信濃川の河口にそびえる2つのタワー。この2つは川の底を通るトンネルで繋がっています。いったい何のために造られた施設なのでしょうか。
河口に立つツインタワー
日本一の流域面積を持つことでも知られる信濃川。新潟市内から日本海へと流れ落ちるその河口の両サイドには2つのタワーがそびえています。
東側に立つのは「山の下みなとタワー」。曲線的なデザインが印象的な姿の建物です。
西側は「入船みなとタワー」。山の下みなとタワーとは対照的に、こちらは直線的。
高さはいずれも約40m。屋外に広がる大階段が開放的なつくりです。
小林克弘という建築家による作品で、異なるポイントのある「カップル型ツイン」というデザイン手法であるそう。ホテルの部屋タイプの名前みたいですね。
その重要な役割とは
この2つのタワーと海底トンネルには、非常に重要な役割があります!
新潟市内を通り日本海へと流れる信濃川。下流にはこの川を渡る手段がなかったため、河口より約4kmの萬代橋に交通は集中していました。下流部に暮らす住民や港湾関係者は、連絡路建設に向けて運動を開始。有料道路「みなと大橋」の構想が浮かぶも頓挫してしまいます。
代わりに建設されたのが、「新潟みなとトンネル」。橋ではなく、海底にトンネルを掘り、そこに車道を通すことになったのです。
そんな新潟みなとトンネルの左右両岸には、トンネル内の換気を行うための坑道「立坑」が設置されています。その2つの立坑が今回紹介する「山の下みなとタワー」と「入船みなとタワー」。
言葉で説明してもわかりにくいと思いますので、現地で見かけた画像を貼らせていただきますね!こういうことです。
山の下みなとタワー
2つのタワーは、いずれも最上階が展望フロアとなっており、無料で自由に見学することができます。ということで、まずは山の下みなとタワーへとやってきました!館内はとっても広々としております。
エレベーターで上った先にあるのは、これまた広々とした展望室。ちょっと複雑なカタチをしており、新潟港の紹介パネルや周辺の案内が展示されていました。
東側は、タワーの麓に広がる公園「山の下みなとランド」。海賊船みたいな遊具や長い滑り台がとっても楽しそう。
西側は資材、というか廃棄物がたくさん置かれた港。この広い敷地は何かを建設する予定があるのでしょうかね。
タイミングが良いと、新潟空港に離着陸する航空機が見れたりもします。
新潟みなとトンネル
エレベーターで地下3階へと降りると、地下道の入口。
コンクリートのどきどきする道。ひんやりした空気の中、ときおり駆け抜けるのはランニングマン。きっと全天候型の良いコースなのでしょうね。
歩いていると、行き交う車の音が聞こえてきます。見ることはできませんが、歩道の脇には車道が通っているのです。
唐突に現れるのはサカナの紹介!スズキ・コイにはじまり、チャガラ・ナガヅカ・ドロメなどマニアックな名前も。
ジャスト10分で対岸に到着しました。
入船みなとタワー
対岸の入船みなとタワー。エレベーターを乗り継ぎ、地下3階から展望フロア7階へと向かいます。
山の下みなとタワーに比べると、7階展望フロアの面積はコンパクト。その代わり、高い天井と大きなガラス窓で開放的な空間づくりがされています。
目の前には日本海の大海原。手前には空き地が広がっています。
東側を見ると、信濃川を挟んで山の下みなとタワーの姿も見ることができます。
山の下みなとタワーよりもフロアが小さく、見どころは少なめな印象でした。
さあ、ここからは急ぎ足で帰り道。なぜ急いでいるのかといいますと、閉館時間が迫っているからです!
「新潟みなとトンネル」自体に利用時間は無く、24時間通行可能。しかしタワーは閉館時間があり、5月は19:00まで。車は山の下みなとタワーに停めているため、もし過ぎた場合はタワーを通り過ぎた先にある地上出口まで進む必要があり、とっても遠回り。
なんとか時間ぎりぎりで間に合い、エレベーターで地上まで出ることができました!
最後に、山の下みなとタワーの展望室で見かけた不思議なキャラクターを置いておきますね。
みなと坊や「エールくん」という名前。通常のゆるキャラとは異なるタイプのゆるさに目を奪われます・・・!
アクセスと営業情報
開館時間 | 4・5・9月:9:00~19:00 6 – 8月:9:00~19:30 10 – 3月:9:00~17:30 |
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休館日 | 年中無休 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/port/yamanosita.html |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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