赤穂義士を神として祀る神社『赤穂大石神社』(赤穂市)

兵庫県

赤穂城内に建つ赤穂大石神社は、主君の仇討ちを果たした赤穂義士たちを祭神として祀る神社。義士たちの石像をはじめ、実際に使っていたとされるゆかりの品や、書物など様々なものを見ることができます。

訪問日:2023/4/30(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

赤穂義士ゆかりの神社

赤穂大石神社は、「忠臣蔵」として知られる赤穂事件において討ち入りを果たした赤穂義士たちを祀る神社。

江戸時代の事件ですが、この神社が建立されたのは明治時代に入ってから。当時は江戸幕府への忖度から大々的に祀ることは遠慮されていましたが、明治に入ると明治天皇が泉岳寺の赤穂義士を弔ってから、神社建立の動きが生まれたそうです。

参道には四十七義士の像がずらりと並んでいます。それぞれ持ち物やポージングが異なっておりますが、詳しい方は外観だけで区別できたりするのでしょうかね。

忠臣蔵の世界が広がる境内

境内に鎮座するのは大石内蔵助像。大石内蔵助(くらのすけ)といえば、忠臣蔵の中心人物。赤穂浅野家の家老であり、討ち入りの際には義士たちを率いた指導者でありました。

1912年に建立された拝殿。主君の仇討ちという大願を果たした祭神にちなみ、「大願成就」の神徳があるそうです。

拝殿のまわりには「忠臣蔵ものがたり」が描かれた高札が掲示されています。「そもそも、討ち入りってどんな話だっけ?」という方も、ここを見れば大丈夫です!

ゆかりの品々が多数!義士史料館

境内には義士史料館という有料の施設があります。450円にて「義士宝物殿」、「義士宝物殿別館」、「義士木像奉安殿」、「大石邸長屋門・庭園」という4ヶ所を全て見ることが可能。

大きな太鼓が目印の「義士宝物殿」では、義士を描いた絵巻、大石内蔵助が討ち入りの際に使用したとされる采配や笛、堀部安兵衛が使用したとされる鎖頭巾など、義士ゆかりの宝物がずらり。さらに、すぐ隣の「義士宝物殿別館」では、両国橋引き上げのジオラマなどが展示されています。

続いて「義士木像奉安殿」では、四十七義士像と浅野内匠頭像、そして中折の烈士萱野三平像の49体が奉安されています。

よく見るとそれぞれ作風が異なっておりますが、こちらは木彫家49人が一人一体ずつを彫り奉納したもの。全て作者が異なるため、ポージングや表情などの作風が違っており、見比べるととても面白いです。

歴史を感じる大石邸庭園

「大石邸長屋門・庭園」も共通券で見学できます。ここは、その名の通り、大石内蔵助の邸宅。

家屋内部では、文書を手にした大石内蔵助や、夫人りくをはじめとした大石内蔵助の家族たちの人形が暮らしています。大石邸の建物の大半は火事によって焼失してしまっていますが、この長屋門だけは火災を免れ現在まで残っています。

ツツジが咲く庭園を散策していると、巨大な樹木を発見。こちらは、御神木の大クスで、樹高21m・幹周り4mという巨木。着生植物を衣のようにまとった姿が神秘的です。

犬にまつわるエトセトラ

拝殿前に置かれた狛犬は、少し変わったデザイン。Wikipediaには「通常の神社における狛犬より獅子の要素が薄く犬に近い。」との記載がありますが、どちらかというと沖縄のシーサーに似ているような気もします。

境内には十二支の像が安置されており、その年のものが拝殿前へ、それ以外は一か所に集められて並んでおります。この中の「戌」は、毛が長くコリーのようなたたずまい。

義士宝物殿にも犬に関連したものが展示されています。それがこちらの「犬の受け取り証」。赤穂城明け渡しの際に造られた書物であり、「犬公方」と呼ばれた5代将軍・徳川綱吉の時代ならではのものです。

そして、この神社は犬を連れて参拝できる全国でも稀有な神社でもあります。四つ足の獣を穢れとする考え方があったり、他にも様々な理由で境内へ犬を連れることを禁じている神社は多いのですが、ここはOKとのこと。

アクセスと営業情報

JR赤穂線の播州赤穂駅より徒歩15分。車の場合は、山陽自動車道の赤穂ICより約10分。神社の前に無料駐車場があります。

参拝時間 8:00~17:00
料金 無料 ※義士史料館は450円
公式サイト https://www.ako-ooishijinjya.or.jp/

※掲載の情報は2023年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました