予約不要で見学できる!重厚でレトロな洋風建築『明治生命館』(千代田区・丸の内)

東京都(23区)

丸の内にて存在感を放つ明治生命館は、重要文化財にも指定された昭和初期の洋風建築。無料で一般公開されており、館内の随所に詰まった意匠や内装をじっくりと見学することができます。

訪問日:2024/1/21(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

堂々とした佇まいの洋風建築

丸の内にそびえ立つ重厚な建築、こちらは明治生命館。岡田信一郎の設計により、1934年に竣工しました。

ギリシアやローマなどの古代の建築を取り入れた古典主義様式の建築。まるで神殿のような巨大なコリント式の柱が並ぶ様が荘厳な姿。柱はそれぞれふくらみのあるエンタシス構造となっています。

戦時中の金属回収、東京大空襲、戦後のGHQによる接収などを乗り越え現在まで残る昭和初期の建築であり、1997年には昭和の建造物としては初となる重要文化財に指定されました。

予約不要で見学可能

現在も明治安田生命保険の本社として使用されており、1階には「丸の内お客様ご相談センター」などが入っております。2階は公開されており、一般人でも予約不要にて見学可能。時間内であれば無料で見学することができます。

入口を進み2階へと続くエレベーターも当時の面影を色濃く残しています。丸い押しボタンや渋く輝く光沢など、最初からレトロな空気を感じることができます。

順路に沿って展示室へと進むと、一風変わってモダンな展示室。明治生命館の歴史や建築についての解説パネルが並ぶ。モニターでは創建時の記録映像も流れています。

レトロな館内見学

広々とした会議室。花飾りの石膏彫刻や溝彫りが施された柱、壁に埋め込まれた電気時計など格調高い空間となっています。戦後の接収期間中には、米英中ソの4ヶ国代表による対日理事会(ACJ)が設置され、その会場として使用されていたそうです。

こちらの広い部屋は食堂。柔らかな印象の三心アーチ、天井をよく見るとブドウをモチーフにしたレリーフも見ることができます。

開放的な吹き抜け空間。イタリア産の大理石による立派な角柱が26本も並んでおり、上部には植物文様のレリーフも。漆喰と石膏で仕上げられた天井、八角形のくぼみには花飾りがあしらわれていたりと、細部までこだわりが詰まった空間です。ちなみにここからは1階にあるお客様ご相談センターが見えます。

昭和初期に流行したというスパニッシュ様式で仕上げられている南西側応接室。日本初のインテリアデザイナーと呼ばれた梶田恵がデザインした家具や、菱格子のステンドグラス、金属製のカーテンレールなど、見どころは多いです。

機能性の高さも注目

デザインへのこだわりはもちろんのこと、細部には様々な機能も詰まっています。壁に埋め込まれたこちらはメールシュート。各フロアから郵便物を直接投函できるという仕組みです。

床の近くに設置された銀色のものは吸塵バルブ。ここにホースをつなげてフロアを吸引清掃、吸い取られたゴミはこのバルブを通り地下2階のバキュームポンプとダートタンクへと運ばれたそうです。

食堂の隣の部屋には、ずらりと並んだ木の扉。こちは地下の厨房とつながる小型のエレベーター

健康相談室という部屋もあります。1938年に創設された健康増進のための施設健康診断がまだ普及していない時代に、生命保険会社の社会口の一環として発足。ドイツ製の心電図計が導入されていたそう。

行ってみた感想

これだけ立派な建築を無料で見学できる点が素敵すぎます!館内では要所要所には解説のタブレットも置かれているため、知識が無くても楽しむことができます。ちょっとした博物館に立ち寄るような気持ちで訪れるのがおすすめ。

そして現役で利用もされているというところがすごい!2024年で90周年を迎える歴史ある建造物ですが、長い間大切に整備保存されてきた賜物でしょう。

なお、明治生命館の1階には「静嘉堂@丸の内」という名称の美術館が入っています。こちらは、世田谷にある「静嘉堂文庫美術館」の展示ギャラリーが2022年10月に移転したもの。ここまで来たら、ぜひ合わせて訪問したいところです。続きは次回!

アクセスと営業情報

・JR「東京駅」の丸の内南口から徒歩5分
・JR「有楽町駅」の国際フォーラム口から徒歩5分
・東京メトロ千代田線「二重橋前駅」の3番出口直結

開館時間 9:30~19:00 ※全ての箇所を見学できるのは土日11:00~17:00だけとのことです
料金 無料
公式サイト https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/meiji-seimeikan/

※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

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