モダンな建築に広がる近代日本の教育史『福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館』(港区・三田)

東京都(23区)

慶應義塾大学内にあるミュージアム。重要文化財に指定された歴史ある建築の内部には、福澤諭吉の生涯と慶應義塾の歴史を伝える展示室が開放されています。館内にあるレトロで落ち着けるカフェもおすすめです!

訪問日:2025/7/26(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

重厚なる建造物

慶應義塾大学の三田キャンパスにある図書館旧館は、明治45年(1912年)に建てられた歴史ある建造物。創立50年記念として卒業生を中心とした寄付により完成しました。

関東大震災や戦災による被害を越えて、令和3年(2021年)に公開開始!1階にはカフェ「八角塔」が入り、2階には「福澤諭吉記念慶應義塾史展示館」というミュージアムが入っております。一般公開されているため、学生や関係者でなくとも予約不要で見学可能。入館料も無料です。

2階の展示室へ向かう階段には大きなステンドグラス。大正4年(1915年)に制作された原型を復元したものです。記された「Calamus Gladio Fortior」というフレーズはラテン語で「ペンは剣よりも強し」という意味。

映像やパネルの展示

展示室の最初は約6分のオープニング映像から。創始者の福沢諭吉と、塾生であり後に電力業界に大きな功績を残す松永安左エ門のエピソード、カレッジソング「幻の門」などを見ることができます。

展示の中心は、福沢諭吉の生涯と慶應義塾の歴史、そして近代日本の教育のあゆみ。パネルで分かりやすくまとめられているので、読んでいくとすんなり入ってきます。

タッチパネル式のデータベース「社中Who’s Who」。人物アイコンにふれると、名前や出身地といった詳細が映し出されます。この人物アイコン、常に動いていたり、ときどき吹き出しでセリフが出たりと目を引く仕掛けがあります。

福沢諭吉と慶應義塾

豊前中津藩に生まれた福沢諭吉は、14歳頃儒学を学び始め、19歳で長崎にて砲術、その翌年には大坂で緒方洪庵の適塾に入門、蘭学を学びます。

安政5年(1858年)に、後の慶應義塾のルーツである蘭学塾を開きます。その後、万延元年(1860年)に咸臨丸によるアメリカ訪問に同行、文久2年(1863年)に文久遣欧使節のヨーロッパ訪問にも同行、さらに慶応3年(1867年)に幕府軍艦受取委員でアメリカに訪問。3度の海外体験を経てその見識を深めていきます。

明治10年代には慶應義塾の経営が悪化。廃塾を決意するも門下生の寄付で立て直します。一方、公教育の進展により政府による私塾への冷遇が強まり、「明治14年の政変」により義塾出身者は官界から排除されてしまいます。福沢諭吉は無位無冠を貫き、権威や官尊民卑に対して、極端な反政府主義者になることなく批判を続けていきます。

明治23年(1890年)、ハーバード大学総長への依頼により来日したアメリカ人教師3名を迎えて慶應義塾に大学部を設置。初等教育の幼稚舎、中等教育の普通部、そして高等教育の大学部に一貫してつながる教育制度が完成しました。その後、福沢諭吉は明治34年(1901年)に自宅で逝去。享年66歳で人生の幕を閉じました。

歴史を物語る様々な品

パネルによる紹介に加えて、様々な歴史資料も展示されています。こちらは慶應義塾時間表、今でいう時間割です。「國史」「文明史」などに加えて、「サイコロジー」「ソシヲロジー」「ロジック」といったカタカナの科目も。

遺品の銅鑼。早朝5:00から2時間ほど塾生と散歩するのが日課であった福沢諭吉。この銅鑼はその出発時に合図として鳴らしていたもの。散歩中は塾生と会話しながら道行く人と交流しており、毎日会っていながらも福沢諭吉と知らなかったという人もいたそう。添えられたエピソードがいちいちユニーク。

早稲田大学野球部から届いた早慶戦開始の挑戦状。慶應義塾大学はこれに応え、早慶野球戦がスタート!しかし応援がエスカレートしすぎたため3年で中止。19年の絶交を経て大正14年1925年に復活、国民的イベントへと発展します。

30cmを超える大きな鍵は日吉返還の鍵。太平洋戦争敗戦により米軍に接収された日吉キャンパス、運動の末に返還された際に、米軍より塾長に手渡された記念品です。

八角塔のクリームソーダ

前述の通り建物の1階にはカフェ八角塔が入っています。店頭に積み上げられた本は、一番上が八角塔となっているのがめっちゃおしゃれ。

営業時間は10:00〜14:00、15:00〜18:00。午後に1時間クローズのタイミングがあります。

今回13:35頃尋ねたところ、クローズ前のラストオーダー終了のタイミング。スタッフさんに「次は15:00からですか?」と尋ねると「15:00は混み合う場合があるので、予約がおすすめですよ」とアドバイスしてもらえました!ということで念の為予約しておきました。

2階の展示室をじっくり見て帰ってきた15:00。オープン丁度はまだ席が空いていましたが、15:30には満席に。

さてさて、注文したのは季節のクリームソーダ。月によってソーダの味が変わるメニュー、7月に訪問したところ「生メロン」がありました!

普通のメロンソーダとは異なる、果物のメロン味に仕上げられたソーダはとっても美味。アイスは+100 円で「藻塩ミルク」に変更可能。しっかり塩味を感じる爽やかなアイスは、ソーダにぴったりです!

クリームソーダってこんなに美味しかったでしたっけ!?

暑い日にからから状態で訪問したのももちろんのころ、丁寧な甘さが極上のお味。とっても気に入ったので、また別の月に来て違う味も体験してみたいです!

アクセスと営業情報

・JR線の「田町駅」より徒歩8分
・都営地下鉄三田線・浅草線の「三田駅」より徒歩7分
・都営地下鉄大江戸線の「赤羽橋駅」より徒歩8分

開館時間 10:00~18:00
休館日 日曜
料金 無料
公式サイト https://history.keio.ac.jp/

※掲載の情報は2025年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

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