古来より都の北に祀られてきた神社。境内には多くのサクラが植えられており、春先は多くの参拝客でにぎわいます。特筆すべきはその品種の多さ。この神社発祥の「魁桜」をはじめ、レアなサクラを多数見ることができます。
平安時代より続く古社
平野神社は平安京遷都が行われた794年頃創建という歴史の深い神社。桜の名所として知られており、春に訪れると境内は桜で華やかに彩られています。
ご神木はクスノキ。幹周り4.85m、樹齢400年という立派な樹です。
こちらの石は「すえひろがね」。神が宿るとされる霊石です。餅鉄(べいてつ)という、磁石を引きつける性質を持っており、磁石が入った「すえひろがり守り」をこの石に付けて、その霊力を持ち帰ることができます。
四柱を祀る本殿
鳥居、中門をくぐると見えてくるのはこちらの建築。舞殿のような姿ですが、こちらが拝殿となります。
拝殿の奥にある本殿。主神である今木皇大神(いまきのすめおおかみ)と、久度大神(くどのおおかみ)、古開大神(ふるあきのおおかみ)、比売大神(ひめのおおかみ)という四柱を祀っています。
連結した2殿が2棟、合計4つの棟が並ぶように見える姿は、「平野造」と呼ばれる独特な建築様式。江戸時代初期の寛永年間に再建されたもので、重要文化財にも指定されています。
いろんな桜がてんこ盛り
前述の通りサクラの名所として名高い境内、約60種類・400本ものサクラの木が植えられています。
直径5cmほどの大きな八重咲きを見せる「白妙(しろたえ)」。白くて美しい花は薄くピンクが入っており、まるで頬を赤らめているようです。
濃いピンク色の花が印象的な「陽光(ようこう)」。大きくて一重咲きの花はが、非常に存在感のあるサクラです。
こちらは珍しい黄緑色の花をつける「御衣黄(ギョイコウ)」。開花は4月下旬頃とのことで、まだまだツボミでした。
多数のサクラはそれぞれ花期が少しずつ異なっています。そのため、かなり幅広い期間でサクラの花が楽しめる名所なのです。
平野神社ルーツのサクラ
多数のサクラの中でもやっぱり見ておきたいのが平野神社発祥のサクラ。中でも最も有名なのが「魁桜(さきがけざくら)」。枝を大きく広げたしだれ桜で、この桜が咲くと京都の花見のはじまりといわれています。
白い一重の花を付ける「平野寝覚(ひらのねざめ)」。サクラは花が咲いた後に葉が茂る種類が多いですが、この種は葉が茂った後に開花するタイプ。花期は4月中旬とのことですが、3月下旬で咲いてました。
一方、「平野妹背(ヒラノイモセ)」はまだまだツボミ。4月中旬頃〜下旬頃とのことで、他のサクラに比べると遅咲きの種類となります。淡紅紫色の八重咲きで、一つの花に2つの雌しべがつくそうです。
菜の花とのコラボが美しい桜苑
境内には多数のサクラが集まる有料エリアの桜苑があります。既にサクラはお腹いっぱいですが、ここではサクラだけでなくナノハナとのコントラストが楽しめるのがポイント。
ナノハナ畑の中に通路があるため、「お花畑でウフフ、アハハ」な写真を撮影することができます。さらに、ここではライトアップも開催されています。日没とともに照らされるそうなので、他の名所をめぐった最後に訪れるのもおすすめ。
なお、入園料は500円、1日券1,000円。再入場は不可となっているため、昼・夜ともに訪れたい方は1日券を利用するのが良さそうです。(この桜苑、かつては無料でしたが、台風の被害を受けてその修繕のために有料となったそうです。)
アクセスと参拝情報
京福電鉄北野線の北野白梅町駅より徒歩7分。バス停《衣笠校前》より徒歩3分。
参拝時間 | 6:00~17:00 ※桜の時期は21:00頃まで |
---|---|
料金 | 無料 ※桜苑は500円 |
公式サイト | https://www.hiranojinja.com/ |
※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント