向島から橋で渡ることができる岩子島(いわしじま)。海辺に立つ厳島神社から歩いて西岩岳の山頂付近にある「ゆるぎ岩」を目指します!時間と距離はそれほどかかりませんが、注意すべきポイントは多数あるので気を抜かないようにご注意ください。
岩子島ってどんな島?
岩子島は広島県尾道市の離島。面積は2.46㎢ほどの小さな島で、500人ほどの人が暮らしています。
本土とは直接つながってはいませんが、すぐ隣の向島(むかいしま)との間に向島大橋が架かっております。この向島はしまなみ海道が通る島であるため、間接的に本土と陸続きになっています。とはいえ、しまなみ海道のメインルートからは少し外れるため、訪れる観光客は少なめ。落ち着いた雰囲気が味わえる島です。
農業が盛んな島で、島民の4割が「ワケギ」栽培の農家であるそう。島内には濃い緑色の畑がたくさん。ネギの豊かな香りも漂います。
海辺の鳥居・岩子島厳島神社
岩子島のメインの観光スポットである岩子島厳島神社は、海辺に建つ静かな神社。トイレ付きの駐車場もあり、車でも立ち寄りやすいです。
社殿の軒下には、赤穂浪士の日本画がずらりと並んでいます。昭和初期に奉納されたものであるそうですが、潮風で風化してしまわないか少し不安になります。
この神社の見どころとして人気が高いのが、こちらの大鳥居。宮島の厳島神社同様に海に向かって立っております。ほぼ満潮のタイミングに訪問したところ、すぐ手前まで波が打ち寄せており、なんとも絵になる光景。そして海がびっくりするほどキレイ!
よく見ると、鳥居の先には海中にそびえる石灯籠の姿も。干潮時は砂浜に立つ姿ですが、満潮時は海に浮かんでいるかのようです。
手掘りの質感残る浜之浦隧道
今回めざす「ゆるぎ岩」への登山道は、近くに駐車場がありません。Google mapのストリートビューで下調べもしたのですが、車を停めることができそうな路肩なども無さそう。ということで、岩子島厳島神社の駐車場から歩いて向かうことにしました。
途中に見えてくるのは浜之浦隧道。入口はコンクリート仕立てでとってもきれいなトンネルです。
中へ進んで行くと、中央付近からは急にゴツゴツとした質感へと変わってきます。もともとは手掘りのトンネルであり、途中からコンクリートによって補強されたのでしょうね。
このトンネルは赤川次郎の小説をもとにした1991年公開の映画「ふたり」のロケ地であったそう。「新・尾道三部作」の第一作であり、尾道や向島など様々な場所で撮影が行われたそうです。
山道と花崗岩を越えて
厳島神社駐車場から歩くこと10分弱、浜之浦隧道を抜けて振り返ると斜めに伸びる道が見えてきます。こちらがゆらぎ岩への登山道の入口。この赤矢印のように、トンネルから折り返して上っていきます。
序盤は舗装路ですが、すぐに未舗装の山道へ。すぐに見えてくるのは石仏や石垣のあるちょっとした広場。
ここはルートの分岐点。登ってきた道をさらに折り返すようなカタチで進んでいきましょう!ここで間違えると真逆に進んでしまうことになるのでご注意ください。
しばらくは木々に包まれていますが、途中から一気に開けてきて気持ちの良い道に。
この先に見えるのが、ラストスパートである風化した巨大な花崗岩。なかなかの急傾斜かつ、足場が砂粒だらけなので非常によく滑る、最大の難所です。写真では伝わりにくいのですが、身体を預ける場所も無く、迂闊に動くと滑ってしまうため立往生してしまいます。
ここにはロープが設置されているので、躊躇いなく握れるように軍手やグローブの持参がおすすめです。とはいえ、ロープにたどりつく手前が大変であり、全てを助けてくれるわけではありません。強風や雨の日は特に危険で、引き返す勇気も必要だと思います。
なんとか登った先で振り返ると、壮大なパノラマが広がります。先ほど訪ねた岩子島厳島神社の鳥居もばっちりと見え、それなりの高さまで登ってきたことを実感します。
山頂を越えてゆるぎ岩へ
その先に見えてくるのが巨大な岩。ここまで来たらもう一息です!
西岩岳山頂を示す頂上標。ゆるぎ岩のことで頭がいっぱいでしたが、ここは西岩岳という山なのです。視界一面に広がる瀬戸内海の景色が疲れを癒してくれます。
もう既に満足感はいっぱいですが、そこから少しだけすすむとついに見えてくるのがゆるぎ岩。絶妙なバランスでのっかる横長の岩。不安定にみえますが、実はかなり安定しており、人の力で押したところでゆるぐことは全くありません。
ここまでの所要時間は登山口から約20分、厳島神社からは約30分ほど。厳島神社起点の場合のトータルの所要時間は、【1時間30分】ほど見ておくと良さそうです。
ルートロストにご注意
実は、一度道を間違えました!!
最初の分岐点、赤矢印の方に進めば良いものを、なぜか紫矢印の左奥へと進んでしまいました。
トンネルに沿って登ってきていると思い込んでいたため、南北を勘違いしたたま進んでしまったのが原因です。立ち止まって方位をちゃんと確認すべきでした。
しばらく進んで何かがおかしいと思い、道を戻ることができたのですが、そのまま進んでいたら、ゆるぎ岩に近づくことなく厳島神社に帰ってしまっていたかもしれません。
なお、道中ではゆらぎ岩と同じくらいの岩が置かれたポイントを見つけました!ここはけっこう穴場かもしれません。
というわけで、道も間違えやすいですし、頂上付近にはかなり危険な場所もあります。20分程度の登山とあなどらずに、しっかりとした心がまえで挑むのをおすすめします!
(先ほど所要時間について記載しましたが、これはロストしていた時間を省いて計算しております。)
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