高尾山の山頂からさらに先、陣馬山へと向かう縦走ルートへ!いくつもの山と峠を越えて、約10kmの道のりを歩きます。それほど難所はありませんが、長いコースなので計画はしっかり立てて、準備も整えてから登山するのがおすすめです!
高尾山or陣馬山どっちからはじめる?
都内随一のレジャーマウンテンとして知られる高尾山。その山頂からは、奥高尾へ向かう縦走コースがあり、小仏城山(こぼとけしろやま)、景信山(かげのぶやま)を越えて陣馬山(じんばさん)まで続いています。
高尾山山頂から陣馬山山頂までは約10km、所要時間はおよそ5時間。距離はそれなりにありますが、それほど難所もなく途中にはお茶屋さんも複数あるため初心者でも歩きやすいコースとのこと。
ここで悩むのが、陣馬山と高尾山、どちらをスタートにするか。
<陣馬山スタート>
まずは高尾駅から40分ほどバスに乗車して陣馬高原下バス停へ。最初の1時間程度はひたすら舗装された車道を進むため、序盤が少しハード。
その代わり、縦走ゴールとなる高尾山頂からはいろいろ選べる下りルート、ケーブルカーorリフト選択可、豊富な売店自販機、さらに季節によってビアガーデンまであるという充実っぷり。さらに下山後は京王線の高尾山口駅まで歩いてすぐ。駅には遅くまで営業している温泉「極楽湯」まであります。一言で言うならば【ゴールがにぎやか】。
<高尾山スタート>
高尾山口駅から登山開始できるため、バス待ちは不要。さらに序盤限定ですが、ケーブルカーorリフトのショートカットも可能。お店も多いので食料や飲み物補充も楽々です。
その代わり、終盤陣馬山からの下山は、ひたすら無機質な車道歩き。さらに下山後の陣馬高原下バス停の高尾駅行きのバスは1時間に1本。登山スケジュールが上手くいかないと、ほぼ何もないバス停で1時間近く待つことに……。一言で言うならば【序盤楽したい人向け】。
本来ならば【ゴールがにぎやか】な方が好みなのですが、今回は高尾山スタートを選びました。これまで高尾山は何度か登っていますが、陣馬山は初めて。高尾山→陣馬山の方が、未知の世界へ行く感じがわくわくするからです!
まずは高尾山の山頂へ
ということで京王線の高尾山口駅へ。世界的建築家の隈研吾が設計した駅舎はインパクト抜群です。
駅から歩いて5分ほどのところにある登山口には、ケーブルカーとリフトの乗車駅があります。料金・運行ルートはほぼ同じなので、ケーブルカーは15分間隔なので、出発タイミングに合えばケーブルカー、そうでなければ随時運行のリフトにするのが良さそうです。
今回はちょうど出発時間直前だったので、11:45のケーブルカーに乗車。わずか6分で中腹へ。ビアガーデンの季節なので登山客以外の人も多く訪れており、とてもにぎわってます。
山頂までの道のりには、高尾山薬王院などの見どころがあります。詳しくは、以前書いた記事を見ていただけたらと思います。
高尾山口駅からケーブルカーを使用してちょうど1時間、12:25に高尾山頂に到着!
天気が良いのでとっても気持ちいいです! 山頂にはお茶屋さんや自販機があるので、腹ごしらえや飲み物補充も。
高尾山頂~小仏城山
多くの人でにぎわう山頂の奥の展望台。そこから右に小さな陣馬山縦走コースへの入口があります。少し準備を整えて、12:35高尾山頂から出発!
最初はひたすら下り道。舗装されてるので楽々です。陣馬山方面から来る人にとってはここがラストスパートの登り坂。すれ違う人はなかなかしんどそうです。
10分ほどのところにある、もみじ台の細田屋。なめこ汁やソバ、飲み物などを扱ってます。高尾山頂は混雑してましたが、ここは比較的空いてる印象です。
それなりにアップダウンはありますが、整備されているためそれほどハードではありません。木々が茂っており、基本的に日陰というのも嬉しい。
途中には東屋やベンチがあるのでひと休みしながら進みます。このあたりからは、すれ違う人と挨拶する登山マナーが見えるようになってきます。いろんな人がレジャーで訪れる高尾山とは異なり、この縦走ルートは登山好きな人しか通っていないのでしょう。
一丁平園地展望デッキに到着!眺めの良い展望台ですが、日当たりが良すぎてあまりゆっくりできず……近くには休憩にぴったりな東屋がありました。
①小仏城山山頂
13:40頃、高尾山頂から約1時間で小仏城山の山頂に到着!道中は人が少ないなと感じたのですが、ここは多くの登山客でにぎわってます。
かき氷やおでんを扱うお茶屋さんが出てます。自販機はありませんが、ペットボトル飲料は各種販売してるので、飲み物補充も可能。
小腹が空いたときにおすすめがなめこ汁!これ、めっちゃ美味しいです!!
