暗闇の洞窟内部で見たものとは・・・『熊襲の穴』(霧島市)

鹿児島県

太古の昔、熊襲(くまそ)と呼ばれる人々が暮らしていたとされる洞窟。勇気を出して真っ暗な中に入りフラッシュを焚くと・・・・とにかくショッキングな光景が待ち受けています。

訪問日:2018/5/13(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

熊襲の穴までの道のり

鹿児島県霧島市にある熊襲の穴。古事記や日本書紀といった日本神話に登場する人々「熊襲(くまそ)」が暮らしていたとされる洞窟です。

そんな深い歴史を持つ洞窟は、国道223号沿いにあります。山奥にあるかと思いきや、意外にもアクセスしやすい場所です。

すぐ側には妙見温泉の旅館が立ち並んでいます。鹿児島空港からも車で15分ほど、霧島神宮からも30分ほど。他のスポットと合わせても行きやすいです。

洞窟目指して上る階段

駐車場からは山の中の階段を登っていきます。整備はされていますが、多少の茂りはあります。

途中には不思議な石像も。夕暮れの時刻に訪れたためか、ちょっとだけ怪しさも感じます。

縄が張られたゲート。おそらく注連縄だと思いますが、薄暗いためこれまた呪術的な雰囲気にも見えます。

この階段を登ればもう穴は目の前。手すりの赤さも、なんだか不気味に感じますね。

洞窟内部は暗闇の世界

洞窟の入り口につきました。薄暗い森の中で出会う鳥居の置かれた穴は、まるで禁足地のような凄みがあります。もっと日中に来れば良かったと少しだけ後悔。

勇気を出して入るとそこは、ひんやりとした空間。

小さい入り口ですが、中は広々しているような気がします。真っ暗闇で何も見えませんが、空間の広がりを感じるというのはなんとも不思議な感覚です。

ショッキングな光景

持参したライトを点けてみます。あれ、壁面に何かが描かれているようです。

カメラのフラッシュを焚くと・・・

なんだこれは!!!!

真っ暗な中に突如現れる色彩。知らずにこれを見て驚かない人がいるのでしょうか。

不思議な模様と派手な色彩は呪術的な雰囲気。来ては行けない場所に迷い混んでしまったのかもしれません。かつて暮らしていたという熊襲族が描いたものでしょうか?それにしては保存状態が良すぎるような気もします。

壁画の正体は

実はこの洞窟、照明を備えています。穴に入る前に右手側を見ると、目立たないスイッチがあり、こちらを押せばしばらく洞内に明かりが灯ります。

再度中に入ると、ライトに照らされた壁画の全貌を見ることができます。

この謎の壁画、実はアート作品。萩原貞行(はぎはらさだゆき)さんという方が描いたそうです。

ちなみに、穴へ向かう途中にあった石像も竹 道久(たけ みちひさ)さんの作品《神々の想い》でした。実はこの熊襲の穴、ちょっとしたアートスポットでもあるのです。

日本武尊発祥の地

熊襲族は、東北地方の「蝦夷」や同じく九州南部の「隼人」と同じく、当時の政権を担っていた「ヤマト王権(大和朝廷)」に従わなかった部族。

大和朝廷の景行天皇は、皇子である小碓命(おうすのみこと)に熊襲征討を命じます。小碓命は女装して宴の席に忍び込み、熊襲族の大将・川上武(かわかみのたける)を討ち取ることに成功。川上武が死に際に名を尋ねると「われこそは景行天皇の皇子、小碓命」と名乗ったそう。それを聞いた川上武は「そなたは私より強い。小碓命では名が小さい。私の名をとって日本武尊(やまとたけるのみこと)と名乗るが良い」と自分の名を授けました。ここで小碓命は日本武尊となったそうです!

そんな日本神話にまつわるスポットでもある熊襲の穴。史跡とも呼べそうですが、どういった経緯で壁画が描かれたのか気になるところです。

この話は、古事記・日本書記それぞれで登場人物の名称やディティールに差があります。ここではざっくりとだけ書いていますので、気になる方はそれぞれ調べて違いを比べて見ると面白いかもしれません。

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