400年という長い期間に渡り採掘が行われ、多くの歴史が詰まっている佐渡金山。江戸時代の「宗太夫コース」と明治以降の「道遊坑コース」の2ルートを巡ります。ラストに登場する金の延べ棒チャレンジは人気のアトラクション。
休園日:年中無休
料金:宗太夫坑コース900円/道遊坑コース900円(共通券¥1,400)
昨日フェリーで渡ってきた佐渡島。2日目となる本日はあいにくの雨ですが、佐渡島は屋内型の観光地がたくさんあるので、悪天候でもばっちり楽しめます。そんなインドアスポットの中でも代表格の佐渡金山へ。
選べる観光コース
8時オープン。まだ観光客もほとんどいない、朝イチでの突入です!
一言で佐渡金山といっても様々なコースがあります。
そのうち、予約なしで自由に見学できるのは、江戸時代の坑道である宗太夫坑コースと近代技術を導入した明治以降の道遊坑コースの2つ。
せっかくなので両方行こう!片方だとそれぞれ900円ですが、共通券だと1,400円。400円お得になります。
再現された江戸時代「宗太夫坑コース」
最初は宗太夫坑コースから。1601年に発見され、家康によって開発された江戸時代の坑道です。佐渡金山はそれ以降約400年間に渡り堀り続けられた、世界的にも寿命が長い鉱山なのです。
今でも働く人形たち
坑道内部に一歩足を踏み入れると、ひんやりした空気に包まれます。
立体的で複雑な坑道のあちこちには人形たちが置かれています。当時の工夫を再現した人形たちは、今にも動き出しそうなほどリアル。少し怖い気もしますが、この人形のおかげで当時の鉱山の様子がとってもわかりやすいです。
リアルな採掘現場
そんな働く人形を見ていると、見慣れない道具を使用している姿が目に入りました。謎の筒状の道具を回しているように見えます。
この筒は水上輪(すいじょうりん)といって、排水用のポンプとしての機能があるそう。筒の内部が螺旋状になっているため、まわすと水を高い位置に持ち上げることができるのです。「これを操作する役は高賃金だった」といったリアルな豆知識も書かれていました。
休息所でくつろいでいるのは鉱石を掘る工夫・金穿大工(かなほりだいく)たち。技術者として賃金もよく、優遇されていたそう。
スピーカーからは、そんな大工たちの声が聴こえてきます。
「早く外にでて飲みてぇ。馴染みの女にも会いてえ。」
・・・労働環境は悪く、短命だったそうです。
くつろいでた金穿大工たちですが、がんばって働くシーンも。でも、何そのポーズ・・・。
坑道の奥では謎の儀式
坑道内部を進むと、出口付近では謎の儀式が繰り広げられています。
これはなんかやばそうな雰囲気。もしうっかり迷いこんだ洞窟でこんな光景を目にしてしまったら命の危険を感じます。
まるで秘密結社のようなこちらの儀式は、間歩(まぶ)開きの祝い。鉱脈が見つかり、前途を祝してお祝いしているところでした。
アイマスクをつけて演じられているのは「やわらぎ」という芸能。山の神の心をやわらげ、そして鉱脈もやわらげて掘りやすくするための儀式なのです。
近代的な「道遊坑コース」
先ほどの宗太夫坑コースは江戸時代の手堀りの坑道でしたが、こちらの道遊坑コースは西洋の近代的技術を導入した明治以降の坑道です。
コンクリートのトンネル
なんとなく江戸時代のイメージが強い佐渡金山ですが、1989年まで採掘がされていたのです。
手掘りの生々しさの無い、整然としたコンクリートのトンネル。足元にはトロッコのレールが走っています。
洞内には熟成所があります。真野鶴や北雪などを貯蔵しているところ。洞窟内というのは光が入らず、また温度も年間通して8~13度と低温。ここは天然の冷暗所なのです。
こちらの広い空間は、道遊の割戸直下採掘跡。ここは平成元年の閉山まで採掘されていた最後の現場の1つ。「道遊の割戸」って何でしょうか?その答えは、この先に。
道遊の割戸へ
地上に出ると、道遊の割戸(わりど)へのルートが見えてきます。小雨が煙る中、歩くこと徒歩約7分。
こちらが道遊の割戸。山にぽっかりと穴が空いています。
先ほどの「道遊の割戸直下採掘跡」は、この真下につながっているのでした。
さらに順路に沿って進んで行くと、割戸を遠くから眺めることのできるスポットに。佐渡島の観光ポスターでも見かける、佐渡を代表する景色です。
金鉱脈を掘り進めた結果、まるで山が割れたような形となっています。
こちらは江戸時代に手掘りで採掘された跡とのこと。明治以降の道遊坑コースから見えるので、てっきり近代技術で掘られたのかと思っていました。人の力でここまで地形を変えてしまうなんて、江戸時代の人々のエネルギーは凄まじいです。
遺跡を見渡す展望台
このあたりはちょっとした高台になっており、周辺の鉱山遺跡が見える!
こちらは搗鉱場(とうこうば)。水銀を使って金を回収するための施設。緑につつまれた構造物は、未開の地でみつける文明の跡のよう神秘的にすら感じます。
ミュージアムで金の延べ棒チャレンジ!
坑道を抜けると、博物館へと繋がっていました。
こちらは鉱山の断面図模型。全長約400km、江戸時代初期には世界一の長さとの噂もある坑道。まるで蟻の巣のように広がっています。斜めに置いてある棒は、さっきみた水上輪。こんな感じで水を汲み上げ排水していたのですね。
先ほど実際に見た洞内の様子がここでもやっぱりくつろいでる大工たち。
そんな館内で人だかりができているところが。
こちらは純金延べ棒取りだしチャレンジ。素手のみで30秒以内に取り出すと金の延べ棒プレゼント!じゃなくて記念カードプレゼントというシンプルなゲーム。
次々といろんな人がチャレンジしていきますが、重くてなかなか持てない。
例え持つことができても、自分の手首と一緒に穴から出すのは至難のワザ。かといって指先で持てるような重さではないのです。また、そもそも穴に手が入らない人も!穴の大きさや金の重さやサイズのゲームバランスが絶妙なのです。
「お嬢さん、彼氏を殴るときの力で行け!笑」会場はとにかく大盛り上がりです。
みんな我こそはとチャレンジするものの、ことごとく玉砕していきます。
やってみたい・・・!
私は手首の細さには定評があるのでいけるのではないだろうか。そして手のひらも大きいので掴み易いのではないだろうか・・・。金の延べ棒には500万円くらいの価値があるはず。そのままとんずらして「日本一周の旅~豪遊編~」に出発だ!
・・・人だかりの中央に突っ込んでいく勇気がありませんでした。
手首の細さ、握力、そして勇気が必要なチャレンジなのでした。なお、成功者はこれまで2,128人。2,129人目になりたかったなー。
その後、都内で開催された島フェス「アイランダー」にてチャレンジしたところ、なんと取り出し成功してしまいました!
まずは金塊を掴み、穴に立て掛けます。次に手を抜いたあとは両手の人差し指と親指で金塊の先を掴み気合いで引っ張り出しました。手首の細さと指の力が決め手かと思います。
このあとは、佐渡金山周辺に眠る鉱山遺跡に会いに行きます!
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