ナメコと豆腐が入った汁物で、味噌ではなく出汁醤油仕立て。とろっとろの汁は、疲れたカラダに染み渡ります。さらっと食べれて程よく塩分補給もできるので、私のようにお腹いっぱいになると動けない人にはぴったり。
なめこ汁ももちろんですが、山小屋で働くおばちゃんたちの明るさにも元気をもらえました。
小仏城山~景信山
小仏城山の山頂にて20分ほど休んだら、14:00登山再開!しばらくはゆるやかな下り坂。なんだか癒やされる道です。
途中の少し木々が開けた場所は展望台となっており、相模湖がちらりと見えます。この縦走コースには、相模湖方面へと抜ける分岐点も何か所かあります。
下り終えたあたりは小仏峠。中央自動車道の渋滞ポイントとしておなじみ、小仏トンネルの真上あたりを歩いていきます。
小仏峠を過ぎたあたりからルートは上りに変わり、少々険しくなってきます。個人的には、このあたりが一番きつかったポイント。まだ半分も達していないという焦りもあり、くじけそうになりました。
②景信山山頂
14:55、景信山の山頂に到着!東京の街並みを見渡せる展望台があり、かなり見晴らしが良いです。
ここにも景信茶屋と言う名のお茶屋さんがあり、おでん、天ぷらなどの食事メニューや、ペットボトルのドリンクも販売してます。ここから先は2時間ほどお茶屋さんが無いルートとなるので、飲み物補充はお忘れなく。
このあたりでパラリと雨が降ってきました・・・!汗だくなので、ちょっとの雨くらいでは全く気にならないのですが、この先陣馬山山頂までは2時間以上、さらに帰りのバス停まではそこから1時間程度かかります。もし土砂降りになったらどうしよう・・・。景信山山頂からは約2.7km、約40分で小仏バス停へと降りることができるのでドロップアウトするか悩みましたが、雨具を持ってきてるので先へ進むことに・・・!その後、すぐに雨はやんでくれたので結果オーライでした!
景信山~陣馬山
15:05、10分ほど景信山の山頂で休んだら登山再開。陣馬山までは5.8kmほど。まだ先は長いです!
景信山山頂からは比較的楽な道のりが続きますが、途中には何か所かこのような分かれ道があります。
右が通常ルート、左がまき道。通常ルートは見ての通り上り道。まき道の方は、上りを避けることができる迂回路。なんとなく通常ルートの方を選んでしまいがちですが、ここはまき道がおすすめ!細い道ではありますが、アップダウンをやり過ごすことができます。
しばらくすると、木々が開けた開放的なエリアへ。この先でうっかり道を間違えて相模湖方面へと進んでしまったのですが、たまたま居合わせたお兄さんが道を教えてくれたので、セーフでした。あぶなかったです。
16:35、明王峠に到着。ベンチやトイレもあるので、ここで15分ほど休憩。明王峠茶屋がありますが、木材が積まれておりしばらく営業していないような雰囲気です。
16:50登山再開。もうこの時間ともなると、歩いている人はほとんどいません。遅めスタートだと、誰もいない山の中を満喫できて良いですね!
17:20、ついに陣馬山までの距離を示す案内板が0.4kmと1kmを下回りました!ラストスパートです!
