海辺に広がるシーサイドパーク。木々が茂る山や風光明媚な海辺の景色といった変化に富んだ地形、そして砲台跡をはじめとした戦争遺跡の数々・・・。次々と現れる見どころは、まるで博物館のように楽しめます。
歩いて楽しい観音崎公園
神奈川県横須賀市にある観音崎公園は、東京湾に突き出した岬につくられた都市公園。アスレチックやバーベキュー施設などのレジャー設備に加えて、横須賀美術館や観音崎自然博物館といった文化的な側面も持つ、非常に多機能な公園です。
園内には散策路が作られているのですが、これがなかなか見どころ豊富!
潮風が心地よい海辺の道から照葉樹が広がる森、さらには灯台や砲台跡、トンネルや特殊な地形など様々な魅力が詰まっており、とっても楽しめるコースとなっています。
ぐるっと回った中で見つけた面白いポイントをいくつかご紹介しますね!
観音崎灯台
高さ19m、海抜約56mにそびえる真っ白な観音崎灯台。八角形のボディがとってもキレイで、観音崎公園のシンボルです。
フランス人技師のヴェルニーの指導の元、明治二年に完成した洋式灯台。初代灯台は大正11年の地震で倒壊、2代目はわずか半年後の関東大震災によって倒壊、現在は大正14年に完成した3代目が建てられています。
実は観音崎灯台は日本で最初の洋式灯台。それにちなんで、この灯台の起工日である11/1が灯台記念日として指定されています。
また、この灯台は全国に16しかない「参観灯台(登れる灯台)」の一つ!寄付金300円で中に入ることができるのですが、見学時間は決まっています。冬期は16:00までとなっており、私はぎりぎりで間に合いませんた。残念・・・。
権現洞窟
海沿いの遊歩道を歩いていると、突然現れるのは岩壁にあいた大きなほら穴。波による浸食でできた海蝕洞穴で、権現洞窟とも呼ばれています。
この洞窟には、観音崎の地名の由来となったエピソードが残されています。
行基によって納められた観音像は、鎌倉時代の戦乱で紛失。100年後、漁師の手によって海中から発見されます。再び安置されたものもの、昭和の火災によって焼失してしまいます。
現在、洞窟中央のお社には、木彫りの観音像が安置されています。これは、平成30年に有志によって立ち上げられた復元プロジェクトによって令和元年に復元されたもの。
第一砲台跡
第5駐車場から10分ほど歩いたところにある第一砲台跡。明治17年に完成した砲台跡で、口径24cmの砲台が2基設置され、三浦半島の最東端を守っていました。
もっと木々に包まれているかと思いきや、めっちゃオープンな姿にびっくり!整備されており、ベンチも置かれています。さらに灯台へとつながる散策路に面しているため、アクセスも良好です。
あまり遺構は残っていませんが、周りには榴弾を置いたであろうくぼみなどが残されています。
地下にある弾薬庫や兵員室は見学できませんが、2つの砲台を繋ぐレンガ積みのトンネルは自由に通行可能です。なんだか記念撮影したくなるトンネルです。
第二砲台跡
東京湾海上交通センターのレーダー塔近くには第二砲台跡があります。第一砲台跡とはうってかわって自然に包まれた姿。
同じく明治17年に完成した砲台で、4基の砲座が並んでいます。石やコンクリートの遺跡に草木が絡まる姿は、遺跡のイメージにぴったり。
固く閉ざされた鉄の扉。砲台に隣接する部屋なので、おそらく弾薬庫ではないでしょうか。
園内には他にも戦争遺跡があります。今回は時間の関係でメジャーな第一砲台、第二砲台のみの訪問ですが、時間に余裕がある方は調べてから行くとより楽しめそうです。
水中聴測所跡
海辺の道を歩いていると、海岸の先に何か四角いモノが見えます。人工物のような外観ですが、いったい何なのでしょうか。
謎の物体の正体は水中聴測所跡。東京湾に侵入する潜水艦を察知するため、海中の音を測定するためのソナーを置いた施設です。
現在、周辺は海上自衛隊の施設となっているため立入禁止。フェンスで閉ざされているため、近づくことはできません。ちなみに、ここからは四角く見えていますが、実際は円筒形のようです。
この辺りで雨が降り出してきて、スマホの電池も5%になっており、さらに駐車場の閉鎖時刻17:00も迫ってきたので散策は強制終了。
ほんの散歩のつもりでしたが、見どころが多く1時間以上歩き回ってしまいました!いくつか見逃したポイントもあるので、続きはまた今度に。
アクセスと営業情報
京急線の浦賀駅から観音崎行きバスで約15分のバス停《観音崎》下車。他にも、横須賀駅や馬堀海岸駅からもバスが出ているようです。
車の場合は横浜横須賀道路の馬堀海岸ICから約5分ほど。駐車場は複数あります。いずれも有料で、普通車は550円、繁忙期は880円。ピンポイントで目的が決まっている方は事前に最寄り駐車場を確認してからがおすすめです。
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