戸内海にも入ってくることがあるのですね。
「シオマネキちゃんからの挑戦状」というクイズラリーもやってます。スタッフさんに勧められたので挑戦してみたところ、なかなか苦戦。本気で挑んだのですが、2問間違えてしまいました。
正解数に応じて景品がもらえます。8問正解だったのでポストカードいただきました!絵柄はまさかのメリべウミウシというマニアックさ。
教室にはミニ水族館
教室一部屋を使ったアクアギャラリーは、小さな水槽が並ぶミニ水族館。水槽の周りには、生き物の名前だけでなく、わかりやすい解説文がびっしりと書かれています。海の世界に浸るというよりは、生き物1匹1匹をじっくり観察する学習向けのアクアリウムです。
漁網にかかった魚をメインに展示しているため、そのときによりラインナップは変化しています。運が良いと、かなりレアな生き物に出会えるかもしれません。
6角形の個性的な形をしたタッチプールもあり、ヤドカリやヒトデなどとふれあいも楽しめます。
瀬戸内海に暮らすカブトガニ
この施設のメイン生物を選ぶとしたら、きっとカブトガニではないでしょうか。カブトガニは江田島湾にも生息しており、網にかかると漁師さんから連絡があるそう。現在は、かなり数が減ってしまっているようです。
このカブトガニは甲羅の前面が凹んでおり、後部にあるトゲが6対なのでオス。メスは甲羅前面が丸く、トゲも3対しかありません。
居合わせたスタッフさんが色々と解説してくださり、バックヤードまで見せてくれるという大サービスも。
そこには、調査で捕獲したカブトガニの子供がたくさん。先程のオスメスの特徴は、最後の脱皮を迎えたときに明らかになります。まだ子供のうちは雌雄の区別がつかないらしく「オスかな、メスかな」と期待しながら成長を待っているそうです。
レアな生き物に会えることも
展示数は多くないですが、他の水族館ではあまり見かけない生き物を見つけたのでご紹介します。
3cmくらいのオニオコゼの子供。幼いながらに、ゴツゴツしたルックスとブサイクな顔が完成しています。
ワタリガニことタイワンガザミ。一番後ろの脚がヒレ状になっており、泳ぐことができるカニです。江田島周辺でも普通に見かけることができるそう。
なんだかふてぶてしいこちらのサカナはミシマオコゼ。かなりレアな魚で、瀬戸内海でも2〜3例目とのこと。私も初めて見ました!
砂に潜って近づくものをパクリと食べるタイプの魚。後ろに泳いでいるハゼはエサとして入れているらしい。「ケガしてるから、生きて行けるかどうか・・・。エサを食べてくれれば持ちこたえられると思うんだけどね」無事、生き延びられるでしょうか。
江田島で発見!エタジマホンヤドカリ
江田島の名を冠したエタジマホンヤドカリ。2014年に江田島市で発見された新種のヤドカリです。
このヤドカリ、他のヤドカリとは大きく異なるポイントがあります。それは、貝の引っ越しをしないこと。
通常のヤドカリは、成長とともに自身の体に合った一回り大きな貝へと引っ越しを繰り返していきます。しかし、このヤドカリのカラは付着したヒドロ虫が分泌する物質でできており、成長とともに大きくなっていきます。自分で拡張リフォームできるため、引っ越しする必要が無いのです。
通常の貝に比べると柔らかめで防御力は薄いですが、代わりに機動力がアップしています。
アクセスと情報
広島県の呉市から倉橋島を経由して橋で渡ることができる江田島にあります。島のちょうど真ん中あたりに位置しており、呉駅からは車で40分ほど。
広島市内からだと、宇品港から船で江田島の中町港まで渡り、そこから15分ほどバスに乗ってアクセスする方法もあります。
基本的には平日のみの開館となるため、訪問の際はご注意ください。夏休み限定で土日祝日も開館することがあるので、公式サイトでチェックしてみてください。
さらっと見るだけなら15分ほどで見終えてしまう小さな施設。しかし、スタッフさんといろいろ話したり、じっくり観察していたため1時間くらい滞在してしまいました。
海の生き物がさらに好きになりました!
コメント
[…] […]