③陣馬山山頂
17:35陣馬山山頂に到着!高尾山山頂からちょうど5時間!かなりゆっくり進んだつもりでしたが、案内通りの所要時間でした。
陣馬山のシンボルといえば、こちらの白馬像。富士山に向かっていななく姿をしています。
視界いっぱいに広がる山々。雲間から差し込む光が神々しく、眺めているだけで疲れが消えていきそうです。
山頂にはお茶屋さんがありますが、時間的にもう閉まっています。
ここに来て持っていた水分が無くなりそうという事態に!自販機は無いため飲み物追加は難しいかと思いきや、山頂から少しだけ下にある信玄茶屋がぎりぎりで開いてました!!無事ペットボトルのポカリスエットが買えて、とっても助かりました。
下山開始
さて、そろそろ下山開始、といきたいところですが、ここで注意しなくてはいけないのは帰りのバスの時刻。
陣馬山から高尾駅へ帰るためのバスは毎時30分と、1時間に1本しかありません。そして、陣馬山頂からバス停までは約1時間。上手く調整しないと、バス停で1時間近く待つことになります。
ということで、19:30のバスに合わせて山頂で少しのんびりしたあと、18:10頃に下山開始。
しばらくはウッドデッキの道のり。山の中を進むショートカットコースもあるそうですが、日が暮れてきているのでこのまま和田峠に出て車道を歩くルートにしました。長いコースのラストに登場する下りの階段を前に、ヒザが大爆笑をはじめました!
18:25、ウッドデッキの山道は終了して駐車場と車道へとつながります。もしかして、車があれば陣馬山はめっちゃ手軽に登れるのでは……。
ここから陣馬高原下バス停までは3.7km。山道じゃない普通の舗装路なんて楽勝!と思いきや、アスファルトってけっこう疲れます。しかも下り坂のため、つま先に体重がかかってちょっとイタイ。
さらに日が暮れて暗くなってきました!街灯がないため、徐々に暗闇へと包み込まれていきます。これはなかなかドキドキしますね。
遠くに明かりが見えると思ったら、ついに街灯の登場!この安心感たるや・・・。
19:20、ついに今回のゴールである陣馬高原下バス停に到着!わずかな明かりとトイレ&ベンチ、近くには自動販売機もあります。昼間は売店も営業しているようです。
少しすると西東京バスが到着。ぐるりと展開した後、19:30に高尾駅へ向けて出発!乗客は私ひとり。なんだか申し訳ない気持ちもあります。
なお、今回乗車した19:30陣馬高原下のバス、終バスではありません!この1時間後、20:30発が最終とのことですが、利用者はいるのでしょうか?
バスは40分ほどで高尾駅北口に到着。これにて今回のコースは終了です!
スケジュールまとめ&登ってみた感想
まずはざっくりとしたタイムスケジュールを書き出してみます!
11:45 ケーブルカー乗車
12:25 高尾山山頂
12:35 縦走コース出発
↓1時間5分
13:40 ①小仏城山山頂(20分滞在)
↓55分
14:55 ②景信山山頂(10分滞在)
↓2時間30分
17:35 ③陣馬山山頂(35分滞在)
↓1時間10分
19:20 陣馬高原下バス停
19:30 バス出発
20:10 高尾駅北口到着
休憩などを含めたトータルの所要時間は約8時間、歩行距離は約17km。久しぶりの登山であり、真夏日であったため、めっちゃ疲れました!!ひたすら汗だくだったので、飲み物は無限に飲めます。気がつけば500mlペットボトル3本も消費してました。
今回は高尾山→陣馬山というコースでしたが、陣馬山→高尾の方が楽というウワサなので、次回は逆ルートで歩いてみよう!そして茶屋で食べることができるという「むかごの天ぷら」が気になるので、次は秋に訪問してみたいところです。
<余談>
こういった長時間な日帰り登山をすると、ついつい比べてしまうのが屋久島の縄文杉コース。往復10時間にもおよぶトレッキングなのですが、個人的には今回の高尾山陣馬山縦走の方がきつかったです!
季節の影響もありますが、終盤以外はひたすら平坦な道が続く縄文杉コースに比べると、アップダウンの連続の縦走コースはハード。
ということで、屋久島で縄文杉コースに行こうか迷っている方は、この高尾山陣馬山縦走コースを歩いてみるのがおすすめ!もしこれがクリアできれば、縄文杉コースもそんなに苦労しないかもしれません。
ただし、縄文杉コースは早朝登山バスに並んだり、途中に売店・自販機がないため飲食物はすべて持参が必要、さらに高確率で雨が降るため雨具必須など気を付けなくてはいけないポイントが多数あるので要注意です・・・!
コメント
[…] 季節は9月、ぎりぎりシーズンに間に合いそうです。また、気がかりだった体力面も屋久島縄文杉コースや木曽駒ヶ岳、乗鞍岳などの登山も越えてきたので、なんとかいけるハズ!長距離の山歩き、ということで「高尾~陣馬の縦走8時間コース」も挑戦してみましたが、こちらも問題なくクリアできたので、きっと大丈夫。自分に言い聞かせます。 […]
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