2年に1度長島にて開催されるアート展。海上には巨大なアート作品がずらりと並んでいます。廃材や自然の素材などを利用した材料費をかけない作品には、島の人たちの熱意とセンスが凝縮されています。
長島町の一大イベント
2年に1度開催される、長島町の一大イベント「ながしま造形美術展」。コロナの影響で中断しており、2023年についに4年ぶりの開催となります。
2023年の開催日程は2023年10月14日(土)~11月12日(日)の約一ヶ月間。
実はこのイベントを知ることができたのは、毎年11月に都内池袋にて開催されるアイランダーという島フェス。長島町の人に、「行くならいつが良いですか?」と尋ねたところ、「2023年は造形美術展開催するのでおすすめです!」と教えてもらいました。
会場となる太陽の里ピクニック広場には自然の身近な素材や廃材を使用した造形がずらり。その数はなんと約100点!島内の各地域や学校、PTAなど様々な団体が作品を造り上げています。
迫力の大型アート作品
流木や針葉樹の葉など、自然の素材で作られた生き物はとってもリアル。こちらは御所ノ浦の「えっがねさま」。えっがねというのはイセエビのことです。竹で作られた脚や触覚の再現度の高さは驚愕です。
流木でできた恐竜の骨格標本もあります。小浜(おはま)という地区の作品で、その名は「オハマザウルス」。あえて骨格だけにしたという点、さらに自然の素材をほとんど加工せず使用している点にアイディアが光ります。
数ある作品の中でも一番大きなものは、こちらの菅牟田による「S.G.M.T ダダンダーン」。体は丸太の束を四角いにカタチに整えており、手足は発泡スチロールでできています。今にも立ち上がりそうな存在感です。
個性的な作品もたっぷり
ほぼ全てが個性的なのですが、そんな中でも個人的に気になった作品をご紹介。
藤之元という地区の作品、こちらの四角柱はなんと薩摩焼酎「島美人」。孟宗竹30本で作られた箱をベースに、色鮮やかなヒオウギガイ5,000個、文字の部分はクロミナやカラスガイを使用して仕上げられています。
役場関係の団体も作品を出展。こちらは消防による「消化器」。ちゃんと使い方も書かれており、その完成度はさすがです。前回や前々回はいったいどんな作品を造っていたのか気になります。
こちらのキラキラしたトトロは福ノ浦の「令和メカ吐斗呂」。なんと開いた空き缶が全面に貼りつけられています。使用されているのは、のどごし、スーパードライ、淡麗、贅沢など16種類。その数は3,500缶にも及び、360人もの協力で完成したそう。
「作品のため」という口実で、いつもより多く飲んでしまった方もいたのかな・・・?
最優秀賞の作品は・・・
こちらの造形美術展はコンテスト形式。審査員がおり、造形の美しさやお金をかけない材料のチョイスなどを基準に最優秀賞を決定しています。「一般の部」「PTAの部」「学校・幼稚園の部」と3つの部に分かれており、それぞれの最優秀賞がこちら。
一般の部の最優秀賞は、塩追自治公民館による「しゃちほこ」。ヒゲは針葉樹の葉、顔は松ぼっくり、鱗は細い丸太の輪切り、キバはおそらくヤシ科の樹皮で仕上げられています。
PTAの部の最優秀賞は、鷹巣中学校PTAによる「ながしマーライオン」。ライオンの顔とサカナの体を持つマーライオンをテーマにした作品です。ヒオウギガイのウロコは美しく、流木のタテガミは迫力満点です。
学校・幼稚園の部の最優秀賞は、伊唐小学校による「伊唐の誇り〜伊唐大橋〜」。伊唐島は長島の北東部に浮かぶ離島。島民たちによる架橋運動の結果、1996年に伊唐大橋が開通しました。この架橋への思いは、若い世代にも受け継がれているのでしょうね。
島ならではのセンスや思いがたっぷり詰まったアート作品は、とにかく見ごたえ抜群!次回はきっと2025年に開催されるはずですので、気になる方はお忘れなく・・・!
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