三浦半島や東京湾の自然を中心に展示した、ローカルな雰囲気あふれるミュージアム。剥製や標本、そして実際にサカナが泳ぐ水槽も多く、小さな水族館としても楽しめるスポットです。
ローカルな雰囲気の博物館
観音崎公園という都市公園内にある自然博物館。目の前は海岸線が広がっており、潮風が吹くなんとも開放的なロケーションに建っています。
館内は昔ながらの博物館といった雰囲気。「三浦半島および東京湾集水域」をテーマに、自然に関する展示やや海洋関係の史料などが並びます。
船舶模型コーナーでは、帆船や蒸気船などのリアルな模型がずらり。ペリーの乗っていた蒸気船・サスケハナ号も展示されています。
植物コーナーに展示されている植物は全て水に挿した実物!植物って図鑑やネットの情報で種類を同定するのがなかなか困難ですが、こうやって実物が並んでいるととってもわかりやすい!でも、お手入れは大変そうです。
まるで水族館な生体展示
水生生物の生体展示がかなり充実しており、ミニ水族館としても楽しめます!各水槽の前には椅子も置かれており、腰掛けてじっくりと生き物観察が楽しめるのも嬉しいポイント。
おしりをこちらに向けた不思議なポーズで静止するノコギリガザミ。ブロンズのような質感は、まるで彫刻作品みたいです。
深い青色をしたカニは、スベスベマンジュウガニ。名前とは裏腹に猛毒をもつカニとして有名です。性格はちょっと臆病なようで、人の気配を察するとすぐ岩陰に隠れてしまいます。
屋外にはイトマキヒトデやマナマコにさわれるタッチプールもあります。子供たちが大はしゃぎしていました。
充実の標本・剥製展示
エビ、カニといった甲殻類や貝類の標本、海洋生物の剥製も多く並んでいます。わかりやすい解説パネルも付けられており、大人でも学べることがたくさん!
城ヶ島で採集されたミツクリザメの剥製。1億5000年前に絶滅したスカパノリンクスというサメに似ていることから、「生きている化石」とも呼ばれる生物。まるで悪魔のような飛び出す口を持っており、その異形の姿から英語ではゴブリンシャークと呼びます。(・・・と思ったのですが、実際はミツクリザメの別名「テングザメ」を英訳した際に天狗=ゴブリンと訳されたためとの情報も)
オニイトマキエイの頭部の標本。本来は暖かな外洋に暮らす生き物ですが、こちらは相模湾で初めて採れたものだそう。うっかり迷い込んでしまったのでしょうかね。
鋭い歯をもつダルマザメの標本。50cmくらいの小さなサメですが、獲物に噛みつき体をひねってその肉を齧り取るという非常に変わった捕食方法を行います。肉食動物でありながら対象の命を奪わないというのは、非常に珍しい習性です。
こちらのタコの標本は、なんと60本足のタコ!日本各地でときおり見つかる多足ダコですが、その理由はまだわかっていないそう。これ、全ての足を動かせるのでしょうかね?
普通のイカに見えますが、なんとダイオウイカの幼体。大きくなると3mを超える種類ですが、こちらは1mほどの生後1年以内と考えられる個体です。東京湾で捕獲されたものですが、若い個体の捕獲例は非常にレアだそう。
興味深い都市伝説
館内の一角はウッド調と暖色な照明でちょっぴりおしゃれな雰囲気。三浦半島の淡水域に暮らす生き物を中心に展示しているエリアなのですが、ここのパネルが特に面白い!
秀逸だったのが、本来いないはずの生き物の目撃例を集めた「生き物都市伝説」。なぜか広まったオオサンショウウオ生息のウワサや、絶滅したとされていたが2020年に見つかったオオクワガタなど、興味深いエピソードがたくさん。
訪問者が自分の知っている生き物都市伝説を書くという、参加型のコーナーもあります。
ミヤマクワガタがいた、ニホンウナギがいた、といったリアルなものから、「家にツチノコが大量にいた!!15匹くらい」といった衝撃の報告も・・・!
アクセスと営業情報
いくつかパターンがありますが、浦賀駅から観音崎行バスで10分のバス停《腰越》下車後、徒歩7分。もしくはかもめ団地行バスで8分のバス停《鴨居》下車後徒歩12分。
車の場合は横浜横須賀道路の馬堀海岸ICから約10分。駐車場は観音崎公園第5駐車場が目の前にあります。料金は1日550円です。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 月曜 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://kannonzaki-nature-museum.jimdofree.com/ |
※掲載の情報は2021年11月時点のものです。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
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