バリエーション豊かな昆虫標本が並ぶ小さな昆虫館。楽しく見ることができる工夫がたっぷりで見応えあります。壁一面に並べられたブルーが美しいモルフォ蝶の標本は圧巻です!
歴史ある昆虫館
名和昆虫研究所は、名和靖(なわやすし)によって害虫防除、益虫保護を目的以外に作られた研究所。その研究所に併設して作られたのが名和昆虫博物館。
この写真ではまったく伝わりませんが、大正時代に建てられたレトロな建築も見どころです。
館内の展示は標本がメイン。ただの標本の陳列ではなく、わかりやすい解説やテーマ毎の展示で、とても見やすく工夫されています。
センスの光る展示
標本といえば、やっぱり人気なのは美しいチョウ。トリバネアゲハやミイロタテハなど、世界の美しいチョウが大集合!黄色や緑など、色鮮やかな翅で見応え抜群です。
ユウレイヒレアシナナフシやコノハムシなど、モンスター感のある大型昆虫たち。斜めに配置していたり、同種2~3体の位置をずらしていたりと、並べ方にセンスを感じます。
ヘラクレスオオカブトは、羽を広げて今にも飛び出してきそう。こんなに躍動感たっぷりな標本は初めて見ました!
楽しめる標本
ただの標本ではなく、楽しめる工夫が盛りだくさん。例えばこちらの標本は「この中に何頭の虫?」というクイズになっています。枯れ葉や枝にしか見えないカレハカマキリやナナフシなどが隠れており、探して遊ぶことができます。
こちらは「昆虫でないのはどれ?」。「クモは昆虫じゃない」みたいな話は皆さんご存知かと思いますが、こちらの標本の中には昆虫のようで実は違う生き物が2種類混じっています。
難易度が高いのはこちらの「毒のないチョウはどれ?」。
45頭も並んだチョウの標本の中には毒の無いチョウが2頭だけ混じっています。下にあるサンプルをお手本に、模様やカタチで見分けるのですが、かなり難しいです。大人でも本気を出さないとクリアできません。
圧巻のモルフォ蝶
この昆虫館最大の目玉がコチラ!
壁一面を埋め尽くす色鮮やかなモルフォチョウの標本!!びっしりとデザインされた標本は、もうアート作品と呼んでも差し支えないレベル。トーン毎にきちんと揃えられているところにも、整然とした美しさを感じます。
この青さは色素ではなく構造色。シャボン玉やCDに色が見えるのと同じ原理で、光の干渉により青く見えいます。そのため、見る角度によって色味が変わっていくのが面白いです。
なお、モルフォチョウの標本は全て腹の部分が外されています。その美しい見た目に反して、メインの食事は腐った果実や動物の排泄物。腹部から油が出て翅に染みてしまうため、現地で採集と同時に外してしまうそうです。
名物のギフチョウ
岐阜を代表する昆虫といえば、その名に地名を冠しているギフチョウ。この昆虫館の創設者である名和靖が現在の下呂市金山町で発見し命名した昆虫であるため、この昆虫館のシンボルとも呼べる虫です。
ギフチョウは標本だけでなく生態も展示しています!こちらが生きているギフチョウです。
・・・現在はサナギでした。ギフチョウは6月にはサナギになり、3月下旬までの10ヶ月という長い期間をサナギ状態で過ごします。動くギフチョウは、春しか見ることができないため、興味がある方は狙っていくのが良さそうです。
なお、ここでのギフチョウ羽化は、地域のテレビニュースや新聞ではお馴染みのコンテンツらしいです。3月上旬に流れるというこのニュースを目にして、春の訪れを感じている人もいるのではないでしょうか。
アクセスと営業情報
JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバスが出ています。各駅から約15分のバス停《岐阜公園歴史博物館前》下車後、徒歩3分ほど。
岐阜城へ向かう金華山ロープウェー乗り場や岐阜博物館とすぐ近くなので、合わせて立ち寄るのがおすすめです。
休館日:水曜、木曜、12~2月の火曜
料金:600円
コメント
こんにちわ!昆虫類は正直余り好きではないですが、モルフォチョウの標本は圧巻ですね! 最初は絵画かと思いました!
素敵です~ 機会があれば訪れたいですね。ありがとうございます!
ネコシバさん
コメントありがとうございます!私が載せた以外にも素敵な標本がたくさんありますので、ぜひぜひ足を運んでみてください♪
ここの展示は、とても美学を感じますー!