1900年の歴史を持つ都内最古級の神社『大國魂神社』(府中市)

東京都(市町村部・多摩地区)

都内でも有数の歴史が深い神社。多くの神様が集まり、様々な信仰がされてきた場所でもあります。宝物殿や歴史館、復元された国府跡など、歴史的にも楽しめる神社です。

訪問日:2024/3/10(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

都内を代表する古社

京王線の府中駅の南口を進むと見えてくる大國魂神社創建は景行天皇41年、西暦にすると111年であると伝わっています。1900年という長い歴史を持っており、五條天神社や根津神社とともに都内最古級といわれる神社です。

主祭神は大國魂大神で、武蔵国を守護する神様。さらに小野大神、小河大神、氷川大神、秩父大神、金佐奈大神、杉山大神も祀られています。この6柱は、武蔵国の一之宮から六之宮の神様。そのため、「六所宮」とも呼ばれています。

4月30日から5月6日にかけて行われる例大祭「くらやみ祭」でも知られております。様々な神事が行われるなか、最も有名なのが5月5日夜の神輿渡御(みこしとぎょ)。6基の大太鼓と8基の神輿が暗闇の中を神社から御旅所へと向かいます。

<アクセス>
・京王線の「府中駅」南口から徒歩5分
・JR南武線・武蔵野線の「府中本町駅」から徒歩5分

なお、この神社は開門時間が決まっています。4/1~9/14は6:00〜17:00、9/15~3/31は6:30〜17:00となっているのでご注意ください。

歴史を感じる境内

太鼓をかけて時刻を知らせるための鼓楼。慶長年間の造営の際に三重塔と相対して建てられるも1646年の大火で焼失、1854年に再建されたものです。

多くの参拝客でにぎわう拝殿。本を伏せたような屋根が特徴の「流造」の建築で、そこに千鳥破風が乗る重厚な出で立ちです。

拝殿の後ろに構える本殿。1646年の火事で全焼後、江戸幕府4代将軍・徳川家綱によって1667年に再建されたものです。しっかり見ることはできませんが、3棟が合わさった造りであるそう。

本殿の背後には、御神木でもある大イチョウがそびえたちます。幹周り9.1m、高さ20mの大きさで、その樹齢は約1000年。風格が漂います。

バリエーション豊かな摂末社

多数の摂社・末社が集まっているのも特徴的。こちらは住吉神社大鷲(おおとり)神社。1つの社殿に2つの神社が合祀されています。

宮乃咩(みやのめ)神社は、安産・演芸の神として信仰される天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀る神社。

多数奉納されているのは安産柄杓。お産が軽くなるように、底をくり抜いて奉納、産後に感謝の気持ち込めて、くり抜いた底の部分を絵馬として奉納するそうです。

他にも東照宮や松尾神社など、多数の神社が集まっています。様々なご利益が期待できる神社です。

穢れを流す人形流し

境内では「人形流し」を体験することができます。これは、厄や穢れを人形(ひとがた)に移して流す儀式。初穂料は100円です。

まずは白い紙のついた「大麻(おおぬさ)」で自祓いを行います。その後人形に名前を記入、身体の気になる部分をなでて息を吹きかければ準備はOK。

後は近くを流れる小川に人形を放ちます。最初はそのまま流れていますが、最後にふわぁっと消えていく姿は神秘的でした。

巨大な太鼓が並ぶ宝物殿

境内には宝物殿があり、神社に伝わる様々な品々を展示しています。

展示室は1Fと2Fに分かれており、1Fは「くらやみ祭」に関連するものがずらり。巨大な太鼓が6つずらりと並ぶ姿は圧巻です。また、金色の鳳凰や鈴で彩られた綺羅びやかな御神輿も8基。さらにはくらやみ祭の映像も見ることができます。

2階では、火縄銃、太刀、具足なども展示。江戸時代に奉納された「大絵馬」、徳川慶喜による「社号額」、頭部や手が落ちてもなお原型を留める江戸時代中期の「随神像」、徳川家康着用と伝わる「陣羽織」など、歴史を感じる収蔵品が並んでいます。

開館時間 9:00~17:00
休館日 平日(祭礼日は開館)
料金 200円
公式サイト https://www.ookunitamajinja.or.jp/homotsu/

※閉館時間が神社の閉門よりも一足早く16:00までなので、訪問順にはご注意ください。
※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

国史跡・武蔵国府跡

参道から50mほど東へ反れたところに、赤い柱がずらりと並ぶ謎のスペースがあります。

大化の改新の後に、埼玉県・東京都・神奈川県(一部)におかれた「武蔵国」。この府中には、その政治の中心てある「国府」という施設が置かれていました。この柱は、奈良時代に建てられた国府の建物を再現したもの。

柱と共に遺構展示館という小さな展示室があり、内部では発掘調査の様子などを知ることができます。特徴的なのは、壁面が鏡になっているということ。

実はこの柱、本来は現在復元されたものの倍の規模。この鏡に映すことで、実際の規模を感じることができるようになっているのです。

開館時間 9:00~17:00
料金 無料
公式サイト https://www.kankou-fuchu.com/?p=we-page-entry&spot=40317

※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

ふるさと府中歴史館

神社の参道には、府中市立ふるさと府中歴史館という施設が建っています。1967年に市立図書館、郷土館として建てられたもので、建物の外観はそのままに、内部をリニューアルした複合施設。

古代国府からの出土品やくらやみ祭に関する展示、ちょっとしたデジタルコンテンツなんかもあります。入館料は無料、展示内容のボリュームはそれほどなくミュージアムというよりもちょっとした展示室といった雰囲気です。

ユニークなのは「100年前の新聞」の展示。野球情報、火事、事件などとにかくびっしりと書かれています。見慣れない感じや読み仮名はありますが、なんとか読めるレベル。

日付を見ると、大正13年3月9日。本日は3月10日。もしかして、毎日取り替えているのでしょうか!?

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.city.fuchu.tokyo.jp/shisetu/komyunite/gekijo/hurusatorekisikann.html

※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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