巨大な注連縄、4つの鳥居、白うさぎ、禁足地・八雲山など様々な見どころがたくさんの出雲大社。歴史を感じながら、じっくりと散策したくなる神社です。この記事では、様々な切り口からさらっと見どころをご紹介しますね!
人気の縁結び神社
言わずと知れた日本を代表する神社、出雲大社。その歴史は古く、神話の時代から存在しているといわれています。境内の面積は約18ha、境外の摂社・末社や山林を合わせると、約38haと広大で、見どころがたくさん。
主祭神は大国主大神。この像は、海より「幸魂奇魂」を拝戴する姿を描いた「ムスビの御神像」。両手を掲げる大国主大神の目の前には波から現れる金色の幸魂奇魂の姿が描かれます。
出雲大社は縁結びの神様として信仰されています。恋愛に限らず、仕事や友人関係をはじめとしてあらゆる御縁にご利益があるとされています。古来より日本各地から参拝者が訪れる神社ですが、令和となった現代においても、ここを目指す人は後を絶ちません。
なお、出雲大社の正式な読み方は「いづもおおやしろ」。一般的には「いずもたいしゃ」で通っているので、こちらでも間違いではなさそうです。
4つの鳥居がまたがる参道
出雲大社には4つの鳥居があり、それぞれ異なる趣に仕上がっています。
①一の鳥居・宇迦橋の大鳥居
石でできた高さ23mの巨大な鳥居で、扁額だけでも6畳という大きさ。(※2022年5月時点では改装中でくぐれませんでした)
②二の鳥居・勢溜(せいだまり)の大鳥居
かつては木製の鳥居でしたが、2018年に耐候性鋼でできた鳥居にアップデートされました。大きな「出雲大社」の石碑もあり、多くの人が記念撮影するポイントです。
③三の鳥居・松の参道の鳥居
松の参道に立つ鉄の鳥居。木々に包まれており、なおかつ鳥居のまたがる参道の中央は立入禁止。そのため、気づかずに素通りしてしまいそうになります。
④四の鳥居・銅の鳥居
拝殿のすぐ手前にある青銅の鳥居。1666年に毛利家によって寄進された歴史のある鳥居で、国の重要文化財にも指定されています。(銅鳥居を触りながら回ると金まわりが良くなるという噂がありますが、こちらは創作のようです)
※「一の鳥居」といった数字で呼ぶ名称は公式な表記ではありませんが、わかりやすいので採用させていただいております。
さて、お気づきの方もいるかもしれませんが、4つの鳥居はそれぞれ別の素材でできているのです!②二の鳥居は木→鋼へと材質変更がありましたが、それでも素材別であることは変わらず。
せっかくなので順にくぐりたいところですが、①一の鳥居は出雲大社へ続く車道に跨っているため、意識しないと車で通り抜けてしまいます。また、出雲大社の最寄り駅となる出雲大社駅も一の鳥居を抜けたところにあります。この鳥居から参拝する場合は、「道の駅 大社ご縁広場」あたりからスタートするのが良さそうです。
また、さらに上級者は全国の八百万の神々をお迎えする浜・稲佐の浜から歩いて参拝するそう。ここから①一の鳥居までは徒歩で約25分、②二の鳥居までは約20分ほど。もし稲佐の浜から参拝する場合は、砂を拾っていくのがおすすめです!(※詳しくは後述の素鵞社にて)
独特な参拝方法
出雲大社の参拝ですが「三度の禊」といわれる参拝方法があるそう。簡単にまとめると、こんな感じです。
②祓社のすぐ先にある祓端(はらえのはし)を渡ります。
③四の鳥居・銅の鳥居のすぐ手前にある手水舎にて手と口を清めます。
なお、公式サイトに「三度の禊」という記載はありません!出雲大社には人々が考えたであろう俗説がとってもたくさんあるのでこれも非公式なものかもしれませんが、普通に参道を進むとこの順番になるので間違い、ということでもなさそうです。
銅の鳥居をくぐると、目の前には拝殿と御本殿の姿が。通常の神社では二礼二拍手一礼にてお参りしますが、ここ出雲大社では「二礼四拍手一礼」。有名なのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
なお、御本殿以外の社殿を参拝する際も「二礼四拍手一礼」で良いそうです。
重厚感ある建築群
御本殿は大社造と呼ばれる建築様式で、掘立柱で支えられているのが特徴的。その高さは24mとかなりの大きさです。
近年の調査によると、かつてその高さは48mもあったそう。拝殿の前には、当時の柱を再現した円が描かれています。3本の木を束ねて一本の柱としており、その直径は3mにも及びます。詳しく知りたい方は、すぐ近くにある出雲歴史博物館への訪問がおすすめです。
