あつぎについて深く知ることができる、小さな歴史・自然博物館。周辺で暮らす生物の剥製や、伝統芸能に使用される道具など様々なものが並びます。特に考古展示は充実しており、顔面把手や埴輪などユニークな土器も見ることができます。
厚木の博物館
あつぎ郷土博物館は、あつぎの歴史や自然を紹介する博物館。中津川のそばに位置しており、無料で見学することができます。
展示室は一部屋だけというコンパクトなミュージアムですが、すっきりとまとまっておりとっても見やすい。古代、中世、近世、自然などテーマ毎に分かれているのもポイントです。
そして館内はとってもきれい!それもそのはず、前身であった厚木市立郷土資料館をリニューアルし、2019年1月27日に開館したばかりのまだまだ新しい博物館なのです。
古代遺跡の出土品
旧石器時代より人が暮らしていた痕跡の残る厚木。上依知上谷戸(かみえちかみやと)遺跡や、恩名沖原遺跡など、厚木市内の遺跡から出土した土器や土偶などが並びます。
印象的なのは顔面把手(がんめんとって)。人の顔を模したデザインと思われますが、異様につり上がっている目が少し不気味。このような顔の人がいたのでしょうか。
黒く輝く黒曜石。厚木では採れない鉱石であるはずの黒曜石は、他の地域と交易していたことを示唆しています。ここに並ぶ黒曜石は、伊豆、箱根、さらに海を超えた伊豆諸島の神津島産であると考えられており、かなり広いネットワークがあったことがわかっています。
自然と外来種問題
里山や川など厚木市内で暮らす生き物に関する展示も豊富。剥製や標本で立体的に展示されており、見ごたえがあります。
亜高山帯となる大山には、山地の生き物もたくさん。ニホンジカをはじめ、トラツグミやムササビなども暮らしているそう。
こちらはアライグマ。人の手によって持ち込まれたものが野生化した外来生物で、神奈川県内各地に広がっています。在来種の生態系への影響や農作物の被害など問題も多く発生しており、防除を進めているそう。
手前にいる小さなとかげ、スウィンホーキノボリトカゲも台湾からの植物などに紛れ込んできた外来種。国内ではここ厚木市と、静岡県の磐田市で定着していると考えられています。
伝統芸能
江戸から伝わったとされる相模里神楽。ひょっとこやオロチの仮面を被って行われる無言の劇で、神代神楽とも呼ばれています。
こちらのきらびやかな人形は、相模人形芝居にて使用されるもの。1mほどの人形ですが、頭と右手を操る主遣(おもづかい)、左手を担当する左遣、足を動かす足遣と3人がかりで動かします。
神奈川県を代表する民俗芸能で、厚木では特に盛んに行われていました。林座、長谷座の2座は国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
謎のトリケラトプス
展示室とは別に、小さな化石展示室という部屋があります。覗いてみると、そこにはトリケラトプスの頭骨が!
この化石はアメリカ合州国モンタナ州産とのこと。レプリカとの記載が無いので、もしかしたらホンモノなのでしょうか?
トリケラトプスに関する解説は貼られているのですが、気になるのはなぜ展示されているのか。厚木市と何か関係があるのでしょうか・・・?
謎は深まります。
アクセスと営業情報
小田急小田原線の本厚木駅からバスで約30分。車の場合は圏央道の相模愛川ICから約10分、東名高速道路の厚木ICから約40分ほど。無料駐車場あります。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 月曜 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/atsugicitymuseum/index.html |
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