眺望抜群な『米子城跡』でむかえるマジックアワーと夜景(米子市)

鳥取県

中海に面した湊山に立つ米子城。天守閣をはじめとした建築物はほぼありませんが、迫力の石垣と抜群の眺望が魅力的。日没の前後に訪れると、サンセット、トワイライト、夜景と様々な景色を楽しむことができます。

訪問日:2022/5/4(水)

山陰随一の名城

標高90メートルの湊山に築かれた米子城は、室町時代に築かれた城郭。「山陰随一の名城」とも称される壮麗な城であったといわれています。現在、建造物は残されていませんが、石垣や礎石などが保存されており、自由に見学することができます。

周辺は湊山公園として整備されており、憩いの場といった雰囲気。テニスコートも設置されています。

今回は夕焼け&夜景狙いで、他の観光スポットが閉館した18時過ぎに訪問しました。三の丸駐車場に車を停めて、登城口へと向かいます!

森の中の登城道

森の中の石段を上っていきます。未舗装ですが、整備されているためとっても歩きやすい。蚊がいるので虫よけはお忘れなく。

うっそうとした森を抜けると立派な石垣が見えてきました。加工した石を積み上げる「打込接(うちこみはぎ)」という工法で仕上げられた石垣は、かなりの迫力です。

駐車場から10分ほどで鉄御門跡に到着。ここを抜ければ天守台はもうすぐそこです。

開放感抜群な天守台

たどりついた天守台は圧倒的な開放感!かつて五重の天守閣と四重の副天守閣がそびえていたため、とっても広々としております。視界を遮るものがないパノラマに思わず声が出ます。

目の前に広がるのは中海。米子城は海(汽水湖)に面した海城でもあり、お堀には海水を引いていたそう。

只今の時刻は19:05。日没18:55でギリギリ過ぎたタイミングでしたが、夕陽に染まる美しい景色が見られました。

この米子城は絶景の城として知られており、2022年元旦にNHKで放送された「日本最強の城スペシャル 第10弾~一度は行きたい絶景の城~」で見事No.1に選ばれました。さらに、2月20日頃と10月22日頃には、日の出の位置がちょうど大山山頂あたりとなるダイヤモンド大山を拝むこともできるそうです。

刻一刻と変わる空の色

日没の前後は空の色が次々と変わっていく「マジックアワー」と呼ばれる時間。オレンジ色から、薄紫色へと変化していきます。

次々と変化していく空の色を前に、カメラアプリを閉じることができません・・・!

太陽の明かりが無くなると、濃いブルーの空へ。明かりが灯る米子の街並みと、雄大にそびえる大山の姿も見ることができます。

再現天守や櫓などの建築は残っておらず、復元もないため少し寂しい印象のお城ですが、これだけの眺望が楽しめれば充分です!

ただし登城道には街灯が無いため真っ暗。夕焼け&夜景ねらいの方は、何か足元を照らせるのものをお忘れなく!(スマホのライトでも大丈夫ですので、バッテリーにはご注意を)

米子城のヒストリー

さて、せっかく訪問したので少し米子城の歴史について調べてみましょう!

正確な築城年は明らかになっておりませんが、応仁の乱後の1470年頃に山名宗之によって築かれた砦がはじまりと考えられています。

その後、毛利一族の吉川広家によって本格的な近世城郭として築城を開始。関ヶ原の戦いによって広家が岩国へ転封されると、その後は中村一忠が入城。未完成であった米子城を完成させ、城下町を整備しました。一忠がこの世を去ると中村家は断絶、城主は何度か変わり、最終的には荒尾氏が「城預かり」となり幕末まで納めて行きます。

江戸幕府が一国一城令を発すると日本各地の多くの城が廃城となりましたが、米子城は取り壊されることなく保存されました。

明治維新を迎えると、ついに米子城も廃城へ。士族に払い下げられますが、ほとんどの建物は取り壊されていきました。

秘められた人柱伝説

米子城の別名は「久米城」。その名前には、悲しい伝説が秘められていました。

かつて吉川広家が天守台を建造する際、高い山の上に石垣を積むという難工事であったため事故が多発しておりました。そこで、人柱を立てることになり、城下町に住む「お久米」という女性がターゲットに。

盆踊りの最中にお久米はさらわれ、人柱として埋められてしまいます。結果的に工事は順調に進み、お城は無事完成。人柱となったお久米を悼んで米子城の別名は久米城と呼ばれるようになり、また盆踊りも長い期間行われなくなっていたそうです。

非常に悲しく恐ろしい話に感じますが、こちらの「米子歴史浪漫プロジェクト」というサイトでは異なるイメージで描かれた漫画が掲載されています。

米子歴史浪漫プロジェクト
米子市の歴史、伝説等をマンガやイラストを...

人柱伝説に限らず、米子城についてとてもわかりやすい漫画が掲載されていますので、知識を深めたい方におすすめです!

アクセス情報

登城口まではJR山陰本線の米子駅から徒歩15分。

車の場合は山陰自動車道の米子西ICより約10分。かつては湊山公園駐車場がメインの駐車場でしたが、2021年に三の丸駐車場がオープン。利用しやすくなりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました