大三島 Part 2 アートにどっぷり浸れる5つのミュージアム(今治市/芸予諸島)

芸予諸島

しまなみ海道が通る離島、大三島(おおみしま)にはミュージアムがたくさん!お得な共通券も販売されており、アートめぐりが楽しめます。今回は5館チケットでたっぷりと楽しんできました!

訪問日:2023/5/2(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

共通券がおすすめ

大山祇神社や道の駅、日帰り温泉に多数の食事処など見どころの多い大三島。そこに加えて島内には5つのミュージアムがあります。

①ところミュージアム大三島
②伊東豊男建築ミュージアム
③岩田健母と子のミュージアム
④大三島美術館
⑤村上三島記念館

これらのミュージアムは共通チケットが販売されています。①②③の3館チケットは1,000円、①②③④⑤の5館チケットは1,500円。3館チケットは別々に買うよりも460円お得、5館チケットならば1,000円もお得になります。

このチケットの有効期限は購入日より一年間。2日かけてゆっくりめぐっても、半年後に再訪してもOKという寛大さ。各施設にて販売しているので、事前購入不要なところもポイントです。

気になるのはそれぞれの美術館の距離感。大三島は大きな島なので、どれくらい時間が必要でしょうか?

一番北にある村上三島記念館から、一番南にある岩田健母と子のミュージアムまでは約15km、車があれば20分程度。5つのミュージアムはほぼ一本道で巡ることができるので、トータルの移動時間は30分程度で済みます。

①ところミュージアム大三島

海辺の高台に建つミュージアム。5つの施設で唯一の現代アート美術館であり、インパクトのある立体作品が多数展示されています。

マリソールの奇妙な彫刻、深井隆の翼の生えた椅子《逃れゆく思念-垂直の時間-》、林範親のすべて木でできた駅の売店《K・I・O・S・K 3・4番ホーム》など刺激的な作品が多い中、特に目立つのはのはメキシコのアーティスト、ノエ・カッツの不気味でありながらもどこか愛嬌を感じる作品。

基本的に作品の撮影はNG。また、特に解説などもないため、知識よりも感覚で楽しむタイプの美術館です。

収蔵品ももちろんですが、建築もかなり特徴的。入口からは海に降りていくかのように階段状に展示室が続いています。

展示室をめぐっていくと、最後は大海原が目の前に広がります。開放的な空間は、晴れの日はとっても清々しい気分に。

②伊東豊雄建築ミュージアム

「せんだいメディアテーク」や「大館樹海ドーム」、新しくなる「水戸市民会館」などで知られる建築家・伊東豊雄自身によって手掛けられた建築ミュージアム。

とにかく目を引くのはその印象的な建築。「スティールハット」と呼ばれる建物は、まるでCGのようにくっきりと浮かんでいます。

靴を脱いで入る館内、自然光が取り入れられた空間はとても居心地が良いです。

訪問した際は、展覧会「子どもと共に建築を考える(2022年10月9日〜2023年9月15日)」が開催中。「伊東建築塾」の活動の一環としてはじめられた「子ども建築塾」の塾生である子どもたちが考えた、ユニークな建築が展示されています。

「動物と一緒にくらすいえ」「透明ないえ」「水に浮かぶいえ」など夢あふれる内容ばかり。一部は建築模型になっているものもあります。知識を増やすというより、希望を感じる展覧会です。

映像作品では、子ども建築塾のメンバーによる、これまでの印象的な作品や子ども建築塾の意義について語られます。この部屋はビーズクッションがあって非常に居心地が良いです。

③岩田健母と子のミュージアム

埼玉県川口市生まれの彫刻家、岩田健の作品を展示したミュージアム。「母と子」を主な題材に、温かな作風で知られる氏の作品を展示しています。

展示室は真っ白く円形の回廊状になっており、中央の芝生に作品が点在。ほぼ屋外型であるため、訪れる天気によって印象が変わります。

作品は撮影不可ですが、全体的にならば撮影OKとのことでした。また、展示室は一つだけなので、さっと見るだけならば一瞬で終わってしまいます。せっかくなので、ひとつひとつじっくり見てみるのがおすすめです。

注目したいのは、美術館のテーマにもなっている《朝の母子像》《昼の母子像》《夕の母子像》《風の母子像》《髪の母子像》といった母子像。描かれている母は、大人の女性というよりは少女のような姿。姉弟、姉妹といわれても納得してしまうほど可愛らしく若々しい姿です。

このミュージアムと同じ敷地には、憩の家という小学校をリノベーションした宿泊施設も建っています。学校に泊まるのなんて、憧れますね・・・!

④大三島美術館

大山祇神社のすぐ傍に建つ大三島美術館は、近現代の日本画を多数収蔵したミュージアム。

訪問時には館蔵品展「現代日本画が描く 瑞々しい緑と果実の表現」(2023年3月2日~5月28日)を開催中。

大山祇神社の御神木である大クスを描いた作品《精樹大楠》by 中島千波が印象的。自然をリアルに描いた作品に見えますが、よく見ると葉っぱは四角形というのも面白いです。

開館10周年を記念して増設された田渕俊夫記念展示室では、赤く染まった《灼熱の午後》、青と緑のグラデーションが美しい《大地》など、惹きつけられる作品が。思わず《大地》のポストカード買ってしまいました。

なお、HPには駐車場(50台)と書かれていたのですが、建物付近には見当たらず・・・。どうやら市営藤公園前駐車場を利用するようです。道の駅御島からも歩いてすぐです。

⑤村上三島記念館

大三島生まれの書家である村上三島(むらかみ さんとう)の作品を展示したミュージアム。多々羅大橋のすぐそば、道の駅今治市多々羅しまなみ公園の脇の細い道を上った先にあります。

館内は撮影NG。作品はもちろん、筆、硯、旭日中綬章受章の際に内閣総理大臣より送られた賞状、おびただしい数の筆が並ぶ再現されたアトリエなど様々な展示があります。

解説などは少ないため知識が無いと入りにくい印象。ただし、第3展示室の広い部屋に掛け軸がびっしりと並ぶ様子は圧巻。ひとつひとつの素晴らしさはわからなくても、何て書いてあるかわからなくても、圧倒される書のチカラを感じることができます。

高台に建っているため、見晴らしは抜群。多々羅大橋や生口島をはじめとしたしまなみ海道の絶景が広がります。

何と言ってもここは誰もいません!

GWの13:30頃に訪問したのですが、訪問客は私以外におりませんでした。この景色を独り占めできます。


これにてアートめぐりはおしまい。生口島から大三島に渡ってきたので、まわった順番は北から「⑤村上三島記念館→④大三島美術館→③岩田健母と子のミュージアム→②伊東豊男建築ミュージアム→①ところミュージアム大三島」。

それぞれのミュージアムはそれほど広くないので、1館あたりの滞在時間は20~30分ほど。最初のミュージアムからカウントして最後のミュージアムを見終わるのに移動も含めた所要時間は約3時間でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました