緑に包まれた日光三名瀑『霧降の滝』(日光市)

栃木県

多数の滝を見ることができる日光。中でもこの「霧降の滝」は、三名爆の一つに数えられる滝。歩きやすい遊歩道を進んだ先にある展望台からは、迫力のある姿を見ることができます。

訪問日:2024/7/13(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

森の中の遊歩道

霧降高原の近くには、霧降の滝という滝があります。この滝は、「華厳滝」、「裏見ノ滝」とともに日光三名瀑に数えられる、日光を代表する滝のひとつ。

観瀑台までは、駐車場から遊歩道を歩いていきます。距離は約340m、時間にして10分弱の道のりです。

木立に包まれた石畳の道は、心地よいハイキングコース。あざやかな新緑の中に響き渡るのは鳥のさえずり、そこに加えて遠くから聴こえてくるのは水の音。初夏の山中は爽やかな世界です。

一部未舗装の箇所もありますが、アップダウンも少なく歩きやすい道のり。ただし、日光市公式観光WEBによると、ヤマビルが出ることがあるらしいです。地面の上で立ち止まったり座ったり荷物を置いたりしなければきっと大丈夫なはず・・・!

木々が開けると、ウッドデッキの展望台が見えてきました。開放的なロケーションにわくわくします。

展望台から見下ろす滝

霧降の滝は、展望台から見下ろすタイプの滝。グリーンに包まれた白い滝はコントラストがあざやか。少し距離がありますが、迫力ある水音はしっかりと聴こえてきます。

上下2段になっており、上段が25m、下段が26m、全長は75mにも及びます。よく見ると小さな滝も組み合わさり、独特の景観を作り上げている。

展望台も滝のように数段に分かれており、一番下の段が最もよく見えました。

霧降の名前の由来

気になるのは「霧降」という素敵なネーミング。これは、下段の滝の水が、まるで霧のように細かに岩に当たりながら流れ落ちる様子からその名が付けられているそう。「霧降川」や「霧降高原」から名前が来ているかと思っていたのですが、この由来ならば最初に滝が名付けられたのでしょうかね。

そんな霧降の様子ですが、展望台からは何となくしか見ることができません。もしかして、もう少し近くで見ることができるのでしょうか?

調べてみると、かつては展望台から滝まで降りる道があったそうです。2008年以来通行止めとなっており、2024年現在も開通していない様子。

なお、所要時間は往復40分であったそう。滝までの距離や高低差から想像するに、かなりハードな道のりだったのではないでしょうか。

浮世絵にも描かれた姿

この霧降の滝は、江戸時代の浮世絵にもその姿が描かれています。

これを描いたのは葛飾北斎。上から滝を見下ろす人と下から見上げる人、2つの視点が一枚に収められた、独特の構図を持つ作品です。

全国津々浦々の瀑布を描いた「諸国滝廻り」という作品の一枚で、「下野黒髪山きりふりの滝」という名が付けられています。この作品には、他にも7つの滝が描かれていました。

<諸国瀧廻り>
・「和州吉野義経馬洗滝」(行者の瀧 or 知行の瀧)
・「下野黒髪山きりふきの滝」(霧降の滝)
・「木曽海道小野ノ瀑布」(小野の滝)
・「木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧」(阿弥陀ケ滝)
・「相州大山ろうべんの滝」(ろうべんの滝?)
・「東海道坂ノ下清滝くわんおん」(?)
・「東都葵ヶ岡の滝」(葵ヶ岡の滝?)
・「美濃ノ国養老の滝」(養老の滝)

「華厳滝」ではなく「霧降の滝」を選んだことからもわかるとおり、そのチョイスはなかなかマニアック。

なお、作者の署名である落款(らっかん)は「前北斎為一筆」と記されています。葛飾北斎は何度も雅号を変えており、このときは「北斎」ではなく「為一」に改号しておりました。ちなみに、晩年には「画狂老人卍」というびっくりな名前で活動していたりも・・・!

アクセスと周辺情報

日光東照宮、二荒山神社、日光山輪王寺からなる「二社一寺」より車で10分弱。霧降高原「キスゲ平園地」より車で約15分ほど。

遊歩道の入り口にはバス停と公衆トイレ、そして「山のレストラン」が建っています。おしゃれで雰囲気抜群な外観に違わず、コースメニューがメインなようです。

ちなみに、7月の連休中の訪問でしたが、滝周辺では誰にも会いませんでした。おそらく、日光の観光スポットの中でも穴場な方かと思います。

人はいませんでしたが、キジの親子は見つけました!キジのメスってオスに比べてとっても地味な模様なんですよね。

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