来待石(きまちいし)をテーマにした石のミュージアム。古来より人々に利用されてきた石材の、採掘から加工にいたるまでを体感することができます。敷地内にそびえる採石場跡のダイナミックな光景は必見です!
島根県の特産品・来待石
「来待石」は、1400万年前の火山堆積物が固まった凝灰質砂岩。加工がしやすく様々な利用がされてきたこの石、江戸時代には特産品として重視されており、藩の外へ持ち出す際には許可が必要な「御止石(おとめいし)」と呼ばれていました。現在は、島根県の「県の石」にも指定されています。
来待ストーンは、そんな来待石の採石場に工房、陶芸館、ミュージアム、レストランの集まる観光スポット。
駐車場からは少し歩きます。途中には、手掘りのような跡が見える石のトンネルも。
トンネルを抜けた先は広い空間となっています。このコンクリートの建築がミュージアムで、入館料は390円です。
来待石のミュージアム
館内では、石にまつわる様々なものが展示されています。
屋敷古墳の石棺や、お寺の屋根にとりつける擬宝珠など、加工品がずらり。石という素材は様々な場面で利用されてきたことがわかります。
こちらは来待石灯籠。宍道町の産業として知られており、昭和51年には「出雲石灯ろう」として伝統的工芸品にも指定されました。
他にもヒゲクジラと化石やワニの足跡化石、流木の化石なども。火山堆積物である来待石は、その時代の様々な生物の化石が産出するそうです。
館内では一定間隔毎に「キーン」という音が鳴り響く。これはいったい何の音なのでしょうか?
リアルな職人さんの仕事
館内に設置された大きなスクリーンには、採石から加工までを行う石工職人さんの姿が映し出されます。
職人さんが切り出した石は、様々な行程を経て少しずつ形を変えていく。ナレーションの音声案内などはなく、作業の音と、重い石を運ぶときの職人さんのかけ声のみ。リアルな仕事の映像は、ずっと眺めていられそうです。
また、この映像を見ていると、さきほどから気になっていた「キーン」という音の正体がわかります・・・!
スクリーンの周辺では、映像の中で出てくる「キリヌキ」「イシワリ」といった作業の解説も展示されています。壁から生えた手がなんだかシュールですが、非常にイメージしやすい展示方法。より詳しく知りたい方はこちらを見ればいろいろとわかります。
映像で使用されていた道具の実物も展示されています。楔のような「ヤ」と、それを打ち込むための木槌「ゲンノウ」など、使い方も解説されているためとってもわかりやすい。
迫力の採石場跡
博物館の外にも展示が続いており、来待石の石燈籠や、石切に使用されたチェーンソーなどが並んでいます。
圧巻なのは博物館のすぐ隣にある採石場跡。こちらは「三才谷の大岩」と呼ばれた場所。高さ25mの断崖がそびえており、かなりの迫力です。
整然と切り揃った巨大な石は、あちこちから植物が茂り緑色に彩られています。まるで森の中の巨大な遺跡のような出で立ちで、廃墟のような魅力を感じます。
この採石場は、明治時代から昭和30年頃までの約60年間にわたり操業されてきたそう。さらに少し離れたところにも採石場跡があるのですが、現在は立入禁止となっていました。
アクセスと営業情報
JR来待駅から徒歩約15分。車の場合は松江の市街地から約25分、出雲大社から約45分。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 火曜、年末年始 |
料金 | 390円 |
公式サイト | https://www.kimachistone.com/ |
※掲載の情報は2022年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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