カッパと犬の安産祈願『水天宮』(中央区/日本橋)

東京都(23区)

都会の真ん中に建つ都市型神社。外観は現代的な佇まいですが、境内へと足を進めると神社らしい趣のある空間が広がります。安産祈願の神社として信仰されており、境内には子育て中のカッパと犬の姿を見ることができます。

訪問日:2023/8/6(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

現代的な都市型神社

東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅を出ると、すぐに見えてくるコンクリートの建造物。こちらは江戸時代に建立された神社、水天宮。神社のイメージとは少し離れた現代建築ですが、吊り下げられた提灯からわずかに神社の情緒を感じます。

この水天宮は、福岡県の久留米市にある水天宮の分社。もともとは港区赤羽あたりにあった有馬藩邸において、9代有馬藩主である有馬頼徳が久留米城内の水天宮の御分霊を祀ったのがはじまりといわれています。

その後、有馬藩邸が青山に移ると、共に青山へ、さらに明治5年に現在の位置へと遷りました。

なお、この神社の参拝時間は7:00〜18:00と決まっているのでご注意ください。

コンクリートの隋神門

拝殿までは、コンクリートに包まれた階段を抜けていきます。

まるで現代美術館のような無機質な雰囲気ですが、よく見ると両サイドに随神像の姿が。おそらくこのコンクリートの階段そのものが随神門を表しているのでしょうね。

登った先にかまえる狛犬は、台座含めて3mほどと大きめサイズ。胸板が厚くマッチョな感じです。この像は、ブリヂストンの創立者である石橋正二郎氏が奉納したものであるそう。

開放感のある境内

ビル街の一角にある境内ですが、空が広くとても心地良い空気が流れます。

水天宮前の交差点から見るとわかりやすいのですが、境内は一段高い位置に造られています。そのため、周りの建物の圧迫感も少なく、開放的な雰囲気なのです。(ちなみに、境内の一階部分は駐車場となっています。)

関東大震災に被災しており、昭和5年に流造の社殿へ。さらに昭和42年には権現造の社殿へと造り変えられます。現在の社殿は平成30年に建立されたもの。まだまだ新しさを感じる建築です。

コンクリートで固められているように見える境内地は、全面免震構造でできています。地震の際には水平方向に60cm程度稼働し、その衝撃をかわすことができるそう。無骨に見えるコンクリートの仕上がりも、かつて地震による被害を受けた歴史を考えれば至極当然です。

安産祈願のカッパと犬

この水天宮は、安産祈願の神社として知られており、御祈祷や昇殿参拝も行っております。私が訪問した際も、夫婦で訪れている参拝客を数組見かけました。

境内には安産祈願のお参り処があります。そのうちの一つがこちらのカッパの像。よく見ると、胸元、左肩、右脚に子カッパがしがみついており、「安産子育河童」と呼ばれています。

もう一つが「子宝いぬ」。鈴で遊ぶ子犬と、それを暖かく見守る親犬が並ぶ微笑ましい像。まわりには十二支の珠が埋め込まれており、自分の干支をさわるとご利益があるそうです。

日本橋七福神の一社

本殿向かって左手に立つ真っ赤な社。こちらは宝生弁財天という境内社で、芸事、学業、さらには金運のご利益があるといわれています。この弁財天は、小網神社や椙森神社などと合わせて、日本橋七福神に数えられています。

この「宝生(ほうしょう)」という名前には、久留米藩主・有馬頼徳にまつわるエピソードがあります。かつて、頼徳が加賀藩主・前田斉広と「宝生流能楽」の技を競った際、この弁財天に願を掛けたことで見事勝利。それ以降、宝生弁財天と呼ばれるようになったそうです。

基本的に扉は閉じていますが、毎月5日と巳の日には開扉、御神像を拝観することができるそう。訪れたのは8月6日。1日遅かったです・・・!!

アクセスと参拝情報

・東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅(5番出口)より徒歩1分
・東京メトロ日比谷線の人形町駅(A1出口)より徒歩6分
・都営地下鉄浅草線の人形町駅(A3出口)より徒歩8分
・都営地下鉄新宿線の浜町駅(A2出口)より徒歩12分

参拝時間 7:00~18:00
公式サイト https://www.suitengu.or.jp/

※掲載の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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