本殿向かって左右を囲むように見える長い木造建築。飾りなどはないため、一見すると木の塀に見えますが、こちらは十九社という末社。普段は全国八百萬の神への遥拝所であり、旧暦十月には全国の神々のお宿となります。
本殿の裏手にある重厚感あふれる木造建築。こちらは彰古館といい、ご本殿や宝庫に収蔵されていた宝物を展示するための施設。明治時代に造られたもので、「神社博物館」のかぶら矢であったそうです。
神楽殿の大注連縄
拝殿の西側にある神楽殿。御祈祷や結婚式をはじめ様々な祭事行事が執り行われている場所です。
目が行くのはなんといっても大注連縄。長さ13m、重さ5t、周囲9mという超巨大な注連縄は出雲大社のシンボル。拝殿にも大きな注連縄がありますが、神楽殿のものはそれを遥かに凌ぎます。
ついつい「日本最大の注連縄」と言いたくなりますが、実は長さと重さは茨城県の常陸国出雲大社(長さ16m/重さ6t/周囲2m)のものが日本一のようです。ただし、太さに限ればここが圧倒的に日本一となります。
なお、注連縄に小銭が刺さっていることがありますが、お賽銭をここに投げ入れるのは神様に対して失礼にあたるとのこと。うっかり投げてしまわないようにご注意くださいね!
素鵞社と禁足地・八雲山
御本殿のちょうど真後ろにあるのが素鵞社(そがのやしろ)。大国主大神の父にあたる須佐之男命を祀る社です。
社の床下には木箱が置かれており、そこには砂が敷き詰められています。この砂は稲佐の浜の砂。いただいて持ち歩いたり、家の四隅に撒いたりすると、様々なご利益があるそうです。
ここで注意すべきは、砂をいただくには手順が決まっているということ。その手順というのはざっくりこんな感じです。
②「三度の禊」を行い出雲大社に参拝する。
③持ってきた砂を素鵞社に奉納し、代わりに木箱の砂をいただく。
いざ現地に行ってみたところ、社の前にはお急ぎの方用に「稲佐の浜の砂」と「出雲大社の御砂」が用意されていました。袋さえ持っていけばすぐにご利益を得られます。
この社は、本殿とその裏の八雲山の間に建っています。この八雲山は、須佐之男命がヤマタノオロチを退治した後、稲田姫(イナタヒメ)とこの地に宮造りされたという伝説のある山。八雲山は禁足地であるため入ることはできませんが、この素鵞社の裏へまわれば、岩肌に直接触れることができます。
かわいらしいウサギの石像
境内を散策していると目に付くのは、白いうさぎ。かわいらしい石像は、全部で50羽以上も置かれているそうです。
この白うさぎは古事記に記載の神話「因幡の白兎」にちなんだもの。ざっくりとまとめるとこんなストーリー。
その後、無事に八上比売のもとにたどりついた大国主大神一行。八上比売は兄弟たちには見向きもせず、迷うことなく大国主大神を相手に選びます。
ディティールは様々なバリエーションがありますが、基本的には大国主大神の優しさを示すお話。白うさぎは、大国主大神と八上比売の縁を取り持ったことから、縁結びのご利益があるとされています。
おそばとぜんざい
さて、一通り散策したのでここらでひと休み!出雲大社の周りには、たくさんの食事処が軒を連ねています。
おすすめは出雲大社参拝者大駐車場の目の前にある「おくに」。こちらは8:00と早い時間から営業しているため、早朝参拝後のひと休みにぴったり。
おすすめは名物の出雲そばとぜんざいがセットになった縁結びセット。美味しいお蕎麦と上品な甘さのぜんざいの組み合わせは完璧過ぎます。
写真は割子そば2枚ですが、3枚バージョンもあります。また、セットには縁結びおみくじと「ご縁袋」のおまけも付いています。ご縁袋は「願い事が叶いますように開けずに大切にお持ちください。」とのこと。何が入ってるのでしょうかね。
アクセスと参拝情報
JR出雲市駅からバスで約25分、もしくは一畑電車の出雲大社駅から徒歩約10分。
車の場合は山陰自動車道の出雲ICから約15分。駐車場は周辺にたくさんあり、ほぼ全て無料で利用できます。どの鳥居から参拝するかで決めると良さそうです。
※にぎやかな神門通りの中心にある「神門通り広場駐車場」のみ、2022年10月より有料となるようです。
参拝時間 | 6:00~20:00 |
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公式サイト | https://izumooyashiro.or.jp/ |
※掲載の情報は2022年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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