四大観「壮観」と戦争遺跡を求めて『宮戸島』へ(東松島市)

宮城県

奥松島の大きな離島、宮戸島。松島を眺める四大観の一つ、“壮観”にあたる「大高森」や、かつてこの地に暮らした縄文人の生活を知ることができる「歴史資料館」、戦争遺跡である「震洋隊基地跡」をめぐってきました。

訪問日:2022/10/10(月)

松島湾に浮かぶ大きな島

松島湾最大の島である宮戸島(みやとじま)。松島の中心部から10kmほど離れており、松島湾の奥地であることから奥松島と呼ばれています。

松ヶ島橋という橋でつながっているため、車で容易にアクセスができます。
架橋離島かと思いきや、もともと堆積物により形成された野蒜海岸によって本土とつながる陸繋島(りくけいとう)であったそう。1963年に潜ヶ浦(かつぎがうら)水道を掘って分断、代わりに松ヶ島橋が造られたという歴史を持ちます。

奥松島縄文村歴史資料館

宮戸島には「里浜貝塚」という縄文時代の遺跡があり、太古の昔より人が暮らしていたことがわかっています。島内にある奥松島縄文村歴史資料館は、遺跡からの出土品などを通して、縄文人たちの暮らしを知ることができるミ施設です。

島の小さな資料館かと思いきや、かなり立派なミュージアム。リアルな模型やイラストなどもあり、わかりやすく工夫されています。

シアターでは15分ほどの映像が上映されます。里浜で見つかった丁寧に埋葬された男性の人骨から、その人物を主人公としたストーリー仕立ての作品でした。かなり引き込まれる内容です。

平たい顔をした土偶。この土偶は貝塚見学をしていた小学生が発見したものとのこと。胴体と頭部が別々に見つかっており、さらに脚はまだ見つかっていないため他の土偶を参考に復元されています。

積み上がった骨は里浜縄文人の食べかす。マグロ、クロダイ、カキ、イノシシ、シカ、さらにはウミウ、ウミガメ、クジラなどの骨も。

圧巻なのは、壁一面にを覆う貝層断面。縄文人のゴミ捨て場である貝塚をはぎとったもので、アサリの貝を中心に様々な貝や骨が埋まっています。実はこの里浜貝塚は、日本国内でも最大級の規模を持っているそう。

第146震洋隊基地跡を探せ

宮戸島には、第146震洋隊基地跡という戦争遺跡があります。観光地化されておらず、案内も無いため見つけるのは少々困難…。私も訪問前はわかりやすい情報が少なくて本当に行けるのか不安でした。というわけで、このブログの読者の方に特別にご紹介させていただきます!

まずは「潜ヶ浦漁港」を目指します。漁港が見えたら、その手前にある細い道を右へ。Google Mapには無い道を進んでいきます。

この先は道が細いため、このあたりに車を停めて歩いて向かいます。右折して少し進んだ路肩にも車を停められるちょっとしたスペースがありますが、軽自動車以外だと、帰る際に転回するのが困難です。大きい車の方は漁港に停めるのが良さそう。

嵯峨見台への登り口を通り過ぎると、すぐにトンネルが見えてきます。真っ暗なので少し入るのを躊躇われます。

トンネルの壁面は手彫りの生々しい跡が残る。通り抜けたらどこか違う世界に行ってしまいそうな雰囲気です。

5分ほど歩くと海が見えてきます。すぐに海へと続くレールの跡が見えてきます。ここが第146震洋隊基地跡。

打ち上げられた貝殻をパリパリと踏みながら進むと、錆びついたレールをはじめとした様々な遺構を見ることができます。

「震洋」というのは旧海軍が開発した特攻兵器。捨て身の体当たり攻撃を仕掛けるための装甲爆破艇です。本土決戦に備え、震洋の基地は日本各地に造られます。先ほどの手掘りトンネルも、この震洋基地のために掘られたものであったそうです。

大高森を登って「壮観」を見る

宮戸島の最高峰である大高森。標高106mの小さな山なので、気軽に山頂まで登ることができます。登山口は複数あるようですが、観光拠点施設「あおみな」の近くから登るのが一般的。駐車場もあります。

山頂まではちょっとした登山道。切り通しのような道が続きます。

時々急なところもありますが、道は広く登りやすい。要所要所に休憩用のベンチも設置されており、島の優しさを感じます。

約10分で山頂に到着!松島湾の多島美を堪能できる4つの展望台を四大観といいますが、この大高森山頂はそのうちの一つで、「壮観」と呼ばれています。四大観制覇を狙う方は、ここまで来ないといけないのですね。

下りも10分ほど。トータルで30分程度のお手軽山登りでした。

「あおみな」でひとやすみ

さて、宮戸島の観光名所を回り終えたので、最後に観光拠点施設である「あおみな」に立ち寄り。特産品の販売やご当地グルメを扱う食堂、観光案内所の入った道の駅のような施設で、奥松島遊覧船の乗船券も販売しています。「あおみな」という不思議な名前は、「青い港」「会おう、みんなと」といった意味が込められているそう。

ショップに並んでいるのはわかめや海苔製品をはじめとした、宮戸島の名産品。「ほやアイス」「三陸ウニアイス」など、なかなか攻めたメニューもあります。

せっかくなので何か買って行こう!ということで、「かきだしの素」「海苔ラー油」「カレイの縁側醤油煮込み」の3点を購入してみました。

かきだしは、顆粒の出汁の素なので、とっても使いやすい!ラー油海苔は思ったより辛さも控えめで優しいお味でした。エンガワはまだ未開封なので、いずれ食べたら追記したいと思います!

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