森林公園の中に静かにたたずむ小型の古墳。復元整備がなされており、石室の中も覗くことができます。墳丘は八角形という、全国的に見ても珍しい姿。関東ではわずかしか確認されていないレア古墳です!
公園の中にある古墳
笛吹川の支流、金川沿いには金川の森という森林公園があります。芝生広場や池のある公園で、市民の憩いの場といった雰囲気のスポットです。
そんな中に静かに佇むのが経塚古墳(きょうづかこふん)。墳丘の直径は約13m、高さ2.2m。こんもりとした小型の古墳で、7世紀前半の古墳時代後期に造られたそう。

周りはロープで囲われているため、墳丘に登ることは不可。クライミング古墳(※造語)ではありませんでした。
珍しい八角形の墳丘
一見すると円墳に見えますが、実は八角形の八角墳。中国政治思想や仏教思想などの影響で造られたと考えられています。

円墳や方墳、前方後円墳に比べると非常に珍しいタイプの古墳であり、東日本では「三津屋古墳」(群馬県)と、「稲荷塚古墳」(東京都)に続く3例目、全国では9例目であったそう。
八角墳である「御廟野古墳」(京都府)は天智天皇陵、「段ノ塚古墳」は舒明天皇陵、「牽牛子塚古墳」(奈良県)は斉明天皇陵と考えられている古墳。主に大王陵に採用された形態であるため、この経塚古墳の被葬者は畿内と関わりの深い重要な人物であった可能性があります。

周辺には「甲斐国分寺跡」や「甲斐国分尼寺跡」も見られることから、この辺りはかつて甲斐国の中心であったのでしょうね。
再現された横穴式石室
石室はフェンスが取り付けられており入れませんが、中を覗くことは可能。

近づくとセンサーが反応して照明が点きます。機械的な要素がまったく無かったので、突然のライトアップにびっくりして頭をぶつけたのはヒミツです。

この石室は両袖型横穴式石室と呼ばれる形態。石室長は6.6m、高さは1.2m〜1.6m、幅は1.2m〜1.6mという規模であるそう。傍に設置された案内板には、断面図のイラストも描かれています。

発掘調査と復元整備
この古墳、もともとは土に埋まっていました。平成6年(1994年)に森林公園建設事業に伴って発掘調査が実施され、その後石室を一度解体し、組み直して復元されます。あえてクレーンなどの現代技術は使用せず、人力で棒を回すことでロープを巻き取る「神楽桟(かぐらさん)」という技法が用いられました。

その際に甲斐型土器などが出土しましたが、いずれも平安時代以降のもの。築造当時のものは鉄斧だけであり、他の副葬品は盗掘により持ち出されてしまったと考えられています。
長い時を経て復活した八角墳、コンパクトで謎だらけの古墳ではありますが独自の存在感を放ちます。わざわざ遠方より訪れるには少し物足りないかもしれませんが、周辺の「甲斐国分寺跡」や「甲斐国分尼寺跡」、「甲斐国一之宮 浅間神社」と合わせてめぐり、歴史ロマンにふれてみるのも面白そうです。
近くにある「山梨県立博物館」では、古代に関する展示もみられるそう。今回あわせて訪問予定でしたが、12/30の訪問であったため年末年始休館でした。いずれまた来ようと思います!
アクセスと営業情報
中央自動車道の「一宮御坂IC」より車で3分ほど。
基本的に自由に入れる公園ですが、年末年始の休園日は駐車場もクローズしてしまうのでご注意ください。
| 見学時間 | 24時間 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 公式サイト | https://www.pref.yamanashi.jp/maizou-bnk/topics/1-100/0014.html |
※掲載の情報は2025年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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