倉橋島ドライブ〜音戸の瀬戸・造船歴史館・桂浜・鹿島の段々畑(呉市/芸予諸島)

芸予諸島

瀬戸内海航路の要所であり、古くから造船が盛んであった離島。平清盛との関係が深い音戸の瀬戸や、造船に関わる展示が珍しい造船歴史館など、深い歴史を感じる島です。橋が架かっているため、気軽にアクセスできます。

2020/9/25(金)

橋でつながる離島

広島県呉市の離島、倉橋島(くらはしじま)。瀬戸内海の広島県と愛媛県の間に位置しており、しまなみ海道やとびしま海道の島々とともに、芸予諸島に属しています。

音戸大橋という橋が架かっているため、車でアクセスすることが可能。さらに、早瀬大橋で江田島ともつながっています。呉市からドライブで気軽に行くことができる離島です。

本州側には「大和ミュージアム」や「てつのくじら館」、すぐ隣には海上自衛隊の学校がある江田島など観光スポットの多い地域。合わせて訪問すると良さそうです。

清盛と縁のある「音戸の瀬戸」

本土から音戸大橋を渡った先、倉橋島の入口にあたる音戸(おんど)と呼ばれるエリアには「観光文化館うずしお」があります。1階はお土産屋さん、2階は海とまつりのミュージアムとなっており、音戸と関わりの深い平清盛に関する展示が並びます。

清盛は呉市側と倉橋島の間の海峡「音戸の瀬戸」を切り開いたという伝説が残っております。これにより、船は遠回りすることなく最短ルートで瀬戸内海を運航することが可能となりました。うずしおの展望テラスには扇子を広げた平清盛像。そして、その後ろには音戸大橋が架かる音戸の瀬戸が見えます。

コンベアで動くのは、清盛祭の大名行列。清盛祭は、平清盛の功績をたたえ、その霊を供養するためにできたお祭り。最初は夜通し念仏を唱えながら踊り明かす「念仏踊り」でしたが、参勤交代が不要となり払い下げられた道具を駆使した大名行列に変わっていきます。現代でも、当時の衣装を身にまとった人々が練り歩くそう。

うずしおの目の前は、真っ赤な音戸大橋のビュースポット。海上には伝清盛塚があり、清盛の功績を称えるために造られた宝篋印塔が立っています。そこに生える松は「清盛松」と呼ばれており、現在の木は3代目にあたります。

 

迫力の遣唐使船「長門の造船歴史館」

古来より瀬戸内海航路の寄港地として栄えていた倉橋島。優れた造船技術を持つ船匠(せんしょう)が多く存在しており、江戸時代には最盛期を迎えます。
そんな造船の歴史を知ることができるミュージアムが長門の造船歴史館。木造船の歴史や造り方など、模型や映像コンテンツでとってもわかりやすい博物館です。(※展示物は撮影禁止)

開館時間:9:00〜16:30
休館日:月曜、年末年始
料金:200円
※駐車場はありませんが、200mほど先の桂浜温泉館の駐車場を利用すれば良いとのこと。

館内の中央には巨大な復元遣唐使船が鎮座しています。かつて唐の優れた文化や政治を学ぶために遣唐使という使節が派遣されていましたが、そんな人々を乗せて大陸まで運航していた船です。

実際にデッキに乗ることもできます。砂浜に面して設置されており、目の前には海原が広がる。船首越しに海を見ていると、今にも船出しそうな気持ちになります。

その後、明治に入ると西洋式船舶の需要増加に伴い倉橋島の造船は衰退、昭和初期には軍事物資の流通増加により隆盛を迎えます。現在では検査修理をメインに行っているそうです。

砂浜を臨む「桂濱神社」

桂浜温泉館の目の間にある桂浜は、生い茂る松の木や常夜灯の並ぶ風流で歴史を感じるビーチ。「日本の渚百選」にも選ばれており、桂浜海水浴場としても知られています。

砂浜には大きな石鳥居がずっしりと立っています。こちらはすぐ近くにある桂濱神社の一の鳥居。桂浜から道路を挟んだところにある石段を登ると境内へとつながります。

当初は宗像三女神を祭っていましたが、後に宇佐八幡宮より仲哀天皇・応神天皇・神功皇后の三神が勧請され、武将を祭る神社となりました。明治時代に八幡宮という名から桂濱神社へと変わります。

漁や文化を学ぶ「倉橋歴史民俗資料館」

桂浜温泉館の裏手にある小さな博物館。島の歴史を解説するパネル、漁で使用する民具、出土したナウマンゾウの化石など、様々な物が展示されています。

開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜、年末年始
料金:100円

こちらの傘を逆さまにしたようなモノは、カワハギ漁に使用するための道具。中央の針にカワハギの餌となるクラゲをつけて海中へ垂らし、ついばみに来たタイミングで持ち上げると傘の部分に張られた網にカワハギがひっかかるそう。使い方は非常にシンプルですが、その特徴的なデザインが妙に気になります。

江戸時代に多く造営された千石船の模型。帆や船体に描かれた「倉」の文字は、きっとブランドの証だったのでしょう。

足をのばして「鹿島の段々畑」

広島県の有人島で最南端に位置する鹿島(かしま)は、倉橋島から更に橋で渡ることでアクセスできる離島。桂浜から車で20分ほどのところにあります。

港に車を停めて石段畑を探すのですが、なかなか見つからず。迷路のように入り組んだ道を行ったり来たり。島のおじぃとおばぁはおしゃべりが大好き。加えて声が凄く大きいため、あちこちから話し声が聴こえてきます。

集落を抜けて反対側の海の近くに差し掛かったあたりで、大きな棚田を見つけました。こちらが鹿島の段々畑

棚田ですが、石垣でがっちりと固められているのが特徴的。江戸から明治にかけて、瀬戸内海沿岸では人口が爆発的に増え、その食料を賄うために山を切り開いたのがはじまりといいます。

段々畑を過ぎると海へと出ます。鹿島は小さな島なので、あっという間に横断してしまいました。港反対側にあるため、とっても静かなビーチ。時間の流れがとてもゆっくりに感じます。

 


